一口に「ヤモリ」と言っても様々な種類があります。
そして、その種類によって色も大きさも生息地も寿命もバラバラで個性的です。
似たような名前でも、その特徴は異なっています。
果たしてヤモリにはどんな種類がいるのでしょうか
ニホンヤモリ
大きさは10cm~14cmで寿命は10年程です。
体の色は灰色や褐色で、不透明で暗い色の斑点が付いています。
環境に応じで体の色の濃淡を変化させることが出来ます。
日本(本州・四国・九州・対馬)、朝鮮半島、中国東部が生息地です。
主に民家やその周辺で見られます。
どちらかというと都市部で個体数が多く、郊外になると少なくなります。
日本では原生林に生息していません。
名前に「ニホン」とついていますが日本の固有種ではなく外来種です。
江戸時代に来日したシーボルトが新種として報告したので、種小名にjaponicusが付いています。
日本に定着した時期は分かっていないですが、平安時代以降だと言われています。
現在日本の複数の都道府県でレッドリストの指定を受けています。
クモヤモリ
生息地はイラン・パキスタン・アフガニスタンなどです。
乾燥した岩場や荒れ地などで見られます。
大きさは16cm~18cmで寿命は7年~10年程です。
体の表面は全身が灰白色で、暗い色のバンド模様があります。
非常に細長い四肢が特徴です。
指の下に指下薄板が無いので、垂直な壁などを登るのは苦手です。
名前の通り蜘蛛を思わせるような動きで走り回り、昆虫類などを食べます。
海外では人気が高いのですが、日本では流通量があまり多くないため、特別人気がある種というわけではないです。
生息地の政情が不安定なのでショップへのコンスタントな入荷はありません。
ソメワケササクレヤモリ
大きさは8cm~15cm程で寿命は7年~10年以上です。
生息地はマダガスカルの南西部で、ソメワケササクレヤモリはそこの固有種です。
低地の乾燥した草原や森林、民家の庭先などでも見られます。
皮膚には小さいイボが点在します。
胴体に暗い色で縁取られた明るい色の横帯が入るタイプと、白い縦縞が正中線上に入るタイプがいます。
他のヤモリに比べ丈夫で、割とどんな環境でも順応できます。
またハンドリング(手乗り)も出来るのでペットとしての人気が高いです。
マツカサヤモリ
大きさは7cm~8cmで寿命は8年程です。
生息地はインド西部やパキスタン東部で、岩場や荒れ地で見られます。
体の色は灰褐色で正中線に平行な黒い縦縞が入っていて、縞の上には明るい色の斑点が付いています。
松ぼっくりのような形のしっぽが特徴的です。
四肢の踵下薄板が発達していないので垂直な壁などは登れません。
丈夫で飼いやすいのですが、脱皮不善を起こしやすいので飼育の際は注意が必要です。
小型で飼育しやすいのでかつては人気があったのですが、最近はあまり見かけなくなりました。
欧米ではかなり人気な種です。
ヒョウモントカゲモドキ
生息地はインド北西部・パキスタン・アフガニスタン南東部などで、主に荒野や平原、砂礫地帯などで見られます。
大きさは18cm~25cmとヤモリの中では大型です。
平均寿命は10年程とやや長めです。
飼育下では長生きする個体はあまりいないのですが、野生の場合は30年近く生きます。
体の表面は黄褐色で黒い斑点が付いています。
子供の頃は黄色と黒の明瞭なバンド模様が見られるのですが、大人になるにつれてこの模様は焼失します。
ヤモリ科ではありますが上下に開閉できるまぶたを持っています。
頭部は幅が広いので、大きめの獲物も飲み下すことが出来ます。
ニシアフリカトカゲモドキ
大きさは20cm~25cmと比較的大きく、野生のオスには25cmを越す大型なものもいます。
しかし、飼育下ではそこまで大きくはなりません。
寿命は7年~10年です。
生息地はアフリカ大陸の中西部沿岸で、荒地や岩場、ある程度湿度のある草原や森林でみられます。
体の色は薄茶色と焦げ茶色の横帯模様で、帯の境界には白い線上の模様が入っています。
ずんぐりとした体形で尻尾が短くて太いのが特徴です。
人気種ではありますが、多湿を好むのと臆病な性格からか他の種に比べ飼育が難しいです。
特に野生個体の飼育は難しいので、どうしても飼いたいのであれば繁殖個体の方をオススメします。
また、繁殖個体はオスが少ません。
ヒガシアフリカトカゲモドキ
大きさは10cmくらいで寿命は7年~10年です。
生息地はアフリカ東部でサバンナなどの乾燥気味の草地に穴を掘って生活しています。
体の大きさの割には前足が大きく見え、その前足は穴を掘るのに適しています。
体の色が褐色のものが多く、他のヤモリに比べて少し地味な印象を持つかもしれません。
人気種のニシアフリカトカゲモドキと名前が似ていますが、見た目はあまり似ておらず、少しギャップがあります。
陰性な性格をしていますが、温度管理さえしっかりしておけば飼育は比較的簡単です。
そこまで人気ではないからか繁殖化が進んでおらず、流通数しているのは野生個体がほとんどです。
色々な種類と色のいるヤモリ
いくつかの種類を上げてみましたが、この他にも沢山の種類のヤモリが存在します。
また、人気種は変わった色の個体の繁殖が進んでいるので原生色以外の個体も増えております。
原生色の同じ種であっても個体によって模様が違ったりするのでそれを楽しんでいる愛好家も多くなります。
興味のある方は一度ペットショップに足を運んでみてはいかがでしょうか。