リンゴは冬の果物の代表格で、寒くなるとスーパーなどでよく見かけるようになります。

このリンゴを飼い犬と一緒に食べてみたいという愛犬家もいるとは思いますが、犬は基本的に肉食動物ですし、果たして与えても良いものなのでしょうか。

犬にリンゴを与えることの是非と、与える際の注意点についてご紹介します。

丸ごと与えてはだめ

リンゴが犬の体に良いからといって闇雲に与えてしまって良いというわけではありません。

与える際には注意すべき点もあるのです。

まず、最初に書きましたように、犬は基本的に肉食動物です。

犬の奥歯を見ると、肉を噛みちぎるのに便利なように、人間の犬歯のように先が尖っています。

これは犬がものをよく噛む、咀嚼をするのに適していないということです。

さらに、犬は基本的に肉食動物であるため、腸が短いです。

これは食物繊維を多く含む植物の消化に適していないことを意味しています。

リンゴは食べても問題がないという程度で、消化が良いものではないということです。

もしリンゴを丸ごと与えてしまうと、犬はちゃんと噛まずに飲み込んでしまいます。

上にも書きましたように、リンゴは犬にとって消化の良いものではありませんので、せっかくの栄養分がうまく吸収できず、リンゴを与えた意味がなくなってしまいます。

犬にリンゴを与えるときは、小さく切るなど噛まなくても食べやすい状態にしておくべきです。

すりおろしリンゴなら噛まずに飲み込んでも消化は良いですから、犬に与えるにはベストではないでしょうか。

皮を与えるときは細心の注意を

リンゴの皮には、抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。

可能であれば犬に与えたいところですが、以下の問題点がありますので与える際には注意が必要です。

まず、リンゴの栽培に農薬が使用されているケースがあるため、表面に農薬が付着している可能性があることです。

改めて説明するまでもありませんが、農薬は犬の体にとって害悪です。

リンゴを皮ごと与える際には農薬をきっちりと落としてしまうため、表面をしっかり洗っておきましょう。

また、犬は食べ物を咀嚼するのが苦手なうえに、食物繊維の消化に適した体をしていません。

皮はリンゴの中でも植物繊維の多い部位ですので、うまく与えないとちゃんと消化できなくなってしまいます。

リンゴを与える際に皮ごとすりおろしてしまうなど、犬が咀嚼しなくても食べやすい状態にしてあげる方が良いのではないでしょうか。

あげる量に気を付ける

最近は小型犬を中心に、基本的に室内飼いの個体も増えてきています。

室内飼いの個体の問題点は、運動不足のため肥満になってしまう可能性があることです。

リンゴは果物ですから、当然のことながら糖分を含んでいるのですが、問題はその量です。

リンゴ1個に含まれる糖質は平均29.2グラムで、バナナ1本分(21.4グラム)よりも多いのです。

闇雲の与えていたのではあっという間に糖質の過剰摂取になってしまい、肥満一直線です。

付け加えると、リンゴは犬にとって消化の良いものではありません。

与えすぎると下痢などの原因になってしまいます。

犬に与えるべきリンゴの適量は、1日当たり20グラムとされています。

いくら犬が甘いものが好きだと言っても、限度があります。

くれぐれも与える量には気を付けてください。

未成熟な果実や種を与えない

リンゴの未成熟な果実や種、茎、葉には、アミグダリンという物質が含まれています。

これは犬の体内で青酸毒を発生させ、中毒を起こす可能性があるのです。

リンゴを与えるのならちゃんと熟し果実を与えるようにし、その際には種や茎はちゃんと除去しておくようにしましょう。

また、犬の中には、リンゴアレルギーを持った個体がいます。

食べると湿疹が出るなどして体調を崩してしまいます。

犬の健康のためにリンゴを与えるのに、体調を悪化させては本末転倒です。

アレルギーを持つ個体には、絶対にリンゴを与えないでください。

犬にリンゴをあげる時は注意しよう

リンゴを与えることは犬にとってメリットが多いですが、注意すべき点も多いというのが実際のところです。

与えるときは犬の体調に気を付けながら、食べ過ぎにならないように注意しましょう。

愛犬の体調管理は、飼い主の意識にかかっているのですから。