犬の予防接種の種類と目的4つ。なぜ犬に予防接種をする必要があるのか

犬を買う時や譲り受けるときに、必ずと言われる予防接種の話ですが、皆さんはどのようお考えでしょうか。

色々な考え方があると思いますが、今回は予防接種の種類と目的をご紹介します。

犬の予防接種は2種類

犬の予防接種には、大きく分けて2種類があります。

1つ目は「狂犬病ワクチン」です。

こちらは多くの方が耳にしたことのある予防接種です。

この予防接種はその名の通り、「狂犬病」に感染しても発病しないようにするためのワクチンです。

そして2つ目ですが、こちらは通称「混合ワクチン」と呼ばれます。

混合ワクチンは、2種類~9種類まで幅広く存在し、種類が多いほど、多くの病気から犬を守ることができます。

どちらのワクチンも予防接種料として一番安くて3千円~1万円程の費用が必要になり、基本的には年に1回は予防接種を受けることが推奨されています。

しかし、混合ワクチンに関しては犬の年齢や体力によっても変わってきますので、獣医師と相談しながら予防接種を受けることが望ましいです。

狂犬病ワクチンは必須

「狂犬病ワクチン」は、犬を飼う上では必ず受けなくてはいけないものです。

では、そもそも「狂犬病」とは何なのでしょうか。

一般的に病名に「犬」がついているので、犬がかかる病気と誤解されている方が多いかと思います。

しかし実はこの病気、「人畜共通ウイルス」と呼ばれる部類の病気で、犬だけではなく、猫・コウモリ・馬・牛・キツネ・アライグマなど、感染する動物をあげたらキリがありません。

そして、このウイルスは人間にも感染するのです。

感染ルートは動物に噛まれたときの唾液を通じて、傷口からウイルスが侵入します。

空気感染や飛まつ感染はありませんので、この病気にかかった動物に近づいただけで感染することはありません。

では、感染したらどうなるかというと、犬の場合はものすごく恐怖心を持った状態になり、目の前にある、あらゆるものに噛みつくようになります。

その後、全身麻痺を起して昏睡状態になり、死亡するという経緯です。

では、人間ではどうかというと、風や水を怖がり、その後犬と同じように全身麻痺、昏睡状態、死亡という経緯です。

このウイルスは感染直後であれば非常に弱いものなので、消毒や注射などの適切な処置をすれば発病することはありませんが、そのタイムリミットも、だいたい24時間です。

発病すると、病気の進行を止めることは現代の医学では犬も人間もできません。

ですので事前に犬に予防接種をすることで、病気の蔓延を防いでいるのです。

もちろん、牛や馬も同じように予防接種を受けることが義務付けられています。

この予防接種は、飼い犬として市区町村に登録をすると、必ず毎年予防接種の案内が届きます。

したがって、予防接種を忘れることも少ないと思います。

市区町村の案内にある集団接種を利用すれば、だいたい3千円程で受けることができますし、動物病院でも受けることができます。

動物病院の場合は、集団接種のある4月~6月の間は市区町村の値段に合わせて3千円程で受けられるところが多いですが、値段の設定に関しては動物病院に任せてあるので、最大1万円というところもあります。

また、4月~6月以外でも狂犬病ワクチンは受けることができ、その場合はだいたい6千円~1間円程度といったところです。

ちなみに、市区町村へ犬を飼う事を届け出なかったり、狂犬病ワクチンを故意に受けなかった場合は、最悪のケースで罰金20万円の支払いが命じられることがありますので、気を付けてください。

ただ、狂犬病ワクチンをうっかり忘れた場合は、思い出したタイミングで動物病院に相談すれば、狂犬病ワクチンを受けることができます。

混合ワクチンは犬の状態を考えて

混合ワクチンは任意接種の予防注射です。

飼い主さんの考え方次第で受けるかどうかの判断ができますが、最近では動物病院から薦められて受ける方が多いようです。

また、ドッグランや犬同伴で入場できるテーマパークなどでは、混合ワクチンを受けている証明がないと利用できない施設もあります。

先に書いたように2種から9種まで様々なものがありますが、ほとんどの動物病院は、5種混合以上のワクチンを薦めることが多いようです。

また、混合ワクチンの証明が必要な施設でも、同じく5種以上であればOKのところが多いようです。

では、この混合ワクチンとはどのようなものでしょうか。

人間でいうところのインフルエンザワクチンのようなもので、犬同士で広がり、症状が重篤化しやすいものを、未然に防ぐための物です。

ただし、予防接種をしたからと言って100%該当する病気にかからないわけではありません。

また、混合ワクチンを受けたことによる副作用や、まれにワクチンによる障害を持ってしまう犬もいるので、獣医師とワクチンがどのような病気を防ぐことができ、うちの犬にはどれが必要か十分相談してから受けることが大切です。

予防接種を受けた当日は、大人しく過ごさせることが勧められています。

ワクチン自体、犬の体の中に異物を入れた状態だからです。

まれにワクチンを受けた後、最大で3日間ほど体調がすぐれない犬もいるので、様態が急変した場合の対処法や獣医師と連絡が取れるように確認しておくことも、オススメします。

混合ワクチンの注射を受ける間隔も、基本的には1年ごとに受けることを勧められますが、犬の年齢や体力などの要因もありますので、獣医師に相談することをオススメします。

ただし、獣医師の判断がないのに、自分自身で2年ごとなどの間隔を開けることはオススメできません。

せっかく一度予防接種を打って免疫をつけても、だいたい1年程度で効果がなくなるように作られているからです。

要望接種は動物病院で

狂犬病ワクチンは必須項目で、混合ワクチンは任意となっていますが、オススメは動物病院でどちらのワクチンも受けることをオススメします。

理由は、かかりつけの獣医師に、要望接種の前に軽く診察をしてもらえるからです。

今では健康診断を毎年受ける犬も増えてきましたが、それ以外にも、春に狂犬病ワクチン、秋に混合ワクチンと半年ごとに病院へ犬を連れていくことにより、その間にあった小さな出来事が病気に関係しないか相談することができますし、必要であれば、その時に詳しい診断や処置もしてもらえます。

もちろん、何も相談することがなくても定期的に診てもらうことが、事前に病気を防ぐことができるかもしれません。

犬のために予防接種は大切

自分から病気を訴えることができない犬だからこそ、予防接種を受けて犬が病気かかるリスクを減らすことは必要です。

また、動物病院を定期的に利用することで、予防接種以外の病気も早期発見できるかもしれません。

犬との楽しい生活を長く楽しむためにも、予防接種を受けましょう。