プレーリードッグは「ドッグ」と名がついていますが、犬ではありません。

草原地帯に暮らすネズミやリスの仲間で、日本ではあまり馴染みのない動物です。

見た目のポッチャリした可愛さのため、昔からペットとしても大人気。

でも、飼育するにはきちんとした知識が必要です。

プレーリードッグとは、どんな生き物で、どうやって生活しているのでしょうか?

プレーリードッグとは

プレーリードッグは、ネズミ目リス科の動物です。

北米やメキシコ地域の固有種で、広い草原地帯(プレーリー)で暮らしています。

害獣として乱獲されてきた経緯もあり、種類によっては絶滅が危惧されています。

プレーリードッグは日中に活発に動き回る習性があります。

一夫多妻で、地面に巣穴を掘って「コテリー」と呼ばれる群れを作り暮らします。

血縁関係にある他の家族と巣穴の出入りを共有し、大勢で生活するのが得意です。

生まれて2~3年で大人になり、メスは一度に4~5匹の子供を生んで育てます。

また、手足が短く、俊敏な移動には適しません。

そして、草食で、イネ科の植物が大好物です。

その他、名前の由来は、捕食者である肉食動物が迫ってきたときに、犬みたいな鳴き声で仲間に危険を知らせる習性ためで、「草原の犬」という意味で名付けられました。

ペットとしてのプレーリードッグの流通・値段

昭和から平成にかけて、可愛い容姿が話題となり、日本でも人気のペットとしてプレーリードッグが輸入され、流通し始めました。

日本で取り扱われている種類は、・オグロプレーリードッグ・オジロプレーリードッグの2種類がほとんどです。

感染症を媒介する危険があると示唆されて、2003年以降の海外からの輸入が全面的に禁止されました。

現在は、国内で繁殖した生体のみが流通・販売されています。

ペットショップでのプレーリードッグの値段相場は、25万~40万です。

繁殖が容易にできない点から、相場は年々上昇傾向にあります。

反対に、飼えなくなったり、繁殖しすぎた個人飼育のプレーリードッグを里親に出すなどの取り組みもされている場合があります。

寿命は6~12年。長生きさせるために

プレーリードッグは野生下で6年程度の寿命と言われています。

上手く飼育することで、6~12年ほど生きます。

オスよりもメスのほうが長生きしやすい傾向があります。

より長く生きさせるためには、高脂質のエサを与えすぎない、適度な運動をさせてストレスを溜めさせない、などのケアが必要です。

温度変化にも敏感なため、20℃~28℃の環境を維持しましょう。

日光浴も健康には欠かせません。

また、寂しがりやなので、飼う時は2匹以上の飼育が推奨されます。

繁殖させたいならオスとメス、そうでないならメス同士が相性も良く、ケンカが少なくて理想的です。

その他、歯や爪は永久に伸びますので、かじって歯を削れる道具も必要ですし、定期的に爪を切ってあげることも大切です。

放置すると怪我や病気の原因になります。

爪を切る場合は切りすぎに注意し、万が一のために止血剤の用意があると安心です。

可愛い特徴

普段から群れで暮らすプレーリードッグは、社交性が高くコミュニケーション力も抜群です。

動くこと、遊ぶことが大好きで、日中はとても活発に動き回ります。

飼い主を家族だと認識し始めると、「一緒に遊んで欲しい」と甘えてきます。

一日一回は遊ぶ時間を作ってあげると、とても喜びます。

抱いたり撫でてあげるだけでも満足するので、積極的に細かいスキンシップをとりましょう。

逆に寂しいとストレスを溜めて、自虐行為に走る場合もあるので、注意して観察してあげてください。

基本的に草や砂のある環境で生活しますが、柔らかいものが大好きなので、布に慣れさせると布団やクッションの上でリラックスするようになります。

その他、高いところによじ登りたがりますが、しがみつく力も弱くすぐに落ちるので、怪我をしないように登らせないしつけが必要です。

気をつけるべき病気や感染症

プレーリードッグは、ネズミの媒介が知られるペストや、敗血病などの症状を併発して死に至る野うさぎ病などの感染症を持ち込む可能性があると危険視されています。

人間にも感染する病気なので、充分に注意する必要があります。

生まれたときから飼育下にある固体は現状安心ですが、ダニを通して病気の温床となる可能性があるので、定期的に砂浴びなどをさせて清潔に保ちましょう。

プレーリードッグ自体の病気としては、室内で運動量が少ない生活をしていると肥満体質になりやすいので、肝機能や心臓の障害に気をつけてあげましょう。

近所にプレーリードッグの診察を行ってくれる動物病院があるかどうかも、チェックが必要です。

プレーリードッグは慣れない動物だから、正しい理解を

外国で暮らす固有の動物は可愛い反面、一般化している犬や猫などのペットに比べて高価で扱いが難しく、飼育には様々な苦労が必要な場合が多いです。

基本的な情報や扱い方を予備知識として持っておくだけでも、随分と気持ちの余裕が持てますね。