ダイエットにも効果的で、添加物の心配がない安全な手作りフードは大変魅力的です。
しかし、いくつかの点に注意しないと逆に猫の健康を害してしまいかねません。
これからご紹介する注意点を参考に安全で健康的なキャットフードを作ってあげましょう。
アレルギー成分に気を付ける
あまり知られていませんが、人間と同じように猫もアレルギーを持っている場合があります。
すべての猫にアレルギーがあるわけではありませんが、手作りキャットフードを常食にするなら、一度獣医さんでアレルギー検査を受けさせましょう。
首輪などで皮膚に炎症が出たことがあれば、特にアレルギー体質である疑いがあります。
過去に大きな病気を経験したり内臓に疾患がある猫なら、一度獣医さんに相談してみましょう。
また、獣医さんに相談する時、普段飲んでいる薬に悪い影響を与える食品も確認しておきましょう。
食品によるアレルギーは、摂取してからすぐに症状が出るものもあれば一日以上たってから出るものもあります。
食べさせてみて何ともないからといって、アレルギーがないと判断するのは大変危険です。
自分で判断するのはやめましょう。
カロリーに気を付ける
手作りのキャットフードでは、カロリーの計算も忘れてはいけません。
カロリーが低すぎれば痩せてしまいますし、逆に高すぎれば肥満や糖尿病の原因になります。
生後2か月の子猫なら一日あたりおよそ200キロカロリー、成猫なら体重×80キロカロリーを目安に体重や健康状態に合わせて調節してください。
食欲旺盛な猫なら、茹でたキャベツや豆腐でカサ増しすると適切なカロリー内でも満足できる量を食べさせてあげられます。
猫の必要なカロリーの目安は、子猫や成猫だけでなく、妊娠中や去勢後などでも変わります。
それぞれの猫の状態に合わせてカロリーを調節してあげましょう。
しっかりと火を通す
食物の中には生のまま与えると猫には有害なものがいくつかあります。
代表的なものだと卵、イカ、豚肉が挙げられます。
量に限度はありますが、これらの食品もしっかりと火を通せば食べさせても問題ありません。
猫が喜んで食べるなら、火を通してから与えましょう。
元々肉食動物の猫は、ささみや牛肉を与えるととても好んで食べます。
肉汁で食欲が増進されるだけでなく、猫の健康に欠かせない必須アミノ酸であるタウリンも多く含まれているため、肉は積極的に与えたい食品です。
しかし、豚肉はトキソプラズマという寄生虫が潜伏している場合があります。
トキソプラズマに寄生された場合、発熱する程度で済むこともありますが、これは猫のフンから人に感染します。
妊娠中の女性が感染すると流産や重篤な障害の原因になる事もあります。
豚肉を与える時は、トキソプラズマは熱に弱いので、しっかりと火を通してから与えましょう。
一般の家庭で生肉を新鮮に保つことは難しく、また体の弱っている猫や長く人に飼われて生肉と縁のなかった飼い猫は、うまく消化できずお腹を壊してしまう事もあります。
特別に新鮮なものを手に入れる事ができる場合を除き、生肉を与えることはやめておいた方が良いでしょう。
手作りフードは、しっかりと中まで火を通してから与えましょう。
中毒には十分に気を付けてください。
毒になる食べ物に注意する
食品の中には、人には無害でも猫には有毒な食材も多々あります。
フードを作る前にそれぞれの食材が猫にとって毒ではないかしっかりと調べましょう。
チョコレートやネギ類等代表的なものはもちろんですが、貝類や甲殻類も調理方法や種類によっては毒になります。
他にもハーブ類やナス科の野菜、お菓子といった加工食品等猫にとって毒になる食べ物は多岐にわたります。
また、毒ではありませんが魚や鶏の太い骨も喉に刺さってしまう危険があります。
与える前にできるだけ取り除きましょう。
もともと肉食動物の猫は、雑食の人間のように様々な食物を食べることはできません。
人は猫の毒見役にはなれない事を覚えておいてください。
栄養の偏りに気を付ける
猫のフードの理想的なバランスは、肉類と野菜が6.4になっている状態です。
この比率を基準に必要な栄養素をバランスよく摂取できるフードを作りましょう。
毎日同じ食材だと栄養が偏ってしまう心配があります。
できればいくつかのメニューで栄養が不足しないようにしたいところです。
手作りのフードだけで毎日栄養バランスの良い食事をとらせることは、至難の業です。
アレルギーやカロリー計算と合わせて栄養にまで気を配り毎日フードを手作りしようとすると、ほとんどの人は継続できません。
手作りフードを毎日続けていくなら、慣れるまでは市販のフードを同時に利用しましょう。
手作りフードを週1~2回程度にすると栄養の偏りを心配する必要がありません。
週に1度の手作りフードでも効果は十分に得られます。
手作りのキャットフードに少しずつ挑戦していこう
手作りのフードに挑戦するときは、書籍等を参考に少しずつレパートリーを増やしてください。
手作りフードは、長く続けていく事が大切です。
初めから注意点を意識して毎日作ろうとするとほとんどの人は続かなくなってしまいます。
猫と一緒に無理なく挑戦していきましょう。