愛くるしい表情で子どもたちを中心に大人気のカピバラ。

動物園でもお馴染みのカピバラですが、実は家庭で飼育することが可能というのはご存知でしたか?

現在、日本でのカピバラの飼育は特に制限されておらず、人間に懐くことからペットとしても人気が出始めました。

飼うことのできる環境さえ整っていれば、飼育することは夢ではありません。

では実際、カピバラを飼うためにどんなことが必要なのでしょうか。

水場を作ってあげる

カピバラはコロンビアやブラジルといった南米で生まれた、げっ歯目テンジクネズミ科の動物です。

もともと水場の近くを住処とし、常に水浴びができる環境で生活をしていました。

ですので、ペットとして飼育する場合も、水浴びがいつでもできるような水場が必要不可欠となります。

カピバラが水浴びをする理由は身体を清潔に保つためと、乾燥すると毛や皮膚が傷つくので、それを防ぐためです。

水浴びができない環境にいると、たちまち毛が痛んでいき病気を併発します。

また、基本的に水の中で排泄をするので、便秘にならないためにも水場は必要と言えます。

冬の寒い日にはお湯を張れば温泉気分で気持ち良さそうに浸かっているカピバラが見られますよ。

温度管理に気をくばる

カピバラは気温が常に暖かい地域の南米生まれ。

寒さにはとても弱いので、雪が降ることもある日本の冬はものすごく苦手です。

動物園などでは、冬場に暖を取るために温泉のお湯につかるカピバラもいるほどなので、よほど寒がりなのでしょうね。

特に冬場は温度管理ができる室内か、屋外で飼う場合には温度管理ができる小屋などを用意して飼うのが理想です。

マンションでも飼うことは可能ですが、やはり水場の問題があるので庭付きの環境で飼育する方がカピバラには合っています。

庭で日向ぼっこをしたあとのカピバラの毛はとても良い匂いがしますよ。

屋外で飼う場合は小屋を

暖かい季節であれば屋外で飼うことのできるカピバラですが、雨の多い日本ですので、できれば雨や風をしのぐことができる飼育用の小屋を用意してあげましょう。

冬場は小屋で暖を取ることもできるので一石二兆です。

身体が雨で濡れてしまうと冷えてしまいますし、水辺で生息しているカピバラなのにちょっと信じがたいことですが、カピバラは雨に濡れること自体が少し苦手ようです。

庭のスペースの問題で小屋を作るのがちょっと無理な場合でも、雨が凌げる屋根や雨宿りできるスペースがあれば大丈夫です。

落ち着ける場所を用意してあげましょう。

かじるものを用意してあげる

前の項目でも書いたように、カピバラはげっ歯目類。

なので、ハムスターと同じように歯が一生伸び続ける生き物です。

伸びた歯を削るために適した、かじるものを用意する必要があります。

面倒くさいからといって用意するのを怠ると、そこらへんにある家具や家の柱など、かじれるものならなんでもガジガジとかじってしまいます。

大切な家や家具を傷つけられたくない場合は他の木材で保護をしたり、カピバラが自由にかじってもいいようなものを用意したりしてあげましょう。

歯が伸びすぎてしまうとえさも食べることができませんし、病気にもなってしまうので気をつけてあげましょう。

えさは1日3キロ

野生のカピバラが主に食べているのは地面に生えている草や水中の草。

その他、果実や木の皮も食べたりします。

人の手で飼育する場合には青草や果物、人参、キャベツ、サツマイモといった野菜やペットショップなどで売られているペレットを与えます。

大人になったカピバラは、体長が約105~135センチ、体重はおおよそで35~65kgにもなるので、1日に3キロほどのエサをぺろりと食べてしまいます。

また、ミネラル不足を解消するための鉱塩(こうえん)と呼ばれる塩の塊を必要とします。

鉱塩は動物に欠かせない塩分やミネラル分を補うために舐めるもので、通販でも買うことができます。

ちなみに3キロのえさ代費用を算出してみると、だいたい1ヶ月で3万くらいになる計算です。

獣医を事前に調べておく

現在カピバラをペットとして飼育している人はまだそう多くはなく、また、カピバラをきちんと診ることのできる獣医さんもそう多くは存在しません。

飼い始めてから万が一病気にかかってしまった場合は、診てもらえる動物病院が無い、ということになる可能性もあります。

そうなったときに慌てないためにも、飼い始める前に獣医さんにあらかじめ相談しておくのが良いでしょう。

カピバラの飼育方法や病気になった際の見分け方や注意事項なども、もしかしたら教えてもらえるかもしれません。

普段から良い動物病院をチェックしおくと良いでしょう。

意外と値の張るカピバラ

カピバラの愛くるしい表情は見ているだけで癒されるもの。

その表情と仕草につい飼いたくなってしまいますが、カピバラの飼う際の購入代金は約70万円前後です。

価格もさることながら、世話もかなり大変です。

どうしてもカピバラを迎え入れたいという場合は、最後まで責任持って可愛がってあげてくださいね。