トビネズミという動物は、ぴょんぴょんと跳ねるその姿で2000年代には一度ブームとなった小動物です。
今回は、そんなトビネズミの中でも、ひと際小さくて可愛らしいピグミージェルボアについてご紹介します。
ピグミージェルボアとは
ピグミージェルボアは、別名バルチスタンコミミトビネズミと呼ばれる小動物です。
その名の通りトビネズミという生き物は、げっ歯類ですがカンガルーのようにピョンピョンと飛び跳ねて移動します。
野生下での生息地はパキスタンやアフガニスタンの砂漠地帯で、砂に穴を掘って生活しています。
ちなみにジェルボアとは、アラビア語で大きな脚という意味です。
雑食の動物で木の実、草木、昆虫、幼虫などを食べています。
夜行性動物で、冬眠はしません。
ピグミージェルボアは非常に小さいことで有名で、世界最小の哺乳類と言われています。
大きさは3.6cm~4.7cmしかありません。
成体でも500円玉か、親指の第一関節ぐらいです。
ピグミージェルボアの性格
ピグミージェルボアはそれほど攻撃的で神経質な性格ではないようですが、大きな人間はただいるだけで脅威になります。
触ることやスキンシップをすることは、ピグミージェルボアには大きなストレス、体力消耗につながり、寿命を縮めてしまいます。
あくまで鑑賞用として楽しむペットです。
特徴としては、夜行性ということもあり、日中はほとんど寝ています。
その際に仰向けで寝る習性があるので、死んでしまったのでは?と勘違いされる方もいます。
ただ無防備に眠っているだけで心配はいらないので、そっとしておいてあげましょう。
また、ピグミージェルボアは尻尾が長いのですが、水分や脂肪をラクダのように尾にためこんでいるそうです。
野生下ではそのおかげで、厳しい砂漠の環境でも2~3日、飲まず食わずでも過ごせるのです。
ピグミージェルボアの値段、購入
ピグミージェルボアの値段については幅がありますが、2万~4万ぐらいで売られています。
購入については、2000年には一時ブームになったものの、現在はショップではほとんど出会えず、ネットで探して購入することが主流のようです。
また、感染症などを防ぐなどの目的で、げっ歯類の輸入規制法が厳しくなったことにより、さらに希少な存在となりつつあります。
購入金額も珍しくなるにつれて今より高額になるかもしれません。
ネットで購入する場合は、輸送ストレスなどで弱っている場合もあるので、購入は信頼できる業者をきちんと調べてから行いましょう。
ピグミージェルボアの寿命、健康
ピグミージェルボアの寿命は約3年と言われていますが、飼育法がよく分かっておらず難しいので、実際よりも短命になる場合も多々あります。
飼育下の健康に関しては、一番気をつけるべきなのが、温度、湿度管理です。
砂漠の乾燥地帯の動物のため、湿度に弱く、死亡してしまう時期も梅雨などが多いようなので注意してください。
エアコンなどで除湿を行う必要があるでしょう。
温度に関しては暑さに強く寒さに弱いですが、夏も体調を崩していないかよく観察してください。
温度差の激しい環境で生きていますので、日中はペットヒーターをオンにして、夜は消すという風にするとよいようです。
日中の適温は25℃前後に保ちましょう。
他に注意すべきこととしては、脚の怪我や、水分摂取などの問題です。
ピグミージェルボアは基本的の葉物などの野菜で水分を取りますが、まだ飼育上分かっていないことも多いので、本当にそれで足りているか常によく観察してあげてください。
不明な点はすでに飼育している人のネット上の観察記録などを参考にしましょう。
また、珍しい動物なので、なにかあった時に診察してくれる獣医さんを探しておくことも必要です。
ピグミージェルボアの飼育
ピグミージェルボアは砂に穴を掘る習性がありますので、できれば水槽やプラケースなどで飼育した方がよいでしょう。
網ゲージを使用する場合は脚を挟むので底網は必ずはずしておきましょう。
前者で飼う場合は湿気などの通気には注意してください。
ケージなどの下にはペットヒーターなどを敷いておきます。
ケージの中には床材として、焼き砂や赤玉土と砂を混ぜた物、木製のチップなどを入れます。
他にもエサ箱、隠れられるトイレットペーパーの芯、トビネズミの生活環境に近づけるための岩場などをレイアウトします。
給水器については野菜で水分を取るので必要ないかもしれませんが、場合のよっては必要になるケースもありますので、ネズミの状態をよく観察してください。
回し車は小さすぎて遊べないので必要ないでしょう。
エサは、主食として小鳥用混合フード、種子類、麻の実、カナリーシード、エゴマ、キビ、ヒマワリの種などを与えます。
副食には牧草、野菜、動物性タンパク質(ささみ、ミルワーム)などを与えます。
ちなみにピグミージェルボアはエサの与えすぎによる栄養過多で尻尾が太くなるようなので、食事量の目安にしましょう。
小さいのでそんなにたくさんは食べないはずです。
ピグミージェルボアの特徴を知ろう
ピグミージェルボアは、体のほとんどが頭のようで、まるで二頭身のキャラクターのように可愛らしい小動物です。
飼育方法が確立されておらず、情報も少ないので飼うのは難しいピグミージェルボア。
触ることはできなくても、その可愛らしい姿を鑑賞したい、珍しい生き物を飼ってみたいという方にはオススメのペットです。