人間の血液型はABO式、Rh式などで分類されています。
特に、ABO式の4種類が一般的に知られています。
同様に、猫にも血液型があります。
飼い猫が不慮の事故により輸血を必要としたときなど、あらかじめ血液型を知っておくことは飼い猫の命にもかかわる重要な情報です。
ここでは、そんな意外と知られていない猫の血液型について紹介していきます。
猫の血液型の種類
猫の血液型は猫AB式と言われる方法で3種類に部類されています。
「A型」「B型」「AB型」の3種類で、人間のように「O型」は存在しません。
人間では二番目におおいとされるO型がないというのは、なかなか意外な事実かもしれませんね。
猫の血液型の調べ方
飼い猫の血液型を知るにはどうしたらよいのでしょうか。
基本的には動物病院で調べてもらうことになります。
現在、血液型を調べるためのキットがあります。
まずは動物病院に赴き、安心して獣医にお願いしましょう。
血液型を知るメリット
わざわざ動物病院まで行って血液型を調べることにどんな意味があるのでしょうか。
実は、万が一の自体における非常に重要な情報となります。
血液型を知っておくと、以下のようなメリットがあります。
①輸血を安全に受けることができる
先にも述べましたように、不慮の事故にあった場合など輸血が必要な場合に、 即座に、安全に輸血を受けることが可能です。
一分一秒を争う状況では強力な情報となります。
特に、危ない状況では血液型を調べるキットによる判定が難しいため、 あらかじめ血液型を知っておくことは非常に重要です。
②血液の提供ができる
血液型を知っていると、血液を提供することができます。
街中で献血の呼びかけを目にすることがあると思いますが、 同様に猫にも献血が行われています。
年齢や体重、健康状態など条件はありますが、 可能ならば他の猫のために協力して頂きたいと思います。
興味のある方は、最寄りの動物病院に相談してみましょう。
最近ではドナーを募集してる病院もあります。
③安全に子育てができる
新生児溶血性疾患というものをご存知でしょうか。
血液の不適合により、貧血状態になってしまう病気です。
母猫と子猫の血液型が違う場合に、初乳を飲むことで 血液の不適合により貧血などの症状が発生し、時には死に至ることがあります。
母猫と父猫の血液型を知っていればこのようなことは起こりません。
このように人間と同様のメリットがあることがわかります。
いずれも命にかかわることですので、ぜひ知っておきたいですね。
猫の血液型の分布
人間の血液型は、地域によって割合が異なっていることが知られています。
日本ではA、O、B、AB型の順で3.3.2.1の割合ですが、ヨーロッパではA、O型が4割と多く、中東ではB型が他に比べて多いことがわかっています。
同様に猫にも血液型の分布の違いはあるのでしょうか。
猫の場合は、品種ごとに及び生息場所により割合が異なっていることが知られています。
品種ごとの例としては、アメリカンショートヘアはB型が10%未満、ヒマラヤンはB型が10~25%未満、ラグドールはB型が25%以上ということがわかっています。
B型以外はほぼA型が占めており、AB型は多くても5%未満と非常に少ないです。
生息場所の例としては、ヨーロッパではB型が10%未満でAB型が5%未満程度、中東ではB型、AB型が共に15%程度、アジアではB型が0~10%未満でAB型はほぼ0%。
それ以外はA型となっており、いずれにしてもA型が大変多いことがわかります。
日本の猫の場合はどうでしょうか。
日本に住む猫はほとんどがA型と言われています。
B型は10%程度、AB型はほとんど存在しません。
このように、猫の血液型の分布は、品種や生息場所により多少の違いはありますが、ほとんどがA型、わずかにB型、ごくごく稀にAB型がいる、という認識で問題ありません。
AB型が少ない理由としては、AB型はAB型同士の猫の間にしか生まれないためです。
もし、飼い猫がAB型だった場合は、非常事態に備え輸血など調べておくべきでしょう。
血液型と性格
血液型と聞いて思い浮かぶのは性格の違いです。
人間の血液型でよく言われているものとして、A型は几帳面、B型は変わり者、O型は大雑把、AB型は天才肌などが挙げられます。
猫にもこのような血液型による性格の違いはあるのでしょうか。
結論を言えば、血液型によって性格が決まっている、ということはありません。
結局のところ、かかわった他の猫や人間、環境によって変わるとしか言えません。
人間の血液型性格診断と同様、科学的根拠はありません。
猫の血液型を知ろう
飼い猫の血液型なんて気にしたこともなかったという方もいらっしゃると思います。
しかし、血液型を知るということは、輸血や献血、新生児の扱いなど、大切な飼い猫の命を守ることにつながります。
これを契機に、一度動物病院で調べてみてはいかがでしょうか。