皆さんも、テレビや動物園で群れをつくり生活している、可愛らしい仕草のプレーリードッグを1度は見たことがあると思います。
彼らは北アメリカの草原地帯(プレーリー)や、サバンナを生息地としているネズミ目リス科の動物になります。
ドックと言うぐらいなので犬の仲間かと思いきや、実はリスの仲間なのです。
名前(プレーリードッグ)の由来は“草原(=prairie)の(キャンキャン鳴く)犬(=dog)“から来ています。
そんなプレーリードッグの中でも種類が多く、一般的なオグロプレ-リードッグをメインに性格や特徴などについてご紹介します。
集団動物ならではの仲間思いの人なつっこい性格
プレーリードッグは草原に穴を掘った巣穴で、複数の家族と暮らす集団性の動物です。
野生ではエサを分けあったり、毛繕いをしたりと仲間と協力して生活をしています。
とても社会性のある動物です。
キスをしたり仲間と挨拶したりもします。
また、敵・味方を判別する能力が高いため、ペットとして小さい頃から飼育していると飼い主の顔を覚え、慣れると人間の膝に乗ってくるほどの人懐っこさを見せます。
また同時に、普段仲間との集団生活をしている彼らはとても寂しがり屋です。
1匹にしておくとストレスで自咬症になり、自分を咬んだりして傷つけてしまいます。
寂しくてストレスにならないよう毎日遊んであげること、または何匹か集団で生活させてあげることが重要になります。
しかし、オス・メスだと繁殖してしまいます。
繁殖を望まないのであればメス・メスで飼うのがベストです。
オス・オスだと相性が悪い場合にお互いを殺し合ってしまうことがあります。
警戒心の強い動物
プレーリードッグは人懐っこい面もありますが、野生で生活していくために必要な警戒心の強い一面も持っています。
草原では巣穴の周りに見張り台を造り、交代で見張りをたてます。
巣穴の周囲を見張り役が警戒し、コヨーテやアナグマなどが近づくと、その名の由来となった犬のようなキャンキャンという鳴き声で、敵の存在を仲間に知らせます。
この鳴き声を聞くと、仲間は皆一斉に巣穴に逃げ込んでいきます。
鳴き声には警告を知らせるだけでなく、コミュニケーションをとったりするための鳴き声など、いくつかパターンがあると言われています。
昼行性で活発
プレーリードッグは昼行性で日中に地上で活発に動き回ります。
ただし、昼間は暑さを避けるので朝・夕に活発に活動をします。
プレーリードッグが多く生息している北アメリカのプレーリーという草原地帯の夏の平均気温は20℃程度なので、20~28℃でプレーリードッグは快適と思います。
人間も同じような温度で快適と思いますので、飼育の際は自分が快適と思う室温を目安にしましょう。
冬眠はしませんが、気温が15℃以下と寒くなってくると、運動量が低下し常に眠っているようになります。
さらに悪い状態になると、仮死状態になる場合があります。
また、プレーリードッグの運動量は意外と高く、草原でのびのびと暮らしていたことが窺えます。
体長は30~40cmと結構大きいので、飼育するのであれば広めのケージが良いでしょう。
爪が鋭くなんでもかじる
プレーリードッグは地中に穴を掘り巣穴としています。
地中を掘るために、その手の爪はとても鋭くなっています。
野生では爪を削る機会がありますが、飼育していると爪が伸びすぎてしまう場合があります。
爪の伸びすぎで爪が折れてしまい、流血してしまうことがあるので注意が必要です。
もし飼う場合には適宜爪切りをしてあげましょう。
また、イネ科の牧草を主食としていますが、鋭い歯を持ち、かじることが大好きです。
かじるという動作によって(他のネズミ目がそうであるように)永久に伸びていく歯を削り、長さを調整していると考えられています。
しかし、何でもかじってしまうので、人間と暮らしていると、ケージの金網や家具、電気コードなどもかじってしまいます。
電気コードはとても危険です。
ケージから出して遊ばせるときは気をつけましょう。
プレーリードッグの繁殖
プレーリードッグは野生ではオス1匹に対してメス4匹程度で家族を作っていると考えられています。
繁殖期は1~4月で、繁殖期になると性格が激変し、噛みついたりしてきます。
妊娠期間は33~38日で、1回の出産で1~8匹(平均3匹)程度子供を産みます。
産み落とした後、母乳によって育てられますが、この時期のメスは他のメスに対してとても攻撃的になります。
子供が十分に大きくなってから巣穴から出てきますが、そのときにはメスの性格も落ち着き、同じ巣穴に住む他のメスから母乳をもらうことがあります。
メスは一生自分の産まれた巣穴から出て行きませんが、オスは十分大人になると自分の巣穴を求めて巣立っていきます。
集団生活を送るプレーリードッグ
プレーリードッグはリスの仲間では珍しい集団生活を送る動物です。
その社会性の高さは人に慣れることでも窺えます。
また同時に、彼らには草原地帯で天敵と戦いながら野生でたくましく生きてきた実績が遺伝子に組み込まれています。
可愛らしい仕草も、鋭い爪や歯もプレーリードッグの特徴で彼らの個性です。