動物病院に連れて行ってペットの血液検査をした時に色々言われますが、結局はどうすれば良いのか分からないことって多いですよね。
言葉も通じないペットですし、体の内部のことを言われてもイマイチピンきませんが、ペットの血液検査ではどういったことが分かるのでしょうか。
貧血
血液検査ではまず貧血かどうかが分かります。
人間よりも小さい体の持ち主なので、ちょっとした怪我の出血でも一大事になることがあります。
出血などがあればすぐに気づくことができますが、何も傷がないのに貧血になっていれば病気などが考えられます。
慢性的な貧血状態では、慢性腎不全や甲状腺機能低下などの病気になっているかもしれません。
病気以外ではノミやダニが寄生しているので、貧血になってしまうこともよくあります。
体の外だけならば飼い主でも処置できますが、腸内に寄生虫がいることでも慢性的な貧血に襲われるケースがあるので注意が必要です。
貧血の症状は飼い主でもあまり気づくことができないのが特長で、だんだんと食欲がなくなってきたり元気がなくなったりなどの症状が出た時には、慢性的な貧血に陥っている可能性があります。
血液検査では、赤血球1個当たりの大きさ、ヘモグロビン量、ヘモグロビン濃度などを総合的に検査して貧血かどうかを判断します。
脱水症状
血液中の水分量が少ないのが脱水症状ですが、赤血球の数が増えるなどの症状でも脱水症状になるので、総合的な判断が必要になります。
その他ヘモグロビン濃度とヘマトクリットの値で脱水かどうかが分かりますし、貧血や腎不全などの症状かどうかも判断基準になります。
ヘモグロビン濃度は犬の場合は5.5~8.5で、猫は9.5~15.0の値になると正常値になります。
ヘモグロビン濃度は値が大きくなると脱水症状となり、値が少ないと鉄欠乏制貧血の症状と診断されます。
ヘマトクリットの正常値は、犬は37.0~55.0で猫は29.0~45.0になります。
この基準値よりも多ければ脱水症状となりますが、その他にも多血症や腎腫瘍などと診断されます。
少ない時には貧血と腎不全の疑いがあるので、基準となる値で様々な病気になっているかが分かるようになっています。
白血球
白血球の数を調べることで、炎症や壊死などの症状になっていないかを調べることができます。
白血球はリンパ球や単球などいろいろある細胞の総称で、これらが増えるかどうかで体の中の状態がどうなっているかがすぐに分かってしまいます。
白血球の数は犬で5.7~16.3の値で、猫は4.2~15.6の値に近いと正常だと言われています。
白血球の数はとても重要で、細かく分けると5種類以上に分けて検査をするのでとても重要視されています。
白血球の数が多いと、炎症や感染などを起こしていたり、骨髄増殖性疾患の疑いがあります。
体を治そうとする働きがあるので、それが大量に分泌されている時には何らかの炎症や感染症にかかっていることが予想されます。
白血球の数が少ないと、骨髄抑制やウイルス感染など、重度の感染症にかかっていることが予想されます。
抵抗力が弱まっているので、予断を許さない状況になっているでしょう。
感染症
血液検査の中にある白血球ですが、もう少し細分化して検査するともっと色々な感染症をチェックすることが出来ます。
好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球という5つに細分化することができます。
好中球数の平均値は、犬が3.42~12.55、猫が1.47~11.7という数字が基本となっています。
この値よりも高いと、生理的反応や炎症、感染症などの症状と共に、白血病の疑いが濃くなってきます。
値よりも少なければ、骨髄抑制や重度のウイルス感染症などに犯されている可能性があります。
他には検査によって骨髄疾患や寄生虫感染などの症状もありますし、リンパ液の異常も分かるのでほとんどの症状に対して、血液検査をすることで発見することができます。
ストレス
ペットでも大敵なのがストレスですが、飼い主からすると大切に飼っているペットがストレスを感じているとは思わないかもしれません。
しかしどんな状況でも少なからずストレスを感じていますし、それが慢性的になると様々な病気にも影響してしまいます。
ストレスを受けた時にはリンパ球の数が減少します。
リンパ球の正常値は、犬は0.68~4.89、猫は0.84~8.58となっています。
このリンパ球の値が多くなると、リンパ球制白血病やリンパ腫末期の状態となっていますが、減少するとストレスやウイルス感染の状態と言えます。
その他にも好中球数、単球数、好酸球数の増減によってもストレスだと診断されるので、多くの結果にストレスが関連しています。
ストレスは多くの血液検査に影響するので、ペットの体の反応を見ることができます。
ペットの血液検査の結果を生かそう
血液検査をすることで隠れた病気を発見することができますし、重度の症状になる前に未然に治療をする事ができるかもしれません。
ペットとはいつまでも長く一緒に居たいと願っているならば、ペットの体の状態をしっかりと検査することも大切です。
ペットも年をとるにつれて色々体に変調をきたすので、健康には気を使ってあげましょう。