オカヤドカリの特徴とは。性格・寿命・価格を知って飼育しよう

最終更新日:2016年8月20日

オカヤドカリは、亜熱帯の海浜で生きる雑食性の生き物です。

貝殻に入って生活します。

ヤドカリの多くは水中で暮らしますが、オカヤドカリは陸上で暮らし、産卵のみ海で行います。

日本では天然記念物に指定されています。

動きの愛らしさや眼の可愛らしさ、ポイントをおさえれば飼いやすいことで人気です。

1.性格はおとなしい

オカヤドカリは大変おとなしい性格です。

人間が触れても危険性は特にありません。

同種間でも、過密飼育や貝殻がない状態などを防げば争いません。

貝殻と足とを触れさせて音を出し、貝殻が物にあたる音なども発生しますが、飼っても近隣への騒音問題などとは無縁の生き物です。

掃除の際なども殻をつかめば簡単に移動させられます。

おとなしい性質ですが「人に馴れる」わけではありません。

犬猫のように人間とふれあいたいとは別に思っていないのです。

ストレスを与えないため無用には触らないことが大事です。


2.意外に長いオカヤドカリの寿命

オカヤドカリは、自然環境下では20~30年も生きると言われます。

ただし、オカヤドカリの完全な生態は解明されていません。

人間になつくわけではないですし、魚などよりは運搬も簡単です。

よって万が一の(人の)病気などで飼育者が変わっても正しい飼育により元気に生きていけますが、

「自分が最後まで責任をもって飼えるか」を考えて購入します。

飼育環境下では、10年程度の寿命が多くなります。

3.自然での生息環境と生態

南西諸島、小笠原など亜熱帯地域にオカヤドカリは生息します。

海浜部、かつ砂や植物のある所で生活しています。

自身で貝殻を選び、成長に連れてこれを換えます。

夜行性です。

雑食性で、木の実や果実、魚などを食べています。

ヤシガニにも近い仲間で海浜の木にも登ります。

ガジュマルやアダンと共に見られることも多いです。

湿度の高い環境を好み、温度は20~30℃程度で活発に行動します。

やや暗い場所を好みます。

陸生ですが水分を必要とし、自身の行動でも水分をコントロールします。

貝殻の中に若干の水を蓄えています。

フンも貝殻内にしますが、水浴びによりこれらを洗い流し、貝殻内を清潔に保っています。

小さいうちは約2ヶ月おき、生体となっても年に1度は脱皮をします。

このときは貝殻を脱ぎ無防備で、体の表面が柔らかくなります。

身を守るため砂の中で脱皮します。

脱皮時は一週間~2ヶ月ほど砂に入り、体の外面が硬くなってから出てきます。

オカヤドカリは始終動きまわるわけではなく、植物や岩場などにひそむ時間も長い生物です。

ある程度まとまった場所に生息していても、皆が整然と同じ方向に泳ぐ魚のような群れ方はしません。

上下関係や明確な縄張りも見られず、同種同士でも原則的に争いません。

本来の自然環境になるべく近づけるのが飼育でもポイントです。


4.大まかなレイアウト、環境づくり

水槽は30cm~60cmほどのガラス製が良いです。

手軽なプラケースやアクリル水槽でも良いですが砂でキズがつきやすいです。

また雑菌の繁殖等もガラスのほうが抑えられます。

砂は、オカヤドカリ専用のもの、またはサンゴ砂を選びます。

オカヤドカリは砂中で脱皮し、それ以外でも砂によく潜ります。

また砂や海水からミネラルを得ているので砂選びはきっちり行います。

脱皮の関係上、砂は殻の3倍以上の厚さに敷きます。

さほど学ばず飼育している人がオカヤドカリを長生きさせられない原因で多いのがこの「砂の厚み」の問題です。

成長につれ貝殻を換えていく生き物なので、貝殻も複数入れます。

オカヤドカリ自身が選べるように色々な貝殻を入れます。

貝殻を換えられずに死ぬこともあるので複数の貝殻常備は必須です。

隠れ家もつくってあげます。

流木や岩が利用できますが、オカヤドカリの力で動かされることも考慮します。

必須でないですがオカヤドカリ飼育に慣れたらアダンやガジュマルなど植物を入れても良いです。

木を登る習性もあるので、ガラス水槽のコーナーのシリコン部を登ったり、コード類などをつたっての脱出事故も起こりえます。

このためフタを用意します。

しかし過剰に塞ぐと酸素不足・湿度過剰になってしまいます。

本来の生息地は、湿度はあっても、風があってさわやかな環境です。

脱出の心配がないときなど、時々換気もすると良いです。

汲み置きの真水を入れた水場を作ります。

これは専用のものや陶器、小型プラケース、二枚貝の殻などで作ります。

オカヤドカリは自分で好きな時ここに入ります。

水場の大きさは、オカヤドカリが貝殻を含めすっぽり入れるぐらい。

フンなどもこの水に洗い流すので清潔にします。

人工海水を入れた水場もあるとなお良いのですが、ここから海水がこぼれていると砂の塩分に影響し、脱皮に問題が出ます。

「時々置く」ぐらいでも良いです。

海水は蒸発により塩分が高まるとオカヤドカリに害なので真水を足すなどして薄めに調整し、長く放置しないようにします。

オカヤドカリの密度は、大きさによりますが30cmで3-5匹までにします。

過密となると場合によっては共食いしたり、砂に潜っている個体を把握できなくなったりします。

5.温度と湿度を管理する

南西諸島の海浜部、あるいは付近の森などに彼らは暮らしています。

水槽内は20-30℃程度の温度とします。

ヒーター等を用いますが、できるだけオカヤドカリ自身で調整できるよう、均一に温めないのがより良いです。

適温を僅かに超える分には問題がありませんが、その状態が長くなるとオカヤドカリは死んでしまいます。

冬場には少なくとも18-20℃以上に保温し、夏場も過剰な暑さを避けます。

熱帯魚のようにピンポイントで1-2℃の温度調整は要りませんが、おおよそ20-30℃の「範囲」で管理します。

湿度に関しては、砂を霧吹きで湿らす(汲み置きの水を使用)ことをメインとして調整します。

60-80%とします。

水場の設置状態も湿度に関係します。

「温湿系」「湿度計」は必須です。

これはオカヤドカリが主にいる高さに設置します。

砂はあくまでも「表面を湿らす」程度とします。

砂は湿らせないとする飼育家もいますが、その場合でも湿度だけはキープします。

沖縄県内など本来の生息地に近いところで飼うなら温度は管理不要の場合もあります。

また温室内に水槽を置く管理法もあります。

注意点として、年中空調を効かせている場所では「温度」は管理不要ともなりますが、エアコンや冬場の乾燥(湿度管理)に気をつけます。


6.エサ

オカヤドカリは雑食性で、魚や肉、果実、野菜、穀類などよく食べます。

ポップコーンを好むことでも知られます。

人間の食べるものの多くがOKですが、刺激の強いものは避け、農薬にも注意をはらいます。

加工品や強く調味したものより、洗っただけの食材や加熱して冷ました程度のものが好ましいです。

ポップコーンに関しては敢えてはあげないのが良いです。

専用フードも販売されています。

ペット全般には専用フードのみで育てるのが良い生物も多いですが、オカヤドカリではそうではなく、色々なものを与えるのが良いです。

嗜好性の意味でも単一の食べ物では食べてくれない場合があります。

オカヤドカリは小食です。

一日に米粒1-2個程度の量しか食べないことや、体調の関係から何日か食べないことも。

エサは、エサ入れの皿に入れてあたえます。

砂に落ちた残りえさによる環境悪化にも気を配りましょう。

犬猫など毎日えさを食べる動物の感覚で考えないようにします。

食べないからと無理にえさを近づけたりしてもダメです。

環境を整えてまずは落ち着いてもらい、静かに彼ら自身のタイミングでえさを食べてもらいます。

7.掃除

自然環境では浄化作用が働きますが、オカヤドカリを入れた水槽ではどうしても砂が汚れてきます。

このためピンセットやトングを使って砂に落ちた残りえさやその他ゴミの処理をこまめに行います。

砂は時々洗って天日干しすると良いですが、あまりに頻度が高いと脱皮の妨げとなります。

脱皮中のオカヤドカリを掘り返すと死に直結します。

砂洗いの頻度には様々な意見や方法がありますが、2ヶ月に1度程度でもキープできます。

冬場(あるいは年中20-25℃程度の環境)はそう神経質にならなくても良いです。

現実問題として清潔ならば、年に2,3回でも良いです。

また、「サブ」の砂と飼育水槽を用意しておき、オカヤドカリをそちらに全て移したうえで砂の丸洗いをし、

全て整ってから戻すという手法も有ります。


8.価格

オカヤドカリはサイズや色などにより500円~2,000円程度で売買されています。

なお天然記念物のため偶然発見したオカヤドカリを採集したりはできません。

許可を得ている業者や研究者のみ行なえます。

オカヤドカリは、寿命などに比してやや安価といえます。

とはいえ飼育設備だけはしっかりと整えたうえで飼い始めるのがポイントです。

オカヤドカリの特徴を知ろう

オカヤドカリは、主に「水槽と砂、水場、温度と湿度の管理」に気を配れば、簡単に飼える生物です。

沖縄などの海浜をイメージし、なるべく自然環境に合わせてあげることで快適に長生きしてもらえます。

かわいく安全だからと不必要に触らず、落ち着いた環境で暮らしてもらいましょう。

一昔前では主にお祭り等で売られ、何の知識もないまま飼われてしまう状況なども見られましたが、

正しい知識を持ち本来の生息環境を意識して、大切に飼ってあげたいものです。

購入の前にまず飼育環境を学ぶのも重要です。

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