小さくてよちよちと歩く姿が可愛く、背中の針の痛々しさとは正反対のつぶらな瞳がなんともキュートなハリネズミ。
ネットでは人によく慣れた可愛らしい写真や動画をよく見かけます。
しかし、実際に飼ってみるとなかなかなついてくれなくて、いつまでも警戒して丸まってしまう子も少なくありません。
ハリネズミになついてもらうには、どんなことを気にしてあげれば良いのでしょうか。
ハリネズミと触れ合うのは夜にする
公園でお散歩したり、お部屋の中をとことこと歩く可愛らしいハリネズミを写真などで見かけますが、ハリネズミは夜行性の動物です。
というのも、ネズミと付きますが、実はモグラの仲間です。
コミュニケーションやスキンシップを取るのは、行動が活発になってくる夜の方にしてあげましょう。
昼間は水飲みなどのために寝床から出ることはありますが、基本的には寝ていることが多いので、ゆっくりさせてあげましょう。
そして、明るい場所は得意ではないので、ストレスを与えないように十分注意します。
スキンシップを取るタイミングは、ご飯を食べからしばらくした落ち着いた状態の時が良いでしょう。
最初のうちはケージに手を入れただけで非常に警戒しますが、エサやりの時間も慣れるための絶好のチャンスです。
まずは落ち着かせる
ハリネズミは臆病な性格の動物です。
いつまでも慣れてくれないハリネズミは、なかなか警戒心を解けないような環境にいるのかもしれません。
人になつくまでにはとても時間がかかるので、まずはなつくまでの環境をしっかり整えましょう。
いきなり触ったり、外に引っ張り出そうとしたりせず、できるだけ驚かせたりしないようにします。
普段の生活ではケージを静かな部屋に置いて、慣れない間はちょっと距離を開けるようにするのも大切です。
ちょっとした音や生人の足音や生活音にもびっくりして、飼い主を威嚇することがあります。
しばらくして慣れてくれば過剰に反応することはなくなりますが、個体差や今までの生育環境によっても違うので、ちゃんと観察してあげる必要があります。
可愛いあまりについつい構ってあげたくなりますが、ハリネズミにとっては大きなストレスになることもあります。
無理やりのスキンシップは結果として懐くのに時間がかかったり、人を怖がるようになることを誘発してしまいます。
スキンシップは短めで
ハリネズミは、犬や猫のように人に懐くペットではもともとありません。
手の上でリラックスしている姿や、膝の上で目を細めている写真を見かけることもありますが、いつまで経ってに人になつかないものも多くいます。
どちらかというと「なつく」というよりは、「慣れる」とか「飼い主に心を許す」という方が正しい表現です。
最初のうちのスキンシップは5分から10分と短めにしてあげましょう。
大切なのは「だんだんと」仲良くなることです。
慣れないことにはとてもストレスに感じやすい動物なので、絶対に無理は禁物です。
最初のうちはこれでもかというほどの警戒心を発揮しますが、次第に慣れていきます。
毎日ちょっとずつ、少しずつを心がけましょう。
においに慣れさせる
ハリネズミはとても嗅覚が優れていて、においに敏感に反応します。
においに慣れさせることで、飼い主だと認識してくれます。
「このにおいは飼い主さんだ」と覚えてくれると、だんだんと慣れてきてくれます。
まず、慣れるまでは飼い主のにおいのついた服を寝床に入れるようにしてあげます。
Tシャツの切れ端なんかでも良いのですが、できればにおいがしっかりついたものが望ましいです。
飼い主のにおいに慣れてくると、だんだんとケージに手を入れても威嚇しなくなり、警戒心が和らいできます。
においで注意したいことは、香水や石鹸など、いつもと違うにおいがするとハリネズミが混乱してしまうことです。
なので、なるべくにおいのあるものは身につけないようにすることが必要です。
また、ハリネズミの針に刺されないように専用の皮のグローブをすることがあります。
しかし、グローブのにおいに慣れてしまうと、素手を警戒するので注意が必要です。
好物を与えてみる
ハリネズミが大好きなおやつはミルワームやコオロギなどです。
こうした好みのおやつを与えながらスキンシップを取ると、飼い主=おいしいものをくれる人として覚えてくれるようになります。
ただし、あげすぎると肥満になってしまうので、少量ずつにしておきましょう。
おやつをあげる時にも手のにおいを嗅がせながら与えて、飼い主のにおいを覚えてもらいましょう。
手から食べてくれたりするようなら、顎の下を触ったり、針をちょっと撫でてみたりしましょう。
嫌がる時には早めに切り上げて、そっとしておきます。
慣れてくると、気持ち良さそうな顔をしてくれるようになります。
ハリネズミのエサというのはそれほど多くの種類がなく、フェレットや犬用のフードでも大丈夫です。
しかし、好き嫌いがあったり、嗜好性が高くエサに飽きて興味を示さなくなることもあります。
あんまり興味を示さなくなったら時々エサを変えてあげたり、一度忘れてしまった頃にまたあげたりするようにしましょう。
飼い主さんのことをハリネズミに慣れてもらおう
あんなに痛い針を持っているとのに、本当に臆病で小さなことをストレスに感じてしまうハリネズミ。
いつもビクビクしているからこそ、あんなにいっぱいの針を持っているのかもしれません。
なついてもらうのには根気が必要ですが、やっぱり大切なのは飼い主の愛情を毎日伝えてあげることです。
鋭い嗅覚を利用して自分のにおいを覚えてもらい、後は「この人は優しい人だ」とハリネズミに認めてもらえるように頑張ってみましょう。