アビシニアンは、イギリスをはじめとして、ヨーロッパでは広く存在が知られている猫です。
顔の大きさに比べて目や耳のパーツが大きく、どこか神秘的な雰囲気を持っています。
また、特徴的な被毛を持っており、見る角度によって微妙にその柄を変化させます。
今回はそんなアビシニアンの体の大きさや、子猫の成長について紹介します。
1.アビシニアンの特徴と魅力
アビシニアンは、主にヨーロッパでとてもよく見られる猫の一つです。
原産国はエジプト、もしくはエチオピアとされることが多いのですが、解釈によってイギリスと紹介されることもあります。
体の大きさは、ペットとして飼いやすい中型の猫です。
そのルーツは19世紀に旧アビシニアであるエチオピアから、イギリスに連れ帰った猫だと言われています。
また、古代エジプトの遺跡に見られる壁画の中に登場する猫に、よく似た被毛を持つ猫が描かれています。
しかし、現在では遺伝子研究も進み、そのルーツに関しては他にも諸説あり、はっきりした結論は出ていません。
アビシニアンの大きな特徴は、一風変わった被毛の柄にあります。
その被毛はティックドタビーと呼ばれており、一本の毛でも毛先と根元で色が異なります。
被毛が密に生えていることで、体全体が神秘的な柄や色となっているのです。
2.アビシニアンが成長したときの体の大きさ
ボディタイプは、細すぎず太すぎないフォーリンタイプです。
か弱さを感じるほど細いわけではありませんが、全体的に見るとスリムでスタイリッシュです。
しかし、足にはしなやかな筋肉がついており、その活発さをうかがわせます。
アビシニアンは成長すると、体重が2.5〜5kgくらいになります。
また、オスよりもメスの方が少し小さいことが多い傾向があります。
尻尾は細く長いので、体重よりも体が大きく見えることもあるでしょう。
前足より後ろ足の方がやや長く、歩く姿はとても姿勢が良く見えます。
顔は小さくて首回りも細いのですが、胸にはうっすらと筋肉がつきます。
活発な性格や運動量を思わせるような、とても洗練された体つきだと言えるでしょう。
3.成長期のアビシニアンの特徴
アビシニアンの場合、生まれてからぐんぐんと大きくなるような成長は生後1年くらいまで続きます。
1年という成長の期間は、猫としては標準的なスピードだと言えます。
こうした体がどんどん大きくなる期間には、しっかりと体づくりをサポートしてあげる必要があります。
子猫の引き渡しのタイミングは、だいたい生後3ヶ月くらいになることが多いです。
体重にすると、900g〜1.2kgくらいの猫が多いでしょう。
この時期になるとドライフードを食べることができるようになり、すぐに旺盛な食欲を見せます。
さらに成長して生後半年くらいになると、食欲や体重の増加は落ち着くようになります。
ここからは少しずつ成長していき、1歳くらいまでに大人の体重になります。
毎日の食事の量や頻度は、食べ方や体重を見て調整するようにしましょう。
4.アビシニアンが大人になってからの変化
1歳くらいになると、アビシニアンの体はすっかり大きくなっていることでしょう。
しかし、完全に大人の姿というわけでもなく、まだまだ全体的に幼さを残しています。
体が大きくなっても、成熟するのにはもう少し時間を要します。
いちばんの特徴である、ティックドタビーの被毛が明確に現れるのは1歳以降です。
徐々に被毛の柄としてはっきり出るようになり、見る角度によって違った印象を与えるでしょう。
大きな耳や目がはっきりとしてきて、よりエキゾチックな風貌になっていきます。
アビシニアンの平均的な寿命は、だいたい12〜15年くらいだと言われています。
アビシニアンの場合、他の猫よりも歯周病になる猫が多い傾向にあります。
歯周病は歳を取てば自然とかかりやすくなる病気なので、特に注意しておく必要があると言えます。
5.アビシニアンの飼育や成長で気を付けるポイント
アビシニアンは、もともと暖かい地域で生息していた猫だったためか、あまり寒さに強くありません。
特に子猫やシニアになったときには、体温調節がうまくできないことがあるので注意が必要になってきます。
部屋の室温は、なるべく20℃以下にならないようにしてあげましょう。
家の中ではとてもおとなしく、無駄に鳴いたりすることもありません。
その一方で、飼い主にはとても構ってもらいたいという甘えん坊な性格を持っています。
いっしょにボール遊びをしたりして、コミュニケーションを取るようにしましょう。
多くの猫は水を怖がったりしますが、アビシニアンはちょっと異なります。
もともとあまり水を怖がらないようなので、お風呂に入れる時の湯船の深さには注意しましょう。
また、子猫のうちは、トイレのフタなどは閉めておくようにして、事故を防止するようにしましょう。
アビシニアンの成長を知ろう
一般的なアビシニアンは、顔立ちや被毛の特徴が日本で見かけるペットの猫たちと少し違って見えるかもしれません。
しなやかな筋肉とボディラインで、表情の持つ神秘さが一層際立っています。
海外では、こうしたほっそりとした体型の猫は比較的メジャーな存在です。
体のサイズも扱いやすい大きさで、日本でも多くの人に受け入れられることでしょう。