優雅に伸びた長毛の姿が印象的なスカイテリア。
もっとも古いテリア種のひとつとも言われており、その歴史は何世紀にもわたりイングランドやスコットランド王室の寵愛を受けました。
「スコットランドの忠犬ハチ公」と呼ばれている有名な「ボビー」もこの犬種にあたります。
今回は日本では希少なスカイテリアの性格や飼い方などについてまとめました。
スカイテリアの外見・歴史
スコットランドのスカイ島が原産。
はじめはアナグマやうさぎを捕らえる地中猟犬として活躍していました。
スコットランド領主の寵愛を受け、その後はイングランドやスコットランドの上流階級で飼われるようになっていくと、高度に洗練され非常にファッショナブルな愛玩犬へと変貌を遂げました。
その後アメリカで公式に犬種の認定をされると、ドッグショーでもトップの座につくほどの人気犬種となりました。
体高はオスで26cm前後、メスで24cm前後、体重は8.5~10kgが一般的です。
被毛は硬めのロングコートが特徴で、その美しい毛足はヨークシャーテリアの作出の際にも取り入れられました。
毛色はスチールブルー、ブルー、ブラック、シルバーがあります。
耳は立ち耳とたれ耳の2タイプがあり、どちらかというと立ち耳のほうが人気があります。
スカイテリア性格
スカイテリアは勇敢で気立てがよく、親しみやすく陽気、家族に対しては忠実な性格です。
その表れとして有名なグレーフライアーズ・ボビーという話があります。
スコットランドのグレーフライアーズという地域に実在したボビーという名の犬は、主人であるジョン・グレイが死去した後、14年間その墓の傍らで過ごしたと言われています。
それだけ飼い主に忠実で一度信頼関係を結ぶと深い愛情を注いでくれる犬種でもあります。
一方、少し頑固な面や怒るとかみついたりするときもあるので、子犬のうちからしっかりとしたしつけが必要です。
警戒心が強く見知らぬ人に対して吠えることもありますので番犬にも向いているでしょう。
スカイテリア寿命やかかりやすい病気
スカイテリアの平均寿命は12~14年前後で、大きな遺伝的疾患も出にくく比較的健康な犬種です。
胴体の長さに対して足が小さいので、成長期には「軟骨異形成」などの骨格系の病気に気を付けてあげましょう。
子犬のころは過度のジャンプをさせないようにし、フローリングでは足が滑らないようにカーペットを敷く、階段の上り下りをさせないなど気にかけてあげる必要があります。
また「椎間板ヘルニア」の発症確率も高く、一度発症しそのままにしておくと神経麻痺により半身不随になることもあります。
異常が感じられたら動物病院での診療をオススメします。
体重があるとその分足腰に負担がかかりますので、普段から食事に気を付け太りすぎないようにしましょう。
胃腸があまり強くはありませんので、ドライフードの一気食いなどはさせないようにし、少しずつ食事ができるよう工夫をする必要があります。
スカイテリア値段と入手方法
子犬価格の相場は50万円台と非常に高額になります。
2015年時点でJKC(ジャパンケンネルクラブ)に登録されているのは1頭だけであり国内繁殖の子犬を入手することはほぼ無理でしょう。
飼育を考えているのであれば海外から輸入する必要があります。
輸入方法にもいろいろとありますが、仲介業者に申し込む方法や、海外ブリーダーとのやり取りを代行してくれる業者に依頼する方法があります。
どちらにしても、業者の先のブリーダーから購入することになります。
そのブリーダーがしっかりと犬の血統を管理し、遺伝性疾患などにも気を付けて繁殖しているところかどうかをちゃんと見極める必要があります。
しっかりと信頼関係の結べる取引相手を探しましょう。
スカイテリアしつけのポイント
自分が認めた飼い主や家族にだけ心を許す面がありますので、子犬のうちからしっかりと主従関係を身につけさせておく必要があります。
タオルやおもちゃなどを使って引っ張りっこの遊びをする時も、必ず飼い主さんが勝つようにすることで、どちらが上かを認識させやすくなります。
ただしあまり厳しいしつけをすると、頑固な一面から逆効果になることもあります。
厳しくするところは厳しく、褒めるときはしっかり褒めるなどメリハリのあるしつけをしましょう。
また、人見知りで警戒心も強めの性格ですので、小さいうちからたくさんの犬や人に関わるようにしてあげるのもポイントです。
近所の公園やドッグランなどで出会いの機会を作ってあげましょう。
社交性を身につけることで本来持っている陽気な一面も引き出してあげることができるでしょう。
スカイテリアの特徴を知ろう
入手方法からしつけまで、すこし時間や労力がかかりそうな犬種ではありますので、根気強く付き合っていくことのできる方にオススメします。
この犬種を飼うことのメリットとデメリットをちゃんと把握したうえで迎え入れることを考えましょう。