ライマン・フランク・ボーム著の児童文学書「オズの魔法使い」に出てくる主人公ドロシーの愛犬トト。

この愛らしい犬は「ケアーンテリア」というテリア犬です。

スコットランド原産の犬で小さな身体に短めの足。つぶらな瞳にピンと立った耳。

大変愛らしい外見をしていますが、好奇心旺盛で活発な性格で本来はネズミやキツネなどの小動物を捕まえていた猟犬の気質からか、今でも穴を掘ったりボールを追いかけたりする習性が残っています。

日本でも人気の高いウエストハイランドホワイトテリアの祖先ともいわれる歴史のある犬種です。

そんなケアーンテリアの特徴をご紹介します。

ケアーンテリアの歴史

数あるテリア犬のなかでも古い歴史を持つと言われているケアーンテリア。

スコットランド原産のスカイテリアが祖先だと考えられています。

ケアーンとは「積石」という意味で、当時のスコットランドの道端に積まれていた石の隙間に隠れていたネズミや小動物を捕獲していたことからこの名前が付いたとも言われています。

畑や作物を荒らすキツネやネズミなどを駆除する目的で作られた作業用の犬種です。

初めは「スコッチテリア」と呼ばれていましたが、その後は複雑に分類されていき、1912年頃にAKC(アメリカケンネルクラブ)にケアーンテリアとして正式登録をされています。

イギリスでは大変人気の高い犬で、すぐにアメリカでも人気に火がつき、映画「オズの魔法使い」にて主人公ドロシーの愛犬トトとしても有名になりました。

「世界で一番の小さな相棒」というキャッチフレーズがあるほど愛されています。

ケアーンテリアの性格

ケアーンテリアの性格は、小さくて愛らしい外見に似合わず、好奇心旺盛で驚くほど活発です。

独立心が強く勇敢で負けず嫌いな面があります。

警戒心も強いので番犬として大変活躍してくれます。

ただし猟犬だったことから散歩中にも他の犬や野良猫を見つけて追いかけてしまったり、吠えてしまうこともあります。

迷惑にならないように小さな頃からしっかりとしつけておくことが必要です。

飼い主に対しては忠実で愛情深く、期待に応えたいと一生懸命働いてくれます。

小型犬ですが運動量が多いので、ストレスが溜まらないように散歩や遊びをこまめにしてあげましょう。

テリア犬のなかでも比較的扱いやすく穏やかな性格とも言われているケアーンテリア。

頼もしいパートナーとしてオススメの犬種です。

ケアーンテリアの体格とお手入れ

体高は平均で28〜30cmほどで体重は6~8kgです。

大きな瞳とピンと立った小さな耳。

本来猟犬ということもありガッチリとした筋肉質で、小型犬にしてはとても頑丈な体格です。

ケアーンテリアは毛色も豊富で、クリーム・ウィートン・レッドなど様々なカラーが存在します。

なかでもブリンドルというカラーは頻繁に色が変わるようで、7回ほど毛色が変わるとされています。

被毛は若干硬めのトップコートと柔らかなアンダーコートの二重のダブルコート。

抜けにくい毛質でお手入れがしやすいと言われていますが、毛が生え替わる時期になると大量に毛が抜けてしまいます。

こまめにブラッシングをして抜け毛を抑えるようにしましょう。

ケアーンテリアの値段と購入場所

ケアーンテリアは残念ながらペットショップではあまり販売されていない犬種です。

日本においてケアーンテリアを専門に扱っている経験豊富で信頼できるブリーダーも数多く存在しますので、優良なブリーダーからの直接購入をオススメします。

価格は一般的には15~20万円程度、血統が良いものや親犬がチャンピオン犬であれば25万円~35万円ほどになります。

ケアーンテリアはクリーム・ウィートン・レッド・グレー・ブラック・ブリンドルなど毛色が豊富で、色によっては価格が変わることもあります。

ケアーンテリアの健康と寿命

ケアーンテリアの平均的な寿命は12~15年程度と言われています。

小型犬は何かと特有の疾患や病気が多いと言われていますが、この犬種は大変丈夫な体質です。

かかりやすい病気としては白内障や緑内障などの眼の病気になりやすいので注意しなければなりません。

放置しておくと完全に視力を失うこともありますので、常に観察をして少しでも異常があれば動物病院にて検査をすることが望まれます。

他にも皮膚病や皮膚炎にも注意しましょう。

ひどくなってくると膿んだり、傷あとが残ったりします。

シャンプーやブラッシングなどをこまめに行い清潔に保つようにしてください。

ケアーンテリアの特徴を知ろう

ケアーンテリアはテリア犬のなかでも古い歴史を持っています。

スコットランドの農村地域で飼育されていて、農作物を荒らすキツネや小動物などを駆除する目的で作られた犬種です。

名前に付いているケアーンは「積石」という意味で、当時道沿いに積まれていた石の隙間に隠れた小動物を捕まえていたことからこの名前が付いたとも言われています。

猟犬だったこともあり活動的で独立心があり勇敢ですが、頑固な一面もあります。

ただ飼い主には大変忠実で愛情深く期待に応えようと頑張るタイプです。

しつけをしっかりと覚えさせて主従関係を理解させると素晴らしい相棒になってくれます。

英国や欧米では人気の高い犬種ですが、日本ではペットショップでの購入は難しく、ケアーンテリアに詳しく信頼できるブリーダーからの購入をオススメします。