淡水魚を飼育するときに、水槽内のコケや食べ残したエサのお掃除をしてくれる頼もしいタンクメイト・淡水エビ。
その理由もあって、飼ってみたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、淡水エビには色々な種類が存在しているため、どの種類を飼えば良いかイマイチ分からないですよね。
そこで今回は、淡水エビの種類と、それぞれの特徴をご紹介します。
ヌマエビ
淡水エビは基本的に、三種類に分けられます。
水槽でコケ処理などに大活躍してくれるタンクメイトは、「ヌマエビ」に属するエビたちを指すことが多いです。
日本産でペットとして流通しているヌマエビは、ミゾレヌマエビ・ヤマトヌマエビなどが有名です。
ミゾレヌマエビは西日本や沖縄諸島に生息するヌマエビです。
大きさは1センチ以下のものから、大きくなると2~3センチに成長します。
ヤマトヌマエビは、海に近い汽水域でよく見られる大型のヌマエビです。
大きさは4センチくらいに成長するものもいます。
赤い斑点みたいな背中の模様が特徴です。
海水域へ移動して卵を産む習性があるため、淡水の飼育下では繁殖ができません。
ヌマエビ類は、水草に生えてきたコケなどを千切りとって食べてくれます。
ただし、コケの少ないキレイな水槽の中で大量に飼っていると、エサ不足で水草そのものを食べてしまうので、注意しましょう。
日本産の野生ヌマエビ
日本に生息する野生ヌマエビには、本州中部・北部に生息するヌカエビ、西日本に生息するミナミヌマエビがいます。
大きさや見た目はミゾレヌマエビによく似ていて、見分けが難しいです。
水槽内の水質や温度などの環境が整っていれば、どんどん卵を産んで増えます。
どちらも温厚な性格で、コケをよく食べてくれるタンクメイトとして最適の種ですが、住める環境が少なくなり、地域によっては絶滅危惧種に指定されています。
一部繁殖したものをペットショップで販売している場合もありますが。
これらの種を取り扱う時には、飼育可能な条件が整っているかを事前に確認してからにしましょう。
スジエビ
スジエビは小型のテナガエビの仲間です。
関東では「モエビ」、関西では「シラサエビ」と呼ばれています。
小川などにもたくさん生息し、生エサとして釣りに使われることもしばしばです。
ヌマエビと異なり肉食で、コケ処理には適しません。
成長すると3~5センチの大きさになります。
しかし、小さい固体だとヌマエビと見分けが難しく、間違って飼育してしまうトラブルが起きやすいです。
その場合、スジエビは横縞模様が特徴で、黒い横筋が全身に走っているかどうかで見分けます。
また、触角や足が長く、先端が小さなハサミのような形をしています。
分かり辛い時は、虫眼鏡などで細部を観察してみると、だんだん違いが理解できるようになります。
テナガエビ
テナガエビは、熱帯や温帯地域に多く生息しています。
日本だと、南西諸島や沖縄地域に種類が多いです。
その名の通り、第一歩脚がとても長く、大きなハサミみたいな形状をしています。
体長は種類によって異なりますが、大きいものだと20センチになるものもいます。
肉食で、魚の死骸や水生植物を好んで食べます。
エサが少ない環境だと、水草を食べる場合もあります。
淡水域で卵を産みますが、幼生はプランクトンを食べて成長するため、海水域でないと成長できません。
また、夜行性のため、昼間は岩陰に隠れてじっとしています。
そして、縄張り意識も強く、狭い場所での飼育には適しません。
外来種
海外からやってきた淡水エビの種も流通しています。
ペットショップで人気のビーシュリンプなどは、完全に外来のエビです。
赤と白のコントラストが特徴の人気の品種で、雑食性でよく食べ、水槽のコケ処理にも適しています。
体の模様によって値段が違うなど、デザイン性も重視されたヌマエビの仲間です。
また、ザリガニも、定義の上ではエビの仲間とされています。
外来種として国内に広がり、日本で確認される淡水性のザリガニはほとんどアメリカザリガニになってしまいました。
飼育する際には野生に逃がさないなど、基本的なマナーが問われます。
大きなハサミを持ち、肉食で攻撃的な性格のため、取り扱いには注意が必要です。
淡水エビたちは混泳できる?
ヌマエビはコケを食べてくれる生物なので大人しく、メダカや小魚などとの混泳が可能です。
でも、大型の魚や肉食性の魚と一緒に入れておくと、食べられてしまいます。
また、ヌマエビと他のテナガエビを一緒に水槽に入れると、ヌマエビが食べられてしまう恐れがあるのでオススメできません。
小魚も同様で、大型のテナガエビと混泳させると食べられてしまいます。
テナガエビ同士でも、エサが少ないと共食いをすることがあるため、充分に整った環境が必要になります。
肉食か雑食かで大きく分かれる淡水エビ
飼育する淡水エビとして扱いやすい種は、草食や雑食のヌマエビ類です。
肉食のエビを飼う時には、扱いやエサの割合に注意して、単独で飼育する方が安全でしょう。