春になると飛んでいる姿をよく見かけるモンシロチョウ。
葉物野菜、とりわけキャベツ畑で見かけることが多くなります。
では、どのように幼虫から成長してモンシロチョウになるのでしょうか。
今回は、卵から幼虫までの育て方をご紹介します。
卵を見つけてくる
モンシロチョウはキャベツの葉が大好物です。
キャベツ畑を見つけて、キャベツを食べてその場で産卵するのが一般的なモンシロチョウの生態です。
そのため、キャベツ畑に入ってキャベツの葉の裏を注意深く見てみると、黄色い粒を発見することが出来ます。
これがモンシロチョウの卵です。
縦に細長い形状をしており、その大きさは1ミリ前後と大変小さいので、場合によっては虫眼鏡で探した方が見つかりやすいです。
また、モンシロチョウの卵は別生き物に食べられてしまう危険性もあるので、見つけたら葉ごと素早く取りましょう。
飼い方
葉ごとモンシロチョウの卵を捕まえてきたら、透明のプラスチックケースに入れましょう。
大きさは採取してきたキャベツの葉が入るほどの大きさが理想的です。
また、ふたには空気用の穴を数か所開けることを忘れてはいけません。
そして、キャベツの葉が乾いてしまわないようにするために、脱脂綿や紙などを水で湿らせて葉の下に敷きます。
この時に葉についたモンシロチョウの卵を落とさないように、傷つけないように配慮して、そのまま湿った紙の上に入れます。
卵から幼虫へ
数日すると、やがて黄色の卵から幼虫が出てきます。
そして、幼虫は自分の出てきた卵の殻を残さず食べます。
卵の殻は、出産を終えたばかりの母親から出る初乳のようなものです。
これから幼虫が生きていくうえで必要な栄養分がたくさん詰まっているのです。
卵の殻を食べ終えた辺りには、最初は卵と同じ黄色をしていた幼虫がお馴染みの緑色になります。
卵から幼虫になったら、カビや病気を防ぐためにも清潔にしなくてはなりません。
そのため、毎日幼虫とキャベツの葉が入ったプラスチックケースを交換します。
方法としては、同じような容器をもう一つ用意し、下に湿った脱脂綿や紙を敷きます。
そして、その上に新しいキャベツを置きます。
その後、ピンセットで幼虫を入れます。
決して幼虫を直接つままず、幼虫が捕まっている前日のキャベツごと入れるのがポイントです。
もちろん、上のふたに空気穴を開けることを忘れてはいけません。
幼虫の成長
卵からかえった、幼虫はすくすくと成長していきます。
体の大きさに合わせてキャベツを食べる量も増えるので、エサが足りなくなっていないか絶えず確認しなくてはなりません。
また、幼虫はある程度体が成長すると自分の表面の皮を脱いで大きくなっていきます。
この脱皮を何回も繰り返すのです。
最初は1ミリほどの卵から出てきた幼虫も、すぐに三倍の大きさの3ミリになります。
また、体が大きくなるとふんの量や回数も増すので、すぐに飼育ケースが汚れてしまいます。
清潔を保つためにも、必ず一日一回は幼虫を新しいケースに移動させてあげてください。
注意点
モンシロチョウの幼虫は、卵や幼虫の頃にハチなどの別の昆虫の卵を体内に産み付けられてしまうことが多々あります。
そういった個体は、体内で別の昆虫の卵が孵ってしまい、体内の栄養分を全て取られてしまいます。
そのため、幼虫自体は成長できずに途中で死んでしまいます。
そういった事態を防ぐためにも、キャベツ畑ですでに卵から孵った状態の幼虫を見つけてきて捕獲するのは避けた方が良いでしょう。
また、産み付けられてから時間の経ちすぎた卵はその中に別の昆虫の卵が潜んでいることもあります。
それではどうしたら良いのでしょうか。
理想的なのは、キャベツ畑でモンシロチョウを見つけたら、そのチョウが止まっていた葉っぱを調べることです。
生みたての卵を見つけられることも多く、生みたての卵ならば他の昆虫の卵を産み付けられていることもあり得ません。
無事卵から孵り、元気な幼虫が生まれてくることでしょう。
また、モンシロチョウの幼虫にとって乾燥は大敵です。
常にエサのキャベツが枯れていないか、乾いていないかをチェックし、幼虫が過ごしやすい環境を作ってあげることが非常に大切です。
モンシロチョウを幼虫から育ててみよう
子供の頃から親しみがあり、誰もが虫取り網と籠を持って捕まえて遊んでいたモンシロチョウ。
しかし、そのきれいな見た目とは異なり、衛生面や湿度には敏感な生き物なので注意が必要です。
お子さんのいる方は、ぜひこの機会にモンシロチョウの卵を探し、幼虫を育ててみてはどうでしょうか。