母猫が生まれたばかりの子猫を育てられない状態になってしまった時、飼い主は母猫の代わりに子猫を育てる事になります。

子猫を育てる時、最も手間がかかり、大変なのがミルクのあげ方です。

成長や子猫の体調に合わせたミルクのあげ方を学んで、元気な子猫に育ててあげてください。

子猫へのミルクの準備

まず、子猫には子猫専用ミルクを飲ませましょう。

液状タイプと粉末タイプ、どちらをあげても問題はありません。

ただし、粉末タイプのミルクを与えるときのミルクの濃さは、それぞれの商品のラベル表示を必ず守りましょう。

薄すぎると栄養失調、逆に濃すぎれば下痢や脱水症状の原因になります。

猫用ミルクはタンパク質、脂質が多く含まれ、猫の消化機能に合わせた栄養バランスになっています。

子猫の時期の栄養の摂取状態は、これからの成長に大きく関わっていきますので、できるだけ子猫専用のミルクを与えてあげましょう。

子猫を拾った場合等の緊急時なら、牛乳をあげてもかまいません。

しかし、牛乳には猫にとってほとんど不必要な糖分(ラクトース、乳糖ともいう)が含まれており、離乳にしたがってこの糖分を分解する消化酵素が少なくなっていくので、猫によっては下痢の原因になります。

肉食獣の猫は草食動物や雑食の人間や犬とは、消化機能や必要な栄養素が違います。

早めに猫用ミルクに変えてあげてください。

子猫に与えるミルクは濃度と成分意外にもう一つ、温度にも注意が必要です。

ミルクの温度は母猫の体温と同じくらい、人肌より少し暖かい程度の38度前後に温めてあげると子猫が飲みやすくなります。

膝に乗せてだっこする

生まれたばかりの子猫はまだエサ皿からミルクを飲む事は出来ません。

市販されている猫用の哺乳瓶を使い、飼い主が子猫を抱いて飲ませてあげる必要があります。

ミルクを与える際の抱き方は、まず子猫を膝の上に寝かせ、片手で子猫の頭を支え、もう一方の手で哺乳瓶を猫の口元へ持っていきます。

この時に子猫の頭を少し上に向けてやると、子猫がミルクを飲みやすくなります。

生後3週目までは自分で飲む事は難しいので、哺乳瓶等を使い飼い主が抱いて与える必要があります。

生後1日目は2時間ごとに3~5cc、ある程度大きくなったなら4時間に一度、1日5~6回で量は6~8ccを目安に与えます。

欲しがるならさらに与えても良いでしょう。

スポイトを使う

力が弱く上手く飲む事が出来ない子猫の場合は、スポイトやペットショップで売っている市販の注射器を使いましょう。

スポイトや注射器で与える場合、飼い主が一度に飲ませるミルクの量を調節する事になります。

一度に一気に流し込むと誤嚥性肺炎の原因になってしまいますので、飲んだ事を確認しながらちょっとずつ与えるようにしましょう。

注射器で飲ませる場合は、喉に詰まりにくいように、子猫の頭は横向きにして軽く飲み口をくわえさせるようにして与えます。

保護した子猫の場合、ミルクを飲まないのは衰弱している事が原因かもしれません。

子猫の体温は36度前後なので、抱いたとき自分より体温が低いと感じたら体を温めてあげてみてください。

子猫を拾った時は電話で獣医さんに相談したり、できるだけ早めに病院へ連れて行きましょう。

排泄してからならたくさん飲める

授乳時に飼い主がやるべき事はミルクを飲ませるだけではありません。

子猫のうちは飼い主がお尻に刺激を与え、排泄を促す必要があります。

排泄はミルクを与える前後に行いましょう。

特にミルクを与える前に排尿、排便を済ませておくとお腹に余裕ができるので、よりたくさんのミルクを飲む事ができます。

肛門を傷つけないよう注意しながら、濡らしたガーゼで肛門付近をそっと拭いて刺激してあげましょう。

離乳期に入る3週目頃まで、ミルクを与える時にセットで行ってください。

離乳期からはエサ皿で

生後3週目にはミルクと離乳食の併用が始まります。

子猫が成長し歩き回って行動範囲が広がるようになったら、徐々に離乳食に切り替えていきます。

ここからは哺乳瓶での授乳を止め、エサ皿からミルクを与えるようにします。

始めはミルクに一匙程度離乳食を加える所から、生後8週目を目安に少量ずつ離乳食の割合を増やしていきます。

離乳食の割合が多くなると、それまでミルクで補えていた水分が減ってしまいます。

離乳食と同時に水を与え始める事を忘れないようにしましょう。

8週目以降は徐々に離乳食からキャットフードに置き換わっていきますが、ドライフードだと子猫には固くて食べられない場合があります。

水でふやかして与える事も出来ますが、余っているようでしたら猫用ミルクでふやかしてあげると子猫が食べやすくなります。

猫用ミルクはかなり栄養豊富。

成猫には栄養過多になり肥満の原因になってしまう事もあります。

老猫、弱っている時には良いですが、ある程度大きくなったら子猫用ミルクはあまり与えない方が良いでしょう。

子猫にミルクをあげよう

子猫用ミルクは、子猫の今後の成長が決まる授乳期から離乳期までの大事な栄養分です。

ミルクでどれだけ栄養を摂取できたかは、今後の猫の健康に大きく関わって行きます。

成長度合いに合わせたあげ方で、たくさん飲ませてあげてください。