ジャーマンスパニエルというドイツ産の犬種をご存知でしょうか?
日本ではあまり馴染みのない犬種ですが、ドイツではペットとしてではなく、現在でも狩猟犬として使われています。
今回はそんなジャーマンスパニエルについてご紹介します。
ジャーマンスパニエルの性格
ジャーマンスパニエルはドイツ原産の鳥猟犬です。
現地では”der Deutscherwachtelhund”と呼ばれており、「ウズラを狩るドイツの犬」というような意味合いを持っています。
今でも現役の猟犬、鳥猟犬、害獣駆除犬として使役されています。
彼らの性格は家族や人間に対しては非常に忠実で愛情深く、フレンドリーな性格をしています。
また、警戒心が強く、見知らぬ人に対してはよく吠えるので番犬としての適正も持っています。
水中での鳥獣回収を行ってきたことから、泳ぎも得意です。
夏場などは、彼らを川などの水のある場所で泳がせてみるのもよいでしょう。
学習能力が高く、非常に頭の良い犬種なので、しつけに関しては特に困ることはないでしょう。
ただ、神経質なところがあり、繊細で内向的な傾向があります。
よく知らない人を警戒します。
攻撃的ではありませんが、あまり我慢強い方ではないので、小さな子どもと犬だけにして置くのは避けましょう。
もし長めの耳を引っ張られたりした場合、思わず子どもの手に噛み付いてしまうことがあります。
親の目の届く範囲で小さな子どもと遊ばせるように気をつけましょう。
以上の点を踏まえ、社会性を身に付けさせるしつけをきちんと行えば、とても飼いやすい犬種であると言えます。
膨大な運動量を必要とするので、広い運動場を確保できない都会での飼育は避けたほうが良いでしょう。
ジャーマンスパニエルの寿命、罹りやすい病気
ジャーマンスパニエルの平均寿命は12~14年前後だとされています。
比較的健康な犬種ですが、運動のし過ぎなどによる関節疾患、気温の変化による皮膚疾患、胃捻転、外耳炎などに気をつける必要があります。
運動好きな犬種なので椎間板ヘルニアになりやすい傾向にあります。
遊ばせ過ぎに注意しなくてはいけないほど、運動放置したままにしておくと、麻痺が残ってしまうこともあります。
歩行に異常が見られたらすぐ診察してもらいましょう。
肥満になると起こりやすいので、日頃の食エサ、健康管理も怠らないようにしてください。
皮膚疾患に罹りやすいと言われているので、被毛を清潔に保つよう注意してください。
内臓疾患の一つである胃捻転を避けるために、食事の回数を増やしたり、食前食後の運動を避けるなどの方法を日頃から取るようにしてください。
それと耳の長い犬種に発症しがちな外耳炎を防ぐために、綿棒で定期的に耳の中を掃除してあげるとよいでしょう。
ジャーマンスパニエルの見た目、特徴
ジャーマンスパニエルは体高45〜54cm、体重は20〜28kg前後の中型犬です。
筋肉質のがっしりした体つきをしており、短めで太い脚を持っています。
足はそこまで早くありませんが、獲物を追い詰めるための持久力に優れています。
大きめの頭部を持ち、鼻先は太く、長い垂れ耳を持っています。
尾は垂れており、耳や尾、臀部にキレイな飾り毛があります。
被毛はウエーブがかった厚めで柔らかなロングコートで、毛色にはソリッドブラウンとブラウンローンなどがあります。
皮脂量が多く、皮膚病になりやすいので、被毛の管理は健康を保つうえで不可欠です。
毛の汚れが気になる時にはシャンプーをしてあげることも大切ですが、頻繁に行うと皮脂がなくなって乾燥しきってしまい、逆効果となります。
洗う回数には気をつけましよう。
毛が汚れたことがと見て分かるくらいの感覚で洗うのが無難です。
ジャーマンスパニエルの購入価格
国内のジャーマンスパニエルの飼育頭数はほとんどないといっていいほど、まだ日本では珍しい犬種です。
この犬種が販売されているペットショップは国内にはないといえます。
現在のところでは数少ない国内のブリーダーをどうにかして見つけ、交渉する以外に購入方法がありません。
または、海外の信頼できるブリーダーに連絡を取り、購入する方法も考えられます。
そこで価格交渉をして話がまとまったとしても、さらにそこから国内への輸入手続きを取らなければなりません。
ドイツでの販売価格を日本円に換算すると約20万円前後となりますが、これにペット保険、輸入代行業者への支払い費用、ペットの宿泊費用、輸送費などがかかってきます。
海外から輸入することを前提にすると、少なく見積もっても60万円以上の費用がかかってくるのではないでしょうか。
このような状況なので、購入費用はかなりの高額にならざるを得ないといえます。
ジャーマンスパニエルの特徴を知ろう
ジャーマンスパニエルは家族を愛する理想的な伴侶になってくれると言えるでしょう。
運動と遊ぶことが好きな犬種なので、子どもの良き友人ともなってくれるでしょう。
しかし、日本ではまだ頭数も少なく希少な犬なので、その情報は多くありません。
購入されたい方は事前にこの犬種についてよく調べたうえで判断されることを望みます。
頭がよく、しつけやすい犬種ですが、日本の飼育頭数から判断すると、まだ初心者が安心して世話のできる犬種ではないといえます。