座り方が変だったり、人間からすると寝にくそうな体勢で寝ていたり、猫は可笑しくも愛らしい姿を見せてくれます。
ちょっと笑ってしまうような姿もありますが、猫は単に面白い姿を晒している訳ではありません。
それぞれにちゃんと意味があるのです。
そこで今回は、猫がよくしているポーズとその意味をご紹介します。
香箱座り
単に「箱座り」とも言われています。
猫の姿が、香木や薫香料を収納する蓋付きの香箱に似ている事から名付けられています。
英語圏では「catloaf」と呼ばれ、パンの塊に見えるようです。
箱やパンの塊に例えられるだけあって、コンパクトに纏まっています。
この座り方は、前足を体の下に折りたたんで座っている状態です。
そのため、直ぐに動く事が出来ません。
狩りをする習性のある猫が瞬時に動けない体勢を取っているので、とてもリラックスしていると言えます。
表情もとても柔らかく、まったりうとうとしている感じがします。
同じネコ科でもライオンやトラには真似出来ない、猫特有の座り方です。
おやじ座り
パンダの座っている姿にも似ている事から、「パンダ座り」とも言われています。
後足を前に投げ出し、上半身を起こして背中を丸め、まるでおじさんが座椅子に座っているような座り方です。
ソファーや壁など寄り掛かって体勢を維持している場合が多いです。
この体勢は香箱座り以上に直ぐに動けません。
したがって、凄くリラックスしてくつろいでいます。
猫は体がとても柔らかいので、このぐでんとしている状態は楽なのでしょう。
また、太った猫の場合はお腹が邪魔で丸くなれず、普通に座るのが難しいために、この足を前に投げ出す体勢になっている場合もあります。
ごめん寝
謝っているような姿から、「ごめん寝」または「すまん寝」などと言われています。
両手を前に揃えて、そこに顔を埋めるようにして寝ている姿です。
前足を折りたたんでいる香箱座りや前足を伸ばして伏せをしているスフィンクス座りをしてリラックスしている時、そのままうとうとして寝てしまった場合が多いです。
土下座をしているように見えるこの寝姿の見た目は可愛らしいのですが、猫にとってはちょっと困っている状態でもあります。
猫としては、眩しくて寝にくいために取る体勢です。
光を遮るために、顔を埋めて目を覆っているのです。
猫はわずかな光でもものが見えるので、人間よりも光を感知しやすいために明るい所では寝にくいのでしょう。
へそ天
仰向けにごろんと転がって、おへそを天に向けている体勢です。
何とも無防備な姿です。
もちろんこれはリラックスしています。
誰もいない所では、安心しきっている状態です。
人間がいる所で見せる場合は、その人間を信頼している事になります。
その場合は、遊んで欲しかったり、かまって欲しい時だったりします。
思わずお腹を触りたくなるかもしれませんが、お腹を触ったり撫でたりすると大抵は嫌がってすぐに立ち上がってしまいます。
猫パンチをしてくる事すらあります。
猫はお腹が弱点なので、あまり触られる事を好まないからです。
かまって欲しいのだけれど、お腹を撫でられたい訳ではないので、撫でるのなら猫の好きな顔回りを撫でてあげるのが良いかもしれません。
立ち姿
地面にお尻をつけて、背筋を伸ばして立ち上がっている姿です。
ミーアキャットに似ているので、「ミーアキャット立ち」と言われる事もあります。
猫が立ち上がる時は、警戒しています。
周りに新しいものや見知らぬものがあったり、遠く離れた所に何か気になるものがあったりすると、警戒して立ち上がります。
立ち上がる事によって、視界が広がり周囲をよく観察できるのです。
猫が窓の外を覗こうとしているように立ち上がっている姿をよく見かけるのは、そのためです。
縄張り意識や警戒心が強い、あるいは好奇心旺盛な性格だと、この立ち姿をする事が多いです。
ふみふみ
猫が毛布などの柔らかい所でふみふみしている事があります。
足踏みするように前足を交互に動かし、同時に手もぐっぱぐっぱと開いたり閉じたりしている姿です。
これは、子猫時代の名残です。
母猫に母乳を貰う時に行なっていたもので、乳腺を踏んで刺激してミルクの出を良くする行動が元になっています。
子猫はおよそ生後10週齢から11週齢までが授乳期です。
それ以降になると、子猫がせがんでも母猫は猫パンチをしたり鳴いて威嚇したりして嫌がり、母乳を与えなくなります。
通常この母猫の行動によって、子猫はもう母乳を貰えない事が分かり、親離れの一歩を踏み出します。
しかし、これらの過程を経験せずに育った場合に授乳への動機が残ってしまった結果、ふみふみするようになる事が多いです。
猫がよくするポーズの隠された意味を知ろう
猫がよくするポーズには、色々な意味があります。
リラックスしていても、困っていても、私たち人間からすると可愛い姿に見えます。
一つ一つの行動に意味があるのですから、可愛いと思うだけではなく、どう言う気持ちなのかを知る事はとても大切です。
そうすれば、もっと猫と仲良く、より良い関係を築けるのではないでしょうか。