ミドリガメは亀の中でも丈夫で飼育がしやすいので、初心者にも最適な品種として人気です。

丈夫なミドリガメですが、病気にかかると危険です。

亀は犬や猫のように鳴かないので、病気になると発見が遅れてしまうことも。

そこで今回は、ミドリガメがかかりやすい病気とその対策についてご紹介します。

クル病

これはミドリガメが産まれて1年以内にかかる病気です。

稀に大人になってもかかることがありますが、特に幼少期は注意が必要です。

クル病は、甲羅が柔らかくなってしまう病気です。

足が曲がって歩けなくなったり、酷くなると甲羅が歪んでしまう恐ろしい病気です。

主に室内飼いの際に発病するもので、原因は紫外線不足によるものなので、日光浴をさせてあげましょう。

そして脊髄活性カルシウム剤やビタミンD3をエサに混ぜて与える治療方が、最も有効的です。

ビタミンDは紫外線によって生成されますが、ビタミン剤の投与と同時に行うとより効果的です。

また歪んでしまった甲羅を元に戻す方法は無いので、病気になる前に防ぎましょう。

皮膚病

皮膚のケガが原因で起こる病気です。

患部が白くお風呂に入った後のようになる病気で、ケースで飼育している場合、水質が悪いとばい菌が繁殖して感染症を引き起こします。

皮膚炎・皮膚真菌症・糸状菌症などとも言います。

また、この病気はイシガメが最もかかりやすい病気なので、イシガメ病とも言われています。

水槽の水を常に清潔なものに保つことや、ミドリガメの甲羅にぬめりが付いている場合は、柔らかいスポンジまたは柔らかいハブラシなどで、優しくぬめりを拭き取ってあげることも大切です。

水替えのタイミングと同時に行うと良いでしょう。

また、適度な日光浴も予防には大切です。

日射病

亀も人間同様に日射病になることがあります。

先ほど日光浴をオススメしたのですが、日光浴にはいくつか注意点があります。

1つめは非常に高い温度になる西日の直射日光です。

2つめは夏場での直射日光です。

真夏の昼間に温度が高くなるところで飼育してしまうと、あっという間に日射病になってしまいます。

もし夏場にミドリガメがぐったりしていたら、日射病を疑いましょう。

外で飼育する際は必ず日陰を作ってあげて、日光対策をしてあげてください。

ハーダー氏線炎

これは亀のまぶたが開かなくなる病気で、時間が経つにつれてだんだん膨らんでくる病気です。

原因はビタミンAの欠乏で、市販されているビタミン剤で症状を軽くする事ができます。

ビタミンAの含まれている溶液を1日1滴程度飲ませることで、だんだんと症状が良くなるでしょう。

日常的な対策として、ビタミンA(総合ビタミン剤でも良いでしょう)を普段のエサに混ぜてあげてください。

ただし、もし腫れているまぶたから出血が見られる場合はケガの可能性もありますので、速やかに獣医さんに相談して、適切な処置をしてあげましょう。

また、ハーダー氏線炎の場合でも獣医さんに見せることにより抗生物質の投与などの処置をしてもらえれば、感染などの二次被害を防ぐことも出来ます。

外部寄生虫症

これは特に屋外飼育の亀に起こる病気です。

寄生虫としては、イカリムシ・ウオジラミ(チョウ)・ウオビルなどが挙げられます。

その他にも寄生虫の種類はたくさんいますが、これから紹介する方法でほとんどの寄生虫は撃退できると言えるでしょう。

まずは寄生虫を見つける必要があります。

寄生虫は肉眼で見ることができるので、亀の体をよく見て、寄生虫を見つけたらピンセットで駆除していきます。

このときに、とても小さな寄生虫の場合は皮膚に食い込んでいる可能性もありますので、十分注意して見てください。

次に、ピンセットで駆除し終わったら最後に亀の体をイソジンやマキロンなどで消毒して、ゲンタシン軟膏を塗ってあげてください。

予防としては月に1度程度、水槽の中の小物(石など)に熱湯をかけて熱湯消毒をし、水槽は天日干しするのが効果的とされています。

新品の水槽の場合でもミドリガメを水槽に入れる前には消毒は必要で、先ほどと同じ天日干しの消毒法と、さらに水槽内に食塩水(海水の半分程度の濃度)を入れてしばらく置いておく消毒法の2つを並行して行うことにより、とても効果的に寄生虫を防ぐことが出来ます。

ミドリガメが病気になる前に対処しよう

ミドリガメは丈夫だと言われていますが、意外とデリケートな生き物です。

初めて飼育する際は特に注意しましょう。

また、ここで挙げた例以外にもミドリガメがかかる病気はたくさんあります。

今飼われているミドリガメが元気に過ごせるかどうかは飼い主さん次第です。

これからもミドリガメに愛情を注いで育ててあげてください。