昔は犬は野外で飼育するものでしたが、最近は犬を室内で飼う人の方が圧倒的に多いでしょう。
室内で飼うとなるとやはり小型犬が人気になってきますが、最近では更に小さい「超小型犬」がいる事をご存知でしょうか。
ここではその超小型犬について代表的な種類と、その特徴をご紹介します。
チワワ
チワワは小型犬の中で、最も小さいと言われる種類の犬です。
チワワは成犬になっても精々1~3キロ程にしかならず、そのほとんどが「超小型犬」と呼ばれています。
その小さくて可愛らしい姿に反して、実はとても勇敢で、やや気性が荒い場合があります。
一般的にあまり吠えないと言われていますが、警戒心が強い面がありますので、小さい頃から人に慣れさせていない個体は神経質で、キョロキョロと落ち着かず、人に吠える事があります。
チワワには一般的に毛の短い「スムースタイプ」と毛が柔らかい「ストレート」、被毛が長い「ロングコート」がおり、黒い毛色のものと、白い毛色のものとがいます。
パピヨン
パピヨンの原種はスペイン原産のスパニッシュ・ドワーフ・スパニエルと言われていて、小型犬の中でも最も美しいと言われるほどに優美な外見と、大きな耳が特徴的です。
元々はフランスの貴族や王族が寵愛していた犬種で、あのマリー・アントワネットやポンパドール夫人も飼っていたという高貴な犬です。
成犬時の体重が2~3キロと軽く、超小型犬に分類される場合があると言います。
長い被毛はシルクの様に滑らかで、大きな耳は正面から見ると蝶のように見える為、フランス語で蝶を意味する「パピヨン」と名付けられたと言います。
性格は、小型犬の中では最も従順で人懐こいと言われており、機敏で反応豊かで遊び好きな反面、警戒心が強い所があります。
ポメラニアン
ポメラニアンもまた超小型犬に分類される事が多い犬種ですが、食生活等によっては5キロ以上になる個体もいる為、そういった個体は除外されます。
ポメラニアンはスピッツの仲間で、寒い地方で犬ぞりをしていた大型犬を改良して作られた犬種だと言われています。
19世紀にヴィクトリア女王が、イタリアからポメラニアンを持ち帰り飼育したことが切っ掛けに人気に火が付き、今では世界的にも人気な犬種となりました。
毛並みが非常に豊かで、ふわふわな被毛はダブルコートと呼ばれる2重構造になっています。
元大型犬であった為か、その可愛らしい見た目に反して非常に勇敢で、警戒心が強く、吠えやすいです。
頭も良く、しつけもし易い、本来は番犬向きの性格をしています。
ヨークシャーテリア
ヨークシャーテリアはチワワに次いで、小型犬の中で2番目に小さな犬種です。
一般的にはブラックとゴールドの2色の毛色のものが有名ですが、その他にもブルーとタン、ゴールドとブルー等の毛色の個体もいて、長い被毛の割に抜け毛は少ないです。
長く真っ直ぐな被毛はシルクに例えられ、その美しい姿から「歩く宝石」と称されるほどの優美さを持ちます。
しかし、元々はネズミ捕り用に改良され、何処にでも持ち運べるようにと小さくなった犬ですので、俊敏性と狩猟本能は折り紙付きです。
その見た目とは対照的に、ヨークシャーテリアは強情で気が強く、頑固で活発過ぎるほど活発な、とてもキツイ性格をしています。
狆
狆は732年に聖武天皇に献上された日本最初の愛玩犬です。
その存在は「続日本書紀」にも記されていて、天皇家や江戸城大奥でも飼育された由緒ある犬種です。
大きさ的に言えば成犬は4~5キロと、他の超小型犬に比べると大き目ではありますが、最近では小さな個体が「超小型犬」として販売されています。
狆は黒と白の長い被毛が美しくも控えめな、日本古来の美を表現したようなお淑やかな犬です。
見た目通り穏やかで友好的で大人しい性格をしています。
また体臭や抜け毛が少なく、運動量もそれ程必要としない、まさに「お座敷犬」と呼ぶにピッタリな犬種です。
豆しば
超小型犬の先駆け的な存在ですが、元々豆しばとは「柴犬の中でも特に小さい」柴犬を指す言葉で、決して「豆しば」と呼ばれる犬種がある訳ではありませんでした。
家の中でも飼いやすいようにと、身体の小さい柴犬同士を掛け合わせて作られたのが豆しばの始まりだと言われています。
2008年にKCジャパンが豆しばに血統書を発行するようになった事で、正式な犬種として認められるようになりましたが、それまで豆しばには明確な規定などはなく、豆しばとして販売されていたが、成犬になったら普通の大きさになった、と言う話がよく有ったほどです。
超小型犬を飼ってみよう
超小型犬はとにかく愛らしいですよね。
ただ、超小型犬と言われている犬種は上記のものが主ですが、超小型犬とはあくまで「小型犬の中でも更に小さな個体」を指すだけであって、「超小型犬」という種類の犬種がいる訳ではません。
一般的に超小型犬とは、成犬になったときの体重が2~3キロ、または5キロ以下の個体を指しますが、それについても明確に定められている訳ではません。
また超小型犬の中には、悪徳ブリーダーによって無理な交配で生まれた個体が販売されている場合もありますので、購入する際は気を付けるようにして下さい。