猫も年を取ると人と同じように消化する力が弱くなり、食欲が落ちて痩せてしまう事が多くあります。

体が弱くなっていく老猫にとって、毎日の栄養摂取は長く健康に過ごす上でとても大切です。

飼い主にも簡単にできる一工夫で、老猫の健康を支えてあげましょう。

ご飯の量を増やす

食欲が落ちて痩せてきた猫には、普段のエサに猫にとって魅力的なご飯を足してあげてみてください。

温かいものや匂いの強いものは猫の食欲増進に効果的です。

ただし、老猫は若い時ほど運動しないので、一日に必要なカロリーは少なくなっています。

老猫の必要なカロリーは成猫の2割程度です。

ご飯の量を増やす時は、キャットフードの量を増やすのではなく、カロリーの高くない、高タンパクで栄養豊富なものを足しましょう。

低カロリーで高タンパク、猫の好きな食べ物には白身魚や鶏のササミがあります。

もともと肉食の猫にとって動物性の食物は味や食感、匂い等とても魅力的です。

混ぜてあげると食欲の増進に繋がります。

動物性の食事をとらせる時は出来るだけ脂分を取り除き、生ものは控えて火を通す事を忘れないようにしましょう。

また、こういった食べ物はドライフードと比べてそのままにしておくと腐りやすいので、猫がそっぽを向いたらすぐに片付けてください。

古くなったご飯はお腹を壊す原因になります。

ご飯の回数を増やす

老猫も人と同じように年を取ると消化する力が弱くなっていきます。

消化器官にかかる負担から、一度に食べられる量が減っている猫は、ご飯を食べるとすぐにお腹がいっぱいになってしまい、また食べた物から栄養を十分に摂取できないために痩せていきます。

消化器官の弱くなってしまった老猫には、一度にたくさんのご飯を与えるより食べられる量を少量ずつこまめに与えた方が消化器官への負担が少なく、一日に摂取できる食事量はずっと多くなります。

若い猫なら一日に2~3回の食事が一般的ですが、老猫には一日分のエサは同じ量でも一度に与えるキャットフードの量を減らして、3~4回に分けて与えてみてください。

多頭飼いの場合には他の猫にエサを食べられてしまわないように注意して、囲いを作る等老猫が焦らずに食事出来るように環境を整えてあげましょう。

エサを食べやすい大きさにする

老猫は消化器官だけでなく、ものを噛む力や歯自体も弱くなっていきます。

老猫にとって硬くて粒の大きいドライフードは、とても食べにくく、アゴが疲れて小食の原因になっている事があります。

ペットフードを細かく刻んだり、お湯でふやかすと老猫にも食べやすくなります。

ミキサーやすり鉢を使ったり、温めた猫用ミルクやお湯でふやかしたフードは消化に良く、痩せていく老猫に、少ない負担で栄養を摂らせてあげる事が出来ます。

また、高齢になると口内のトラブルを抱えた猫が多くなります。

アゴの力や歯だけでなく、口内炎の猫にもエサは小さい方が食べやすいでしょう。

自分で食べる事を嫌がる猫には、ふやかしたエサを指に付けて口の横からちょっと付けてあげると舌で舐めとって食べてくれます。

栄養価の高いキャットフードに変える

キャットフードは、同じメーカーでもそれぞれの年齢ごとに栄養バランスが調整された商品が発売されています。

普段与えているメーカーから高齢猫用のキャットフードが発売されていないか確認してみましょう。

老猫用は成猫用より少ない量でも老猫に必要な栄養素を十分に摂取できるよう配慮されており、食欲の落ちてしまった猫でも痩せにくくなります。

老猫用キャットフードは栄養面だけでなく、食べやすさの面や消化吸収の面でも老描に適するように成猫用より細かく、軟らかく加工されたものなどバラエティーも豊富です。

痩せていく理由に合わせて色々な高齢猫用キャットフードを探してみましょう。

ただし、同じメーカーのものなら味も変わらず警戒せずに食べてくれますが、神経質な猫には突然高齢猫用フードに変えると嫌がって食べなくなってしまう事もあります。

初めのうちは元々与えていたフードに少量ずつ、徐々に割合を増やしてシニア用フードに慣れさせていきましょう。

老猫の栄養補給に良い食べ物

2.でご紹介した高タンパク低カロリーな食べ物の他にも、痩せてきた老猫に適した栄養補給に良い食べ物はたくさんあります。

例えば、タンパク質、脂肪、ビタミンの摂取には卵黄が効果的です。

卵黄を与える時は、白身をキレイに取り除き、火を通して与えてください。

また、子猫用ミルクは少量でたくさんの栄養補給が出来るので食欲のない老猫にも適しています。

ただし、子猫のフードは老猫には高カロリーなので頻繁に与えると糖尿病など病気の原因になります。

本当に食欲の無い時の非常用の食事と考えてください。

その他、腎不全など疾患のある猫のための流動食やペースト状のエサも痩せていく猫の栄養補給には適しています。

どうしても何も食べなくなってしまった時は、獣医さんに相談してみましょう。

基本的にはご飯で痩せ対策を

老猫が痩せてくる原因には老化による食欲の減退が多く関わっていますが、その理由は純粋な老化だけとは限りません。

歯槽膿漏や口内炎、腎不全などの病気が食欲減退の原因になっている事もあります。

そのため、年一回は健康診断を受ける等、健康チェックを欠かさずに行い、少しでも痩せる原因を作らないようにしてあげましょう。