猫も夏バテになることがあります。

猫はもともと砂漠で暮らしていた動物なので暑さに強いと思われがちですが、室内飼いが進み、猫の体も夏の暑さに弱くなってしまっています。

そこでここでは夏バテの際に猫が見せるサインをご紹介します。

猫の食欲がなくなる

人間が夏バテになると食欲がなくなるのと同様、猫も夏バテにより食欲がなくなります。

これは、夏バテにより動くことが億劫になったり、消化機能が低下したりすることで食欲がなくなるということも原因の一つです。

また、食事をとると体の代謝が上がって体温が上がってしまうので、これを避けて体温を低く保つために、猫は食事をとらなくなります。

こうなると心配になるのが栄養不足です。

そこで、猫が夏バテになって食欲が落ちてしまったら、少ない食事で栄養をしっかり取れるようにカロリーの高いエサに変えてあげましょう。

他にも、猫が好んで食べるおやつなどを積極的にあげるようにすると良いでしょう。

猫がいつもより体温が高い

猫は発汗できる部分が手足の肉球の部分にしかないので、汗を出して体を冷やすことができない分、体温が上昇しやすい体をしています。

猫の平熱は38~39度ほどと言われていますが、41度になると命の危険もあるので、気をつけてください。

猫の体温の上昇を防ぐため、風通しを良くしたり、カーテンやブラインドで直射日光を遮ったり、エアコンで室温を下げるなどして、猫が快適に過ごせる環境を作ってあげましょう。

エアコンの場合は、室温を猫が快適に過ごせる28~30℃程度に設定するのが最も良いです。

人間に合わせて低く設定しすぎると、猫にとっては寒くなりすぎてしまい、逆に体調を崩してしまうこともあります。

また、特に猫を部屋に残して外出するときには部屋の温度の上昇に気をつけてください。

留守番をさせる時には部屋の扉を閉めず、猫が涼しいところを求めて部屋を自由に移動できるようにしておきましょう。

また、部屋の中に日の当たらない涼しい場所を作ってあげることで、猫は暑さを感じたときにそこで体を冷やすことができるようになります。

猫が水をあまり飲まなくなる

水をあまり飲まなくなることも夏バテのサインです。

水の摂取量が減ると夏バテの症状が悪化してしまう上に、結石や腎臓病のリスクも高まるので、猫に水を飲ませるよう工夫する必要があります。

エサを固形のエサからウェットタイプのエサに変えるだけでも、水分の摂取量が増えます。

また、夏バテになるとじっとしてあまり動かなくなる猫が多いので、どこにいてもすぐに水が飲めるように、いつもよりも水飲み場を増やすのもいいでしょう。

猫が毛づくろいばかりしている

毛づくろいは、猫が自分で自分の体温を下げるために行う行動です。

普段通りの頻度ならば通常の毛づくろいなので問題はありません。

しかし、あまりに頻繁に毛づくろいをしていたら、それは毛をなめることで毛を湿らせ、気化熱を利用して体を冷やし、体温を下げようとしているサインです。

そのような姿が見られたら、エアコンの設定を一時的に下げたり、風を入れて部屋にこもった熱を外に逃がしたりして、部屋の室温を低くしてください。

下痢・軟便

夏バテによって、下痢や軟便になることがあります。

これは夏バテによって食欲がなくなり、あまりエサを食べなくなった状態が長く続くことで、体力が落ち、消化機能が低下してしまうためです。

普段から猫のトイレを掃除するときなどに、便の状態を確認し、異変があればすぐにわかるようにしましょう。

腸の機能を回復するため、猫用のスポーツドリンクなども売られています。

そういったものがすぐに手に入らない場合は、人間用のスポーツドリンクを2倍に薄めて飲ませることも有効です。

猫がおしっこをしなくなる

夏バテにより、おしっこをしなくなったり、しても量が少なったり頻度が減ったりすることがあります。

これは熱中症の初期症状で、脱水症状を起こしている危険もあります。

水をきちんと飲んでいるのか確認し、エサなども工夫して多くの水分を取らせましょう。

猫はおしっこをしなくなってから1日や2日で死んでしまう恐れがあります。

日ごろからおしっこの量や回数を気にかけ、トイレを掃除する際にも血尿などがないか注意してください。

猫がよく吐く

猫は比較的よく吐く動物ですが、普段よりも頻繁に吐いていたら、それも夏バテのサインかもしれません。

人間でも炎天下に長い時間いてのぼせてしまうと、吐いてしまうことがありますよね。

同様に、猫も体温が上昇することで、のぼせて普段よりも頻繁に吐くようになります。

また、体温を下げるために普段よりも頻繁に毛づくろいをしている場合、多くの毛を飲み込んでしまいます。

その結果、胃に毛がたまりいつもより吐きやすくなることも原因として考えられます。

特に吐瀉物に血や胆汁(黄色っぽい汁)が混ざっていたら危険な状態なので、すぐに病院へ連れていきましょう。

猫が荒い息をする

長期間暑いところにいると、体温がどんどん上昇し、夏バテを通り越して熱中症になってしまう危険性もあります。

熱中症の初期症状としては、まず、息遣いが荒くなることがあげられます。

ハァハァと荒い息をしていたら、早めに病院へ連れていきましょう。

最も危険なサインは、舌を出して口からよだれや泡を出していることです。

この症状が見られたら命の危険があります。

濡れタオルで全身を包んだり、霧吹きで水を吹いたりして応急処置をしたうえで、至急病院へ連れていってください。

猫が夏バテしない環境を作ってあげよう

特に老猫や病気を持っている猫にとっては、夏の暑さは大敵です。

常に猫が涼しく生活できるよう、温度設定や風通しなどに気をつけ、涼めるポイントをいくつか作ってあげることが重要です。

換毛期になったらブラッシングをして冬毛を取ってあげるなど、夏バテにならないための予防をしっかりと心がけましょう。