飼い主が果物を食べているとき、犬にとても欲しそうな顔をされると、ついあげたくなってしまう気持ちは飼い主なら誰も分かるのではないでしょうか。
犬用のおやつと違って、果物は過剰に塩分や脂肪分が含まれているわけではないので、ジャーキーやチーズ、ボーロよりは健康にも良いことは間違いありません。
そして、ビタミンも豊富でとても体に良いイメージもあります。
ただ果物も与え方を間違えてしまうと大変なので、しっかりと覚えておきましょう。
与えてはいけない果物
まず、犬にとって有害になってしまう食べ物があることをご存じでしょうか。
ここ数年でブドウは犬の腎臓に有害で、急性腎不全を起こしてしまうということが分かりました。
ぶどうだけでなく、レーズンももちろんNGです。
急性腎不全とは2-3日の間に腎臓が壊れてしまう病気で、それに伴い、尿量が増える~減る、水を良く飲む、元気がなくなる、嘔吐するなどの症状が出ます。
緊急の処置を必要とし、死に至る可能性も高い病気です。
腎不全になってしまうぶどうの量は「〇Kgの犬で○g」とネットにも書いてありますが、あくまでも個体差があるので、ごく少量でも命にかかわる可能性も少なくありません。
チョコレートや玉ねぎと同じで、ぶどうは犬には絶対にあげてはいけない果物です。
この他にも最近ではアボカドの危険性も明らかになってきました。
大分メジャーな食品になってきて、食卓にのぼることも多いのではないでしょうか。
人間には問題ありませんが、犬や猫には、アボカドに含まれる成分が嘔吐や下痢を起こすと言われています。
最悪の場合死に至る危険性もありますので、絶対に与えないようにしましょう。
与えすぎに要注意。おやつの量にしましょう
その他の果物でも犬の体質により合う・合わないというものはあるかもしれませんので、飼い主さんがしっかりと観察しながら与えましょう。
そして、特に害のない果物でも与える際に気をつけなくてはいけないことがいくつかあります。
まず、量をたくさん与えすぎて太らないように気をつけましょう。
果物は甘いだけあってたくさん糖分が含まれています。
犬の体重と人間の体重を考えた時に、割合が人間より多くなってしまいがちです。
果物はおやつとしての意味合いなので、食事も含めた総摂取カロリーの1割以内におさまる程度のカロリーにおさめなくてはいけません。
そして、食物繊維が多い果物はもちろんですが、食べすぎると消化不良を起こして下痢をしてしまうこともあります。
あくまでも、与えすぎには要注意しましょう。
果物の種には要注意
果物の中にはモモやマンゴーなどの大きい種が中に入っているものもあります。
犬はあまり噛んで消化をする動物ではないので、おいしいばかりに、つい勢いよくこれらの種を飲み込んでしまうことがあります。
でもこれらの種は消化できるはずもなく、手術が必要になってしまうこともあるのです。
胃の中に種がある場合は、動物病院で吐かせる処置をしてもらえれば手術をする必要はありません。
でも、胃から小腸へ流れてしまうと、種が詰まってしまう可能性が非常に高いため、手術に踏み切らないと助かりません。
「犬が種を食べてしまった」、と思ったら、早急に動物病院へ行きましょう。
早ければ早いほど、軽い処置で済みます。
お昼や夜の休診時間でもどこか診察してくれる病院を探して対応をしてもらうことをオススメします。
うめぼしの種程度の小さいサイズでも小腸にはつまることがあります。与える際には種を取り除き、飼い主さんが細心の注意を払いましょう。
また青梅、桃、さくらんぼなどの未成熟な果実や種にはアミグダリンという成分が含まれており、体内で分解されると有害な物質が生成され、中毒をおこすことがあります。
命の危険もありますので、これらには十分に気をつけましょう。
アレルギー体質のある犬は要注意
バナナ、桃、イチゴ、キウィなどの果物に対して、アレルギー体質を持つ犬は反応してしまいアレルギー症状が出ることもあります。
これはラテックスに対するアレルギーのある犬は、構造が似ているこれらの果物に交差反応を示してしまうことがあるためです。
必ずしもアレルギー症状が出るか否かはわかりませんが、食べた後に赤みや痒みが出る可能性もありますので、十分に飼い主さんが気をつけていただくこと、そして、リスクをおかしてまで食べる必要はないので、きっちりと管理してあげましょう。
自分の犬は果物をあげても大丈夫なのかチェックしよう
ご褒美として果物を与えたり、飼い主さんが果物を食べている時に少し分けてあげるのは、犬とのコミュニケーションとしても良いです。
でも、果物はあくまでもおやつとしてプラスアルファの部分なので、しっかりと量を守って与えましょう。
そして、犬に与えてはいけない果物(人間が食べるたその他の食べ物も含め)を再度しっかりとチェックしていただければと思います。