愛くるしい顔をしたチベタンスパニエル。

どんな性格をしていて、どんなことに気を付けて飼育しなければいけないのでしょうか?

今回は、チベタンスパニエルについてご紹介します。

チベタンスパニエルの歴史

チベットを原産とするチベタンスパニエルは別名「ティビー」とも呼ばれ、親しまれています。

大変歴史のある犬種で、紀元前千年以上前にはすでに存在していたとも言われています。

見た目が獅子のようであることから、チベタンスパニエルを飼うと「飼い主に福が舞い込んで魔除けとなる」といわれ、大切に育てられてきました。

また、チベット国内外の重要な人への贈り物としても重宝されたと言います。

チベタンスパニエルが初めてヨーロッパに輸出され始めたのは1898年のことで、イギリスは1960年代、アメリカは1980年代と、ごく近年のことといえます。

チベタンスパニエルの特徴

チベタンスパニエルは「スパニエル」という名前が入っていますが、スパニエル犬種ではありません。

そのため体は小さめで、平均体高は25㎝、体重は4~7㎏という小型犬です。

耳や前足の後ろ、しっぽに柔らかくて長い飾り毛があることが特徴で、なかでもしっぽの飾り気は走ると揺れてとてもかわいいです。

顔はいわゆる鼻ぺちゃで、その愛くるしい見た目が人気の高い理由だと言われています。

また、通常の小型犬のは6か月~8か月に1度の発情であるのに対し、チベタンスパニエルはメスの発情期間は長く、1年~1年以上続くと言われています。

この点もチベタンスパニエルの大きな特徴であるといえるでしょう。

チベタンスパニエルの性格

見た目がとてもかわいいチベタンスパニエルですが、警戒心が強く、また頑固な一面があります。

また、猫のようにマイペースで、そのうえプライドも高いと言われています。

そのためしつけは飼い主の思い通りに進まないこともありますが、何度も繰り返し教えてあげることが重要です。

一方、飼い主などの慣れた人の前では明るい性格をしており、子どもとも一緒に遊んでくれるほど社交的な面ももっています。

とにかく飼い主やその家族とともに過ごす時間が好きな犬種なので、家族の留守が多いような家庭には向かないかもしれません。

チベタンスパニエルの飼い方

小型犬であることからも、あまり運動量は必要とはしません。

1日10~20分ほどの散歩を1~2回ほど行なう程度で十分でしょう。

天候の悪い日などは無理に散歩に連れていかず、室内で遊ばせておくかたちで構いません。

ただ、人とのコミュニケーションを重視するため、飼い主と一緒に楽しめるような遊びと取り入れてあげるようにしましょう。

また、被毛のお手入れも欠かさずに行なってあげましょう。

週に2~3回はコームまたはスリッカーブラシを使ってブラッシングをしてあげるといいですよ。

特に耳やしっぽなどの飾り毛は、長いために絡まりやすく、1度絡まると厄介なので、念入りにお手入れしてあげましょう。

チベタンスパニエルの寿命とかかりやすい病気

チベタンスパニエルは遺伝的な病気の発病が少ないことで知られていますが、やはり小型犬に発症しやすい膝蓋骨脱臼には気を付ける必要があります。

チベタンスパニエルは前足が細く、そのうえ弓のように曲がっています。

高い位置から床などに飛び降りると、体の重さがそのまま足への負担となり、こうした症状を引き起こしてしまいます。

特に若くて活発に動きたがる時期には注意してあげましょう。

また、鼻が短いことから「気道狭搾」や「軟口蓋過長」などの呼吸困難に陥る場合があります。

気になる症状がみられた場合は病院を受診するようにしましょう。

その他、「心臓疾患」「腎臓疾患」「緑内障」「アレルギー」などにも要注意です。

チベタンスパニエルの価格

平均価格は15~25万円ほどとされています。

チベタンスパニエルと似ている「ペキニーズ」や「チン」などのメジャーな犬種であればペットショップでの販売もされています。

それでも、チベタンスパニエルそのものは、なかなか見かけることはないでしょう。

認知度がまだ低いため、2014年の時点でのJKC登録個体数も47頭と少ないですが、ブリーダー経由での購入の方が可能性としては高いようです。

購入を検討されている方は、さっそくブリーダー探しから始めてみましょう。

子犬は元気に走り回ってるような健康面に問題がなさそうな子で、なおかつ眼の色や毛並みの良い子を選ぶようにしましょう。

しっぽの飾り毛がキレイかどうかという点も重要です。

子犬に実際に触れてみて、人懐こく近寄ってくるような子犬が理想ですね。

チベタンスパニエルの特徴を知ろう

今回は、チベタンスパニエルの性格や飼い方、注意しなければいけない病気などについてご紹介しました。

チベタンスパニエルは大きくなればなるほどこの犬種らしい気質があらわれてきます。

子犬の頃にしっかりと服従訓練などを含めたしつけを行なっておく必要があります。

ですので、時には厳しくしつけることができる覚悟をもって購入に踏み切るようにしてくださいね。