ネズミ目といっても実に様々な種類がいます。
中には過酷な環境の中で独自の進化を遂げ、個性的な見た目になったものもいます。
その中の一種がカンガルーのように地面を飛び跳ねるオオミユトビネズミという動物です。
オオミユトビネズミとは
オオミユトビネズミは、モロッコ、イスラエルなどの砂漠地帯に生息するネズミ目の動物です。
オオミユトビネズミの特性は、なんといってもその身体的特徴です。
長い足と短めの前足、長い尻尾を持っています。
足の裏には砂漠地帯の砂の熱さを和らげるため、毛が生えています。
砂漠で生きる動物なので、食料や水分の少なさを生き抜く体の構造をしており、エサがなくても広範囲を飛び回って探せるように後ろ足が発達しています。
一度に1メートル以上飛ぶこともできます。
水分は少ない植物などから摂取するだけでも対応できる体質になっています。
地面の穴を掘り、群れを作って暮らしている夜行性の動物です。
雑食性で種子、果物、野菜、昆虫などを食べます。
オオミユトビネズミの性格
他のネズミ目に比べて、警戒心、攻撃性も少なくおっとりした性格です。
長い尻尾でバランスを取りながら飛び跳ねる姿が愛らしい動物です。
コミュニケーションについては独特の体つきをしていることもあり、無理なスキンシップは体力を消耗し、過度のストレスになるようです。
どうしても部屋に放して遊びたい場合は、部屋の扉をしっかり閉めること、狭い隙間は入らないようにふさぐこと、
衝突して怪我をしそうなもの、かじって危険なものなどを撤去しておくこと等を忘れないようにしましょう。
どちらかと言えば鑑賞用のペットとして飼うことをオススメします。
歩く姿がカンガルーのようで非常にコミカルなので、見て楽しむだけでも十分楽しめる動物です。
オオミユトビネズミの購入
オオミユトビネズミの値段は数千円~五万円と、ばらつきがあります。
購入に関しては野生動物保護の観点から、海外の動物の輸入規制が厳しくなっていること、
トビネズミと生息している中東地方の治安が悪化していることなどがあり、ペットショップでもだんだんと希少になってきています。
小動物専門店などでトビネズミが生まれる、入荷するなどした場合、連絡してくれるよう予約しなければ、トビネズミを購入するのは難しいかもしれません。
ショップで偶然オオミユトビネズミに出会ったなら、非常に運が良いと言えるでしょう。
オオミユトビネズミの寿命、健康
オオミユトビネズミの寿命は3年~6年と、ネズミ目の動物の中では、わりと長めのようです。
健康に関して気をつけなくてはならないのは、足の怪我、骨折等が挙げられます。
また、トビネズミは非常に足と尻尾が長いので、網ゲージや床板にそれらが挟まってしまいます。
回し車などは、ケージが広ければ入れなくてもよいので、置かない方がいいでしょう。
トビネズミが挟まったり、ぶつかったりする余分なものは、ケージ内に置かないようにしましょう。
そしてもう一つ気をつけたいのは、湿度の管理です。
元々砂漠の動物なので、トビネズミは湿気に弱いところがあります。
除湿機などで除湿してあげるとよいでしょう。
室内適温は25℃ぐらいです。
また、寒い冬はヒーターや保温マットなどで温めてあげてください。
オオミユトビネズミの飼育
オオミユトビネズミは飛び跳ねるので、ある程度跳ね回れる広さのあるケージが必要です。
少なくとも90cm四方以上あるものを用意しましょう。
ケージの種類は網ケージだと怪我につながります。
床網や床板も足を骨折する原因となるので外してください。
ケージは、大き目の水槽かプラケースにしましょう。
プラスチックの衣装ケースでも代用できます。
ケージの中には床材(砂やおがくず、チップ)などを入れ、エサ入れ、巣箱、床材が土でない場合は砂浴びの器も入れます。
水分に関しては砂漠の動物ということもあり、ほとんど野菜類から取るのですが、念のためボトルタイプの給水器を入れておきましょう。
エサは主食が種子、穀物などですが、それ以外にも副食として牧草、野菜、果物などの植物性のエサ、昆虫(ミルワーム)ささみなどの動物性蛋白質なども与えます。
掃除に関しては尿をあまりしないため、床材などをまめに取り換える等で、あまり世話はかからないでしょう。
珍しい小さなペット、オオミユトビネズミの特徴を知ろう
オオミユトビネズミは、飛び跳ねる姿が愛くるしい動物です。
しかし輸入の問題、保護の問題等もあり、ペットとしては希少です。
もし偶然見つけたら運が良いので、購入等を検討してみても良いでしょう。
しかし、珍しい動物ゆえの飼育情報等の少なさ、動物病院などを探す大変さなどもあらかじめ考慮しておきましょう。