キャットフードは、開封したまま保管したり、食べ残しをそのままにしておくとすぐに酸化してしまいます。

腐っているわけではありませんが、猫の健康を考えると酸化したフードを食べさせることはオススメできません。

色や臭いで判断する

ドライフードは、含まれている水分が少ないためウェットフードと比べ酸化しにくくなっています。

とはいえ、長時間空気に触れたままにすればフードの酸化は免れません。

梅雨時や湿気の多い所では、フードが一気に水分を吸うためドライフードでも酸化しやすくなります。

ドライフードの酸化の状態は、目で見ただけではほとんどわかりません。

一目見て何の変化もないからと酸化していないと考えるのは早計です。

また酸化は腐敗とは違います。

臭くないからといって酸化していないわけではありません。

開封時とフードの比べ匂いが弱くなったと感じたら、酸化していると考えられます。

ウェットフードの場合、水分を多量に含んでいるため開封直後から酸化が始まっていると考えてよいでしょう。

酸化し始めたウェットフードは、開封した直後と比べ匂いが落ち、赤みが減って色がくすんできます。

食べ残しを購入時の缶に入れたまま保管すると缶の開封した切断面が酸化し、錆びてしまいます。

ウェットフードの酸化を早める要因になるので、保存するときは別の容器にフードを移して密封し、冷蔵庫で保存してください。

夏場は特に酸化しやすい環境です。

食べ残したらできるだけ早く捨てるようにしてください。

触った感触で判断する

ドライフードの酸化は、視覚や嗅覚より触覚で確認した方がわかりやすいでしょう。

酸化したドライフードを触ると、少し手に付くような感触がします。

一粒つまんでそのままぐっと潰してみましょう。

芯が残っていても表面が少しでも柔らかくなっている感触がしたら、酸化が進んでいると考えられます。

猫には与えずに捨てましょう。

しかしウェットフードの場合、指で触って酸化状態を判断するのは、はなかなか難しくなります。

食品の酸化は、空気中の酸素と食品に含まれている脂肪分が化合することにより脂肪分が体に悪い物質に変化してしまうことを指します。

わかりやすく例えるなら、サラサラだったサラダ油が、台所の壁やコンロに付着したまま放置すると固くネバネバになるのと同じことがフードの脂肪分に起こっているということです。

水分の少ないドライフードは、指で触ることでこの脂肪分の変化を確認できますが、脂肪分とともに水分を多く含んでいるウェットフードではこれが難しくなります。

ウェットフードの酸化は、触ったときの感覚より匂いの強さや見た目の変化で判断した方がわかりやすいでしょう。

開封してからの時間で判断する

市販のキャットフードは、腐敗や酸化を防止するために酸素に触れないようにパッケージされているため、長期間保存することができます。

開封前のドライフードなら1年以上、缶詰めのウェットフードなら3年は保存が可能です。

しかし、一度開封したキャットフードは、冷蔵庫や密閉できる容器を使っていても酸素を完全に遮断することはできないため、それほど長く保存できません。

一度開封したフードは、適切な保存方法で保管したとしても、ドライフードなら1カ月、ウェットフードなら24時間ほどで酸化してしまいます。

エサ皿に盛ったキャットフードなら、猫が残して30分以上放置すれば酸化だけでなく細菌の増殖も始まり、健康を害する可能性が高まります。

保存場所の環境や季節によってはもっと早く酸化する場合もあります。

見た目や匂い、触った感触での判断が難しいときは、開封してからの時間を目安に酸化を判断してください。

酸化しやすいフードと酸化しにくいフード

フードに含まれる脂肪分は、酸化すると性質が変わってしまいます。

この脂肪分を摂取すると血流が悪くなり、動脈硬化の原因になります。

酸化したフードはお腹を壊すだけでなく、動脈硬化やアレルギー、さらにはガンになる可能性を高めてしまいます。

しかし、酸化しやすいキャットフードは決して品質の悪いフードではありません。

酸化しやすいフードと酸化しにくいフードの違いは、フードに含まれる添加物の一つ、酸化防止剤の量によって決まります。

無添加やオーガニックと呼ばれる猫の健康に良いとされるフードの方が、酸化の危険は高いのです。

人の食品にも使われる食品添加物は毒ではありませんが、大量に摂ればやはり健康への影響が懸念されます。

猫の健康を配慮して無添加のフードを選んで与えている飼い主も多いでしょう。

しかし、いくら無添加のフードでも酸化させてしまえば添加物と同等に健康を害します。

長期間家を空けなければならないときやすぐに残したエサを片付けられない環境なら、酸化しにくいフードを選ぶことも猫の健康を守る方法の一つです。

酸化しやすいフードと酸化しにくいフードのどちらが生活にあっているか見分けることも飼い主の役割ではないでしょうか。

酸化したキャットフードは与えない様にしよう

キャットフードが酸化すると猫が臭いを嗅ぐだけで食べなかったり、食いつきが悪くなるだけでなく、健康にも悪い影響を与えます。

開封したフードは、酸化しないようにできるだけ空気に触れないよう保存しましょう。