童話の世界から抜け出てきたような可愛い姿と、ゆったりした動作で私たちを癒してくれる亀。
観賞用でも満足できてしまうのですが、なついてくれたらもっと嬉しいですよね。
犬や猫じゃないのだから、なつかないのではないかと思われるかもしれませんが、いやいや、実はこれが意外になつくのです。
では亀と仲良くなれる方法をお教えしましょう。
亀は頭が悪いという先入観を捨てる
なつかないと思っている人は、たいてい「亀は頭がよくないから」という理由をあげます。
一方、長い年月にわたって亀を飼っている人たちは亀は案外頭が良いと言います。
いったいどちらなのでしょうか?
オーストリア大学の認知生物学部の研究チームは、亀(アカアシリクガメ)にはラットやハトと同様の学習能力があることを実験で証明したと言います。
たしかに犬や猫と比較したら、亀は頭が良くないでしょう。
でも学習によって身に着くことはあります。
頭が悪いから何もやっても無駄とは考えないことです。
亀と仲良くなるには、何も返ってこなくても、亀に働きかけることが大切です。
毎日エサをあげる
亀と仲良くなる一番の方法は、毎日決まった時間にエサをあげることです。
一日に二、三回、時間を決めて、同じ人が与えると良いです。
エサの前に、手を叩くとか、名前を呼ぶとか、わかりやすい合図を入れると、条件反射でそれも覚えてくれます。
一か月もすると、合図するだけで、向こうからのろのろやってきて、エサをくれと首を伸ばしてきます。
人ではなくて、エサが目的なんじゃないかと疑いたくなる気持ちも出てくるかと思いますが、人間に対する警戒心がなくなったのは事実ですから、細かいことは気にしないことです。
言うまでもないことかもしれませんが、亀も小さいうちから飼った方がなつきやすいです。
ペットショップで飼った子亀と、池で見つけた大人の亀では、人間に対する警戒心のレベルがまったく違います。
手からエサをやってみる
人に慣れてきたら、手からエサをやってみましょう。
亀は動いているものに反応するので、ミールワームみたいなものなら、本当にすぐに食べてくれます。
朝のお腹が空いたときなら、生エサでなくても、口の前にエサを差し出せばぱくりと食べてくれるはずです。
そんなに難しいことではありませんが、指をかまれる危険があるので、大きめのエサの端を持って注意してやりましょう。
亀が小さいうちは噛まれても痛くはありませんが、大きな亀にがぶりとやられたら、出血ぐらいでは済まないこともあるので注意が必要です。
種類によって危険のレベルは変わってきます。
リクガメの仲間は大丈夫ですが、ミドリガメやクサガメは大きくなると、けっこう気が荒くなります。
別に人間を噛んでやろうと思っているわけではないと思いますが、亀には手とエサの区別がつきません。
嫌なことをしない
亀と仲良くなる早道は、亀にとって不快なことをしないことです。
例えば亀は臆病なところがありますから、甲羅を掴んで持ち上げようとすると、もがいて必死に逃げようとします。
こちらは亀と遊ぼうというつもりでも、亀にとっては恐怖の体験というわけです。
いつも甲羅を掴んで持ち上げていたらどうなるでしょう。
亀には学習能力がありますから、不快な刺激から逃れようと人間を避けるようになってしまいます。
散歩させる.
人に慣れた亀に、人が歩けば、後についてきます。
つまり、うまくすれば一緒に散歩することができます。
ただ水生の亀は、散歩させる理由もありませんし、そもそも身体が陸の上を歩くようにはできていません。
散歩させるならリクガメです。
動画サイトでもリクガメと散歩している人の動画を観ることできます。
いきなり外に連れ出すのは、危険が多いので、ベランダや庭で試してみてください。
水槽で飼われているリクガメが、頭や甲羅をガラスにがんがんぶつけているのは、ストレスが溜まっている証拠です。
ときには外に出して遊んであげることがあっても良いでしょう。
愛情を注ぐこと
幸い亀は長生きですから、たっぷり時間をかけて付き合うことができます。
クサガメやイシガメ、ミシシッピアカミミガメの寿命は二十年から三十年。
亀を長年飼っている人からは、呼ぶとこちらをじっと見るとか、亀が手の上に乗ってくれるようになったとか、亀が自分の脱いだ服の中で眠るとか、驚くような話を聞くことができます。
亀がどういう思いを持ってそういう行動をしているのかは知る由もありませんが、飼い主にとってはそういう亀のひとつひとつの行動が可愛くて仕方がないのです。
長い付き合いで、お互いにかけがえのない存在になったということなのでしょう。
愛情を注ぐこと、それが一番大事なことですよね。
亀になついてもらおう
亀と仲良しになるのは楽しいことです。
しかしいくら仲良くなっても忘れてはいけないこと、それは手洗いです。
エサをあげた後、遊んだ後は洗剤でよく手を洗うことです。
特に小さいお子さんや高齢の方がいらっしゃるご家庭では、徹底するようにしましょう。