飼えなくなった猫を保健所に連れていったり、捨てたりといった悲しい現実は後を絶ちません。

なぜ猫は捨てられてしまうのか、よく見られる例をご紹介します。

思っていたより手がかかる

猫は生き物です。

毎日ご飯をあげ、排せつ物の処理をして、病気になれば病院に連れて行ったりしなくてはならないです。

爪を研ぐので家や家具が傷ついたり、粗相をしてしまったりすることもあるでしょう。

旅行なども制限されるし、お金もかかります。

生き物を飼う上でそれは当然覚悟しなければいけない事なのですが、「思っていたより手がかかる」と捨ててしまう人は多いのです。

家族に猫アレルギーが出た

特に小さいお子さんがいる家庭で多いのですが、猫アレルギーが出て飼えなくなったので手放すという話があります。

アレルギー症状を抑えるためにはアレルゲンとなる原因(猫)を遠ざけなければいけないのは事実ですが、猫が悪いわけではありません。

捨てるという判断はせず、可愛がってくれる人を探すのが飼い主としての責任ある行動でしょう。

また、猫を飼う前には猫に対してのアレルギーがないかどうかの検査も必要です。

飼い主が入院したり亡くなってしまう

単身で猫を飼われている方が高齢になったり病気になったりして入院しなければならず、猫の世話ができなくなるため捨ててしまったり、猫を残したまま亡くなってしまうということがあります。

飼い主の方も捨てたかったわけではないかもしれませんが、万が一の場合を考え、自分に何かあった時は猫を頼める人や場所を確保しておくことが必要ではないでしょうか。

飼い主が引っ越したため

引っ越し先が会社の社宅である、引っ越し先でペット可の物件が見つからなかったというような理由で捨てられる猫がいます。

ペット可の物件は割高になることが多く、数も少なめなので、探すのは大変になるかもしれません。

しかしどうしてもペット可の物件が見つからなかった場合は人間の都合で捨てるという判断はせず、可愛がってくれる人を探すのが飼い主の責任ではないでしょうか。

飼っている猫が子猫を産んでしまった

外を自由に行き来している猫だと、繁殖期に異性を見つけて妊娠出産してしまう事があります。

そのため、子猫のやり場に困り捨ててしまうという悲しいことが起こります。

外を自由に行き来する猫は、避妊去勢手術をして妊娠しないようにする方法があります。

避妊去勢手術を可哀想と言う人も多いですが、保健所に持ち込まれる子猫のほとんどは不妊手術をしないために生まれた子猫たちです。

そういう子猫たちを減らすためには、必要な処置と考えなくてはいけないのではないでしょうか。

また、室内飼いだからと安心はせず、オスとメスを一緒に飼っていて、どちらも不妊手術をしていない場合は気を付けた方が良いでしょう。

猫は同じ親から生まれた兄弟同士でも、子猫を作ってしまいます。

猫が病気になった、高齢になった

猫が健康で若い間は可愛がるけど、高齢になったり病気になったりしてお金がかかったり、病院通いが必要になったりした場合に捨てられるという話は残念ながらあります。

生き物ですから当然病気にはなるし、私たちと同じように病気になったら痛かったり苦しかったりします。

病気になって苦しい思いをしながら、信頼していた飼い主に捨てられてしまうというのは猫にとってはとてもショックを受けることです。

公的保険制度のない動物医療は高額になってしまう事が多いですが、現在はペット保険も豊富にあります。

そういったサービスを活用しながら、一度飼った動物は最後まで飼い続けることは飼い主として当然の責任ではないでしょうか。

飼い主の生活環境が変わった

結婚した相手が猫が苦手であったりアレルギーがある、子どもが生まれてアレルギー症状が出てしまった、夫婦で飼っていたが離婚してどちらも引き取ることができない、仕事が忙しくなり猫の世話ができなくなった、飼い主の病気や入院、飼い主家族の介護などで猫の世話をする暇がないなど、飼い主の生活環境が変わったことにより猫を飼いきれなくなったというものです。

猫は平均して15年、長生きすると20年近くも生きる動物です。

猫を飼う前には15年後、20年後の自分の生活環境を見据えて飼う必要があります。

猫を捨てることだけは避けよう

猫が捨てられる主な理由をご紹介しましたが、猫自体に問題があるケースはあまりなく、ほとんどが飼い主側の都合で捨てられてしまう場合が多くなります。

止むを得なく手放さなければいけない事情もあるかと思いますが、安易に保健所に持ち込んだり野山に放すということはせず、可愛がってくれる人を探してあげましょう。

知人に当たったり、動物病院に相談して張り紙をさせてもらったり、SNSや里親探しサイトなどインターネットを活用するといった新しい里親探しの方法もあります。

しかし、里親に名乗り出る人すべてが信用できる人間である保証はありません。

誰でも良いから貰ってもらうという事はせず、信頼できる相手に猫を託すことが飼い主にできる最後の責任と言えます。