猫の肉球

皆さんは、猫の肉球を触るのは好きですか?

その柔らかい肉球を猫の魅力に挙げる人も多いでしょう。

そうやって毎日肉球を触っていると、その温度変化にも敏感になってくると思います。

そんな、肉球が冷たかったり熱くなったりするのは何故なのでしょうか。

眠いと肉球は熱くなる

猫に限りませんが、哺乳類は基本的に寝てる間は、起きている時よりも激しく代謝して熱を発生します。

そのため、寝ている時の方が起きている時より体温が高くなります。

猫は全身が毛に覆われているので、その体温の変化は普通に体を触っているだけでは、非常にわかりにくいです。

しかし、毛の生えていない部分、肉球や耳の中などでは、体温変化を感じ取ることができます。

ですので、肉球が熱いのは、寝ている時、起きてすぐ、眠い時などに見られるのです。

猫を触っていて、肉球がいつもより熱いな、と感じたらそれは、猫がもう眠いのかもしれないので、遊ぶのを切り上げてあげましょう。

きっと、目の前で丸まって眠ってくれますよ。

熱があると肉球は熱くなる

先ほども述べたように、体温が高くなると肉球は熱くなります。

つまり、肉球が熱いということは体温が上昇しているという事です。

例えば、激しく運動した後などは体温が上がり肉球で体温の上昇が感じられます。

しかし、全然運動していないのにずーっと肉球が熱い。

そういう時は、熱がある可能性があります。

風邪をひいた時、ウイルス病に感染したなどの理由で体温が上昇し、肉球が熱くなります。

もし、そのような症状になっていたら、しっかりと様子を見極めて、調子が悪そうでしたら、動物病院に連れて行ってあげましょう。

熱があるかどうかは、大事な健康のバロメーターです。

熱中症で肉球が熱くなる

猫は寒い所よりも暖かい所が好きなので放っておいたらずーっと日向で寝ていたりします。

その時に水をあまり飲まなかったり、風が吹いていなかったりして、体温がどんどん上昇し、熱中症になってしまうと、肉球が熱くなります。

熱中症で、ぐったりしてよだれを垂らしたり吐いたりしている時は、放っておくと死んでしまいますので、すぐに涼しい場所に移動して、うちわで扇ぐなどして体を冷やしてあげましょう。

そして、一刻も早く動物病院に連れて行ってあげましょう。

そんなことにならないために、新鮮な水をいつでも飲める場所に置いておいておく、飼育環境は風通しの良い場所を用意するといった工夫をしてあげましょう。

上手く血液が循環していないと肉球が冷たくなる

肉球がある程度の体温を保っているのは、常に血液が血流にのって循環し続けているからです。

その血流が止まってしまうと、肉球の温度が下がってしまいます。

血流の止まる、あるいは弱まる原因はいくつかありますが、最も危険なのが心臓に問題がある場合です。

猫では、拡張型心筋症と呼ばれる心臓の病気が老齢猫で起こりやすいのですが、心筋症では心臓の全身へ血液を送るポンプ機能が弱まり、血流が弱くなって肉球に流れる血液の量が少なくなり、肉球が冷たくなってしまいます。

他に、肉球が冷たくなる原因で、人間でもありうる血栓によって起きることがあります。

血栓とは、血液がドロドロになり塊となってしまう病気です。

出来上がった血栓は血管から外れると、血の流れに乗って血管を詰まらせてしまう事があります。

もし、この時に細い血管でなく太い血管を詰まらせてしまうとその血管以降には血液が流れなくなってしまいます。

また、猫ではあまり見られませんが、フィラリアに感染することで、心臓が上手く働かない、血管が詰まるということもあるので覚えておきましょう。

もし、寒いわけでもないのに長時間、肉球が冷たい時は動物病院に連れて行ってあげましょう。

貧血の時は肉球が冷たい

先ほど述べた事と関係しますが、貧血が起きて血液の量が少なくなくなっても肉球は冷たくなります。

特にケガなどで大量に出血している場合などでも、貧血が起きて血液の量が少なくなり、肉球が冷たくなります。

また、外からは見えない、腸や肝臓といった内臓からの出血で貧血が起きることにより、肉球が冷たくなることも当然あります。

また、出血以外にも、貧血の原因として、バベシアという血液に寄生する寄生虫や玉ねぎ中毒、亜鉛中毒、鉄分欠乏、などが考えられます。

肉球が冷たくて、目の粘膜や舌が白い時は、貧血を疑ってください。

肉球の温度も猫の健康を知る大事な情報

猫の肉球は毛に覆われていない数少ない部位の一つです。

肉球は猫の体温調節の要であり、健康状態を知るためのバロメーターのひとつです。

気候が暑かったり寒かったりしていないのに、肉球が熱いまま、冷たいままでずーっと変わらない時は、重大な病気にかかっていたり、ケガをしている可能性があります。

そういった変化に気づいたら、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。