私たちの食卓に、おいしさと彩りを添えてくれるアスパラガスは、栄養も豊富です。

室内飼いの犬がものほしげに見ていると、ついついあげたくなってしまうときってあります。

しかし、人間は美味しく食べられるものでも、犬にとっては毒という食べ物があります。

有名なところでは玉ねぎやチョコレートですが、では、アスパラガスはどうなのでしょうか。

アスパラを犬に与えるメリット

アスパラガスにはビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、葉酸やアスパラギン酸といった栄養素が多く含まれています。

特にこのアスパラギン酸は、アスパラから発見されたアミノ酸の一種です。

たんぱく質の合成に使われたり、エネルギー代謝に関与して疲労を回復する働きをしています。

カリウムやマグネシウムを循環させ、体内のアンモニアを排出する働きもあります。

アンモニアは増えると疲労を蓄積させたり、免疫力の低下を引き起こす有害物質でもあります。

それを排出してくれる、アスパラは健康な生活を送る上で効果的な食べ物です。

そしてアスパラギン酸は、犬にとって害のある物質ではありません。

疲労回復や免疫力の低下を防ぐなど健康に良い面が多くあります。

アスパラの毒性

しかし、このように良い面をたくさん持つアスパラガスにも、毒性のある物質が含まれています。

アルカロイドと呼ばれる物質です。

植物が自分自身を守るために作っている成分で、アスパラの他にもナスやトマト、ピーマンやジャガイモ、アロエなどに含まれています。

ただ、これらに含まれるアルカロイドは少量です。

アルカロイドで中毒が起きるのは、大量摂取したときだと言われています。

少しだけのアスパラを食べるくらいなら問題ありません。

アスパラだけをたくさん食べることは、まずないでしょう。

また、アスパラガスはその形から、ネギ科の植物だと誤解されていることもあります。が、ネギではありません。

玉ねぎやネギには犬の血液を破壊してしまう毒物が含まれているので、決して犬に与えてはいけません。

アスパラにそのような効果はありません。

アスパラはあげすぎなければ良い

アルカロイドという毒性物質も持つアスパラガスですが、少量ならば問題がないと言えるようです。

ただし、アスパラだけでなく他の野菜ナスやトマトなどのアルカロイドが含まれるものは一緒に与えないようにしましょう。

過剰摂取になってしまう可能性があります。

人間も、毒性を持つアルコールやカフェインを好んで飲んだり食べたりしていますよね。

コーヒーなどに含まれるカフェインも過剰に飲むと体にあまりよくありませんが、通常の生活の中で一日何杯か飲むくらいなら大丈夫なのと同じです。

ただ、気をつけないといけないこともあります。

人間が食べる食べ物を与えるとき、犬がどのような反応をおこすかは予想がつきません。

もしかしたら中毒症状が出てしまうかもしれません。

食べ物を与えた後は、しっかりと見ていてあげることが必要です。

アスパラをあげるときは

アスパラガスを生のまま与えるのは、あまりよくありません。

アスパラだけでなく、犬にとっての生野菜は消化に悪く、お腹がゆるくなり下痢や嘔吐などを引き起こす恐れがあります。

あげるときは、茹でて与えるのが良いでしょう。

さらに、一本丸ごと茹でたものを与えるよりも、細かく切ってあげたりするとより食べやすくて良いでしょう。

また、人間が食べるように味付けされたものも、あまりよくありません。

ドレッシングには玉ねぎが入っているものもありますし、油が多く含まれています。

塩胡椒などかかっているものは、犬にとって塩分を取りすぎてしまう可能性があります。

犬に食べ物をあげるときには、ただ茹でただけものもをあげてくださいね。

もしも中毒症状が出てしまったら

アスパラガスを食べることには問題はありませんが、食べ物を食べた後に中毒症状が出てきてしまったらどうしたら良いのでしょうか。

貧血を起こす、けいれんがある、発熱する、興奮、皮膚の炎症、せきがでる、ふらついたり元気がない、よだれが大量にでる、腹痛、食欲がなくなる、このような症状が出てきたら、中毒を起こしています。

このような症状が強く出ているときは、すぐに獣医さんに見てもらうようにしてください。

そのときに、何か食べ物を与えたことをしっかりと伝えておくことが大切です。

もしかしたら、食べ物が原因の中毒症状ではないかもしれませんが、何があったのか伝えておくことは獣医さんが症状を見極める上で参考になります。

犬にアスパラをあげるメリットと注意点を知ろう

たくさんの栄養があり、体に良い働きをするアスパラガス。

人間だけではなく、犬にとっても良い食べ物だと言えるでしょう。

特にアスパラギン酸は疲労回復と免疫力低下を防ぐという面で、非常に素晴らしい働きをしてくれます。

しかし、どんな食べ物も食べすぎて良いということはありません。

適量を食べて、飼い主と犬と健康で長生きな生活が送れるといいですね。