子猫を保護したけれど、夜中なので動物病院もペットショップにも行けない。
緊急事態なのに販売している店が近くに無く、子猫用ミルクが手に入らない。
そんなもしもの時のために、子猫用ミルクの代用になるものをご紹介します。
温めた牛乳
牛乳を与えるなら一工夫をして、牛乳だけでは足りない栄養を補充してあげましょう。
まず牛乳1カップを温めます。
温める時レンジを使ったり、沸騰させてしまうとタンパク質が破壊されてしまいます。
弱火で沸騰させないよう注意して温めてください。
次に卵黄一個、砂糖小さじ4を入れ、よく混ぜます。
卵白は子猫が下痢をするので、できるだけ取り除いてください。
そして、人肌より少し温かい程度に冷まして与えましょう。
しかし、猫は牛乳を与えると下痢をしてしまう可能性があります。
なぜなら、牛乳に含まれている乳糖を分解する酵素を持っていないからです。
よく、牛乳を飲むとお腹がごろごろしてしまうという人がいますが、猫が下痢をするのもこれと同じ理由です。
牛乳を与えるのは、あくまでも猫用ミルクのない時だけにしてください。
下痢をしたときはすぐに牛乳を止め、他の代用品を試してください。
無、低乳糖乳
乳糖の入っていない、または少ない乳製品なら子猫に与えても問題ありません。
これらはあまり家に常備されない物ですが、牛乳アレルギーや乳糖不耐症の方には馴染み深い方もいるでしょう。
スーパーには購入できる所もあるので、代用品を探すときの参考にしてください。
よく子供の牛乳アレルギー対策に活用されるヤギのミルクは、代用に適しています。
乳糖が少ないので、牛乳より子猫が下痢になりにくく、安全です。
また、牛乳でも無乳糖の記載があるものもあります。
これは乳糖を分解する酵素を持っていない人のために作られた、あらかじめ乳糖を分解処理した牛乳です。
「お腹のゴロゴロしない」「無乳糖」と記載されている牛乳なら、安心して与えられます。
低脂肪乳とは別物なので購入時は注意してください。
赤ちゃん用粉ミルク
牛乳で下痢をしない猫なら、人間の赤ちゃん用のミルクは牛乳より簡単に多くの栄養が摂取させられます。
粉ミルクを、記載の更に2倍に薄めて与えてください。
体が弱っているようなら薄めに、元気なら少し濃いめでも大丈夫です。
子猫の体調に合わせて濃さを調節してください。
乳糖不耐症の乳児用のミルクなら、子猫にあげても下痢の心配はありません。
購入する時、パッケージに「無乳糖」や「乳糖不耐症用」の記載があるか確認してみてください。
粉ミルクは代用できますが、人間用の哺乳瓶は子猫には大きすぎるので代用はできません。
代用に使うならお弁当用のしょうゆ差しなど、スポイトのように一滴ずつ与えられるような容器が良いでしょう。
スキムミルク
パンやお菓子作りが趣味の家族がいれば、台所にスキムミルクを常備しているという方も多いでしょう。
スキムミルクとは、平たく言えば脱脂粉乳と同じものです。
これを読んでいる方の中には、子供の頃給食で飲んだことがあるという方もいるでしょう。
お湯で薄めて飲みやすい濃さにして与えてください。
そんなスキムミルクですが、実は乳糖は取り除かれていません。
取り除かれているのは脂肪分です。
牛乳を与えても下痢をしなければ代用品として使えますが、下痢をしている時には牛乳同様オススメできません。
砂糖水
子猫が衰弱している場合、代用ミルクを与えても吐いてしまったり嫌がって飲まない事もあります。
その時は、まず脱水症状と低血糖にならない事を第一に考えましょう。
砂糖水の濃さは、甘みを感じる程度に味を確かめながら調節してください。
そして、砂糖水も人肌に温めてあげる事を忘れないでください。
完成したら、小指に少量砂糖水をつけて、口の端から口内を湿らせるようにしてあげてみてください。
一度に流し込もうとすると喉を詰まらせてしまいます。
ゆっくり、少量ずつわけて飲ませてください。
ある程度元気になったら、もう一度ミルクを与えてみましょう。
牛乳を与えて下痢をしてしまった場合も、とりあえず砂糖水を与えます。
ただし、砂糖水だけでは栄養は不足した状態です。
できるだけ早く獣医さんへ連れて行きましょう。
ふやかしたフード
元気があり歯が生え始めていたら、ドライフードをふやかしたものを与えるのも良いでしょう。
コンビニで売っている小猫用缶詰めをよくほぐして与えても喜んで食べます。
ドライフードは水をかけてもうまく溶けません。
2~3粒を軽く割ってからお湯をかけると、ふやかしやすくなります。
フードを食べさせるなら哺乳瓶は要りません。
小皿から自分で食べる事ができます。
お湯でふやかしたフードは傷みやすいので保存せず、一回であげられる量だけ与え、残したらその都度捨ててください。
代用品はあくまでも一時的な物
猫用ミルクはペットショップ以外にも動物病院や一部のコンビニエンスストア、ホームセンター、薬局でも取り扱っています。
肉食動物の猫は、草食動物の牛とはミルクの成分が異なります。
動物によって、生まれたばかりの時に必要な成分は違うからです。
代用品は緊急時のみ与え、できるだけ早く子猫用ミルクに切り替えてください。