犬の被毛にはアンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)があり、抜け毛の原因は主にアンダーコートが抜けることです。
抜け毛の多い犬はダブルコートの犬に多いです。
春と秋の換毛期にアンダーコートがごっそりと抜けたりします。
ただし、ダブルコートの犬が必ずしも抜け毛が多い訳ではありません。
一方、シングルコートの犬はアンダーコートが抜けにくいため、抜け毛が少ない傾向にあります。
近年は室内で犬を飼うことが多いので、抜け毛の少ない犬はとても人気があります。
抜け毛が少ないと、アレルギーの人でも飼いやすいと言うのも理由の一つです。
抜け毛の少ない犬種には、具体的にどのようなものがあるのかご紹介します。
プードル
プードルには犬種認定されているものだけでもスタンダードプードルからトイプードルまで4種類いますが、どれも抜け毛は少ないです。
JKCの犬種ランキングではここ数年不動の1位を貫いています。
抜け毛が少ないのも一つありますが、あまり大きな病気がないのも人気の理由と言えるでしょう。
ただし、抜け毛が少ないとは言えトリミングは必須です。
月に数回お店に出すとなると結構な出費ですので、自分でカットする飼い主さんも多くなります。
また、ちょっとお世話をサボるとすぐに毛が絡まって毛玉だらけになったりします。
ぬいぐるみのような可愛らしい見た目を保つためにも、ブラッシングはこまめにしなければなりません。
ミニチュア・シュナウザー
シュナウザーにはジャイアント、スタンダード、ミニチュアの3犬種がいますが、日本で見られるのはほぼミニチュア・シュナウザーです。
シュナウザーは、実はダブルコートの犬種です。
季節によるアンダーコートの生え変わりがほとんどないため、抜け毛が少ない犬種に入っています。
また、遺伝的な病気もあまりなく、頭が良く人懐っこいため、安定的な人気のある犬種です。
口ひげをはやしたおじいさんのような見た目も人気の理由と言えます。
シュナウザーもトリミングが必須です。
バリカンで背中部分などを刈り込む、特徴的なスタイルでカットすることが多いです。
そのため、飼い主さんが自分でカットするのはなかなか難しいかもしれません。
ビション・フリーゼ
ビション・フリーゼと言う名前は、ちょっと聞きなれない人もいるかもしれません。
ですがこの犬種は、非常に抜け毛が少ないです。
「ビション」はマルチーズ、「フリーゼ」は巻き毛と言う意味で、フランス原産の愛玩犬です。
ふわふわもこもこの「パウダー・パフ」というカットスタイルが考案されたことで人気が出ました。
ビション・ブリーゼも、トリミングが欠かせません。
プードルなどと違いダブルコートの犬種のため、毛が立ちやすくふわふわになります。
ですが、こまめにブラッシングをしないと毛のボリュームが出ずに、プードル風な見た目になってしまいます。
ふわふわを保つためにはプロの技術も必要になりますので、飼い主さんが自分でカットするのはなかなか大変かもしれません。
毛のお手入れは大変ですがとても丈夫な犬で、病気も少なく寿命も長い、とても飼いやすい犬です。
ミニチュア・ピンシャー
これまで紹介した犬種は、どれもトリミングが必要な犬種です。
抜け毛が少なくて、ブラッシングなどのお手入れも簡単な犬が欲しいと言う方には、短毛の犬種がオススメです。
短毛の犬種だからと言って必ずしも抜け毛が少ない訳ではありません。
人気のある短毛種のフレンチ・ブルドッグやビーグルなどは抜け毛が多いです。
短い毛は抜けると服やカーペットに刺さり、かえって掃除が大変になります。
短毛種の中で抜け毛が少ない犬種としては、ミニチュア・ピンシャーなどが挙げられます。
ミニチュア・ピンシャーは小さなドーベルマンのようで、見た目のカッコ良さでも人気があります。
見た目は似ていても、実はドーベルマンよりも古くから飼われていました。
良く走り回り、小さいながらも活発な犬で運動量も豊富なので、毎日の散歩や遊びは欠かせません。
また、きちんとしつけをしないと吠えグセがついてしまうことがあるため、注意が必要です。
その他のオススメ犬種
抜け毛が少ない犬種はまだまだ他にもあります。
日本で人気の犬種の中では、マルチーズ、ヨークシャーテリア、パピヨンなどは抜け毛が少ないと言われています。
抜け毛が少ない犬種には長毛種が多いですね。
短毛種では、イタリアン・グレーハウンドなども人気です。
また、チャイニーズ・クレステッド・ドッグのように、最初から毛がない犬種もあります。
それから、お手入れが楽と言う点ではミニチュア・ダックスフントも挙げられます。
ダックスは抜け毛がありますし、換毛期の生え変わりもあります。
ですが、抜け毛が多い犬種に比べればそれほどでもなく、毛のトリミングもほとんど要りません。
アレルギーがない人なら候補に入れても良いかも知れません。
抜け毛が少ない犬種を飼おう
抜け毛が少ない犬種をご紹介してきましたが、抜け毛が少ないからと言って必ずしもお世話が楽な訳ではありません。
トリミングが必要だったり散歩が大変だったり、時には遺伝的な病気があったりもします。
犬を飼うときはそれぞれの犬種の特徴をきちんと理解した上で選び、その犬種に適した環境で飼うことが大切です。