小型で飼いやすい印象を持ち、一般的な家庭でも受け入れやすい水棲カメですが、

実際に飼育したいと思ったとき、どのような準備をするべきなのかご存知でしょうか。

初めてカメを飼うために、いくつか必要な知識をご紹介します。

水棲カメをどこで飼うか

水棲カメは屋外の池などで飼育することもできますが、

一般的な家庭環境で育成する場合、家の中で飼うことが多いかと思います。

その際に準備するものはガラス水槽、もしくはアクリル水槽です。

予算や設置場所と相談してベストなものを選びましょう。

ケージの大きさはカメの成長後の姿を想定し、なるべく大きめの物を用意することをオススメします。

カメにとって生活しやすく、飼い主にとって掃除しやすいものを探しましょう。

また照明やヒーターなどを取りつけやすく設計された爬虫類用のケージもあるので、

選択肢の一つとして考慮してみてください。

その他にも、衣装ケースなどで飼育することも可能です。

安価であり入手もしやすいのでお手軽ですが、

プラスチックはカメの飼育環境として最適とはいえず、管理も大変となります。

なるべくきちんとした水槽を用意するようにしましょう。

飼育環境を整える

カメを飼育する水槽を決めたら、水場と陸場を作ります。

水場は水槽にそのまま水を張ってしまうか、水入れを使って限定的な水の空間を用意しましょう。

カメの大きさや掃除のしやすさを考え、使用する水槽の見合った規模を考えてみてください。

水棲カメの中には泳ぎ回ることが大好きな種類も多いです。

その場合はできるだけ深く大きい水場を用意してあげましょう。

水槽カメにとっては、身体を乾かすための陸場も重要な環境となります。

市販されている浮島や、砂や土をそのまま利用して作ることもできます。

ただいずれにせよ水の汚染が問題となるので、陸場の環境は細かくチェックするようにしてください。

カメの種類にもよりますが、だいたい水が7、陸が3くらいの割合で、

水槽内を整えてみるといいでしょう。

エサの与え方

基本的に市販されているエサを与えましょう。

人間と同じようなものを食べさせていると、カメの消化器官に負担をかけることになるので注意が必要です。

カメのエサには植物性のものと動物性のものがあり、飼っている個体によって好き嫌いがあります。

健康のために両方のエサをバランスよく与え、

その際にどのタイプのエサが好きなのか把握しておくといいでしょう。

リクガメと違い、水棲カメは少食なことが多いので、エサの与えすぎに注意しましょう。

運動不足と合わさると、消化不良を起こしてしまう危険があります。

子ガメの場合には多く与え、成長していくにつれて量を減らしていくようにしてみてください。

あまり運動させない場合は、二日に一回程度のエサやりで十分な場合もあります。

徹底した温度管理

カメは人間と違って変温動物です。

気温が低いと動きがにぶり、エサの消費量も減ってしまいます。

飼育環境の水温を保つため、ヒーターを設置して水温を管理するようにしましょう。

だいたい二十六度を目安とし、それ以下にならないように気をつけてください。

ヒーターと合わせてエアレーションなどで水を動かし、水槽内の温度を均等にするのもいいでしょう。

屋内で飼育しているなら、夏場でも水温が上がりすぎるということは少ないかもしれませんが、

水温が気温を越えない程度には管理するようにしてください。

エアコンを稼働させたり、扇風機を利用するだけでも十分効果があります。

また陸場でカメが体を温め、甲羅干しをするためのホットスポットを用意する必要もあります。

保温電球やライトを設置してあげましょう。

その際には熱が高くなりすぎないように注意してください。

いつも水をキレイに保つ

水をキレイに保つことは、カメを飼う上で最重要と言っていいほど大切なことです。

できるなら毎日、最低でも二三日に一回は水を取り換えるようにしてください。

水槽内の水はカメにとって飲み水にもなり、あまり汚れていると皮膚病の原因にもなります。

濾過装置やフィルターを設置することで、水質の汚染を遅らせることはできますが、

生きている限り排泄物などによって確実に水は汚れるので、掃除を怠ることがないようにしてください。

カメの種類によっては皮膚が弱い場合があるので、

水換えの際にはカルキ抜きをする必要があります。

いずれにせよ毎日水槽内の環境を確認し、清潔さを忘れないようにしましょう。

大事なのは紫外線

カメは紫外線を浴びることで、カルシウムを吸収するためのビタミンD3を生成します。

紫外線はカメにとって甲羅の成長を促し、健康になるための重要な要素となります。

屋内外でない限り、紫外線は飼い主が管理してカメに提供しなくてはなりません。

紫外線を照射するライトを設置し、カメが必要とする量に合わせて調節するようにしましょう。

もちろん紫外線は太陽からも得ることができます。

毎日外にカメを連れ出し、十分に日光浴させることができるならそれも良いでしょう。

いつでも必要な紫外線を与えられる環境を整えた方が、飼い主にとってもカメにとってもプラスになります。

紫外線はカメを飼うための必需品として考えるようにしましょう。

長生きな水棲カメの飼い方を知ろう

一見手間がかからず飼いやすいように思える水棲カメですが、

実際は水の入れ替えに水温と気温の管理、掃除にエサやりと、多くの時間とお金を必要とします。

ですがその分カメは長く生き、楽しい思い出をたくさんくれます。

しっかりとした知識と環境を準備し、最後まで責任を持って飼育してあげてください。