キャットフードの与え方は、1日何度かに分けて与えたり、置きエサにしていつでも食べられるようにしたりと飼い主によって様々です。
しかし、エサの与え方によっては猫の健康を害したり、肥満の原因になってしまいます。
基本となる正しいキャットフードの与え方を知っておきましょう。
成猫には1日2回与える
基本的に猫の食事は朝と夜の1日2回に分けて与えます。
残したエサはその都度捨て、毎回新しいエサを与えましょう。
たまにエサを食べきらないことがあっても、あまり気にする必要はありません。
猫は元々、食事を全てキレイに食べきることはあまりありません。
栄養不足を心配して他の好物やエサを足したり、おやつを多く与えてしまうと肥満の原因になります。
小食で一度に食べきれない猫なら、1度に与える量を減らして回数を増やしてください。
置きエサにして猫がいつでも食べられる状態にしていると、雑菌が繁殖してしまいます。
雑菌が繁殖したエサをいつまでも室内に放置しておくことは、猫だけでなく人間にとっても不衛生です。
キチンと時間を決めて与えると猫もエサの時間を覚えてくれます。
決められた時間に必ずご飯がもらえることがわかれば猫も安心できるため、無駄鳴きを減らす効果も期待できます。
適切な量を与える
成猫が1日に必要なカロリーはキログラムあたりの体重×80キロカロリーです。
例えば、体重5キログラムの成猫なら、5キログラム×80キロカロリーで400キロカロリーになります。
したがって1日2回エサを与えている場合、1回に与える適切なエサの量は200キロカロリーになります。
この計算方法を目安に運動量の多い猫や妊娠、授乳期の猫には多めに、肥満気味や運動量の少ない猫には少なめにカロリーを調節します。
キャットフードによって重さあたりのカロリーは変わります。
パッケージに記載されている説明を見て計算してください。
猫用の計量カップを用意し、適量の位置に印をつけておくとエサやりごとに細かく計量する手間が省けます。
1回ごとにきちんと計量してエサを与えていると猫の健康状態が一目でわかるようになります。
食べ残しの量を見るだけで猫の食欲の状態がすぐにわかるため、病気の早期発見に繋がります。
食べやすいエサ皿に盛る
猫は人と違い手を使わずに口だけで食事をします。
そのため使っているエサ皿が食べやすい物かという点は非常に重要になります。
手で皿を押さえることができない猫には、軽すぎたり床に固定されていないエサ皿だと食事中エサ皿が逃げるように動いてしまうため、とても食べにくくなります。
疲れてしまいエサを残す原因になるので、エサ皿は多少猫の顔が当たってしまっても動かない物を用意しましょう。
猫にとって食べやすいエサ皿とは、ある程度重さがある陶器のエサ皿や底に滑り止めがあり床に固定できるエサ皿です。
市販されている滑り止めをエサ皿の底に付けるだけでも食べやすくなります。
また、フードが飛び散らないよう深さのあるエサ皿や舌で舐めとりやすいよう皿の底が滑らかなエサ皿も猫には食べやすくなります。
残したエサはすぐに捨てる
置きエサは猫がいつでも食べられ、外出の多い飼い主でも心配が無い一見良い方法ですが、猫の健康のためにはできるだけ避けた方が良いエサの与え方です。
長時間放置されたキャットフードや食べ残したキャットフードは、見た目には何も変化していないように見えますが、時間が経つごとにどんどん傷み始めています。
特にフードの酸化は、腐敗と違い直接目で見ただけではわかりません。
酸化したフードはアレルギーや動脈硬化の原因になります。
また、食べかけのフードには猫の涎が付いているため放置するとそれだけ雑菌が増えてしまいます。
置きエサは、猫にとってリスクの高いエサの与え方です。
ウエットフードはもちろん、ドライフードでもエサ皿に出してから30分以上たったフードは猫に与えないようにしましょう。
どうしても長期間家を空けざるを得ない場合は自動給エサ機を使うとエサの傷みを最小限にとどめることができます。
水も一緒に与える
水分は、腎臓の健康を維持するために必要不可欠です。
夏場はもちろん、冬場は空気が乾燥しやすく、暖房のきいた部屋に1日中いる猫は水分不足に陥りやすくなっています。
エサと一緒に適度な水分摂取を促しましょう。
特にドライフードは水が含まれていないので、長期保存できる代わりに猫が脱水しやすくなります。
長期間の水分不足は脱水症状だけでなく、尿路結石等の原因になります。
エサを与える時に飲み水用の皿を一緒に与えましょう。
水をあまり飲まない猫なら、ウエットフードやささみのゆで汁を与えたり、水の温度を変えてみると良いでしょう。
冬場は水が冷たいので嫌がる猫もいます。
やけどしない程度の白湯を与えてみるとごくごくと飲むこともあります。
猫に合わせて与える
猫によっては2日に一度しかエサを食べないこともあります。
あまり正しい与え方にはこだわり過ぎず、ある程度は個々の猫の習慣に合わせて与えても間違いではありません。
猫にとって食事が楽しい時間になるように、飼い主が健康に害が無いよう配慮して調節してあげましょう。