アカテタマリンは、マーモセットなどと並んでペットとして人気の高い小型の猿です。

愛嬌たっぷりの姿や、変わった手の色が愛好家たちの垂涎の的となっていますが、日本ではあまり有名な種類ではなく、数も少ないです。

アカテタマリンがどのような特徴を持つ動物なのかご紹介します。

アカテタマリン

アカテタマリンとは

アカテタマリンは広鼻猿類オマキザル科に分類される小さい猿の仲間です。

全身は黒く長めの体毛に覆われていますが、手の部分だけは手袋をはめたように赤みのある黄色をしているため、この名前が付きました。

学名には、ギリシャ神話に登場する王、ミダース(マイダス)の名前が付けられています。

ミダースは触れたものすべてを黄金に変える力を持つ不思議な手を持っているという伝説を持つことから、アカテタマリンの独特な手の色と結び付けられました。

広鼻猿類は南米を中心に生息する種類であることから、別名「新世界ザル」と呼ばれます。

北米中部・南米地域に広く分布して生息しています。

高温多湿な熱帯雨林などの環境を好みます。

アカテタマリンの特徴・習性

広鼻猿類に属するアカテタマリンは鼻が低く、平べったい顔をしているのが特徴です。

尖った大きな耳を持っています。

手には樹に捉まりやすいように、鋭い鉤爪が生えています。

また、体よりも長い尻尾を器用に使って枝を掴みます。

基本的に高い樹の上で一生を過ごすため、地上には滅多に降りません。

手は木の枝や蔓を掴むために発達していて、樹上ではとても素早く動けます。

行動範囲は狭く、住処から半径500mくらいのエリアで生活を営みます。

縄張りを主張するときには、生殖器付近から出す特殊な匂いの体液でマーキングを行います。

地上の猛獣に襲われる危険は少ないですが、樹に登ってくる動物や猛禽類、ヘビなどに襲われやすい傾向にあります。

体長は約20~30cm、さらに尻尾の長さが25~44cmほどあります。

体重は400g~550gくらいです。

昼に活動する性質で、樹上で手に入る食物は何でも食べる雑食性です。

木の実や昆虫、小動物や鳥なども捕食します。

アカテタマリンの性格

警戒心が強く、初めて見るものには近付こうとしません。

でも本来は好奇心の強い性格で、環境に適応してくると、あらゆるものに興味を示します。

視力もよく、人間の顔を識別する能力も高いので、丁寧に世話をすることでよく慣れます。

しかし環境の変化に弱い一面もあるため、購入時や長期の移動の際には弱りやすい傾向があります。

小さな頃から人間に慣れさせて育てると、エサを催促したり体に飛び乗ってくるなど、可愛い一面を見せます。

高い場所や広い場所で遊ぶのが大好きです。

飼い主や仲間とのびのび過ごせる環境で動き回ることでストレスを発散します。

縄張り意識はそれほど強くなく、近くに家族以外の個体がいても、特にケンカもなく大人しく生活します。

個体によって食べ物の好き嫌いが激しい傾向が強いです。

アカテタマリンの生涯・寿命

タマリンの仲間は、オスよりもメスのほうが立場が強い傾向にあります。

一匹のメスが複数のオスと交尾する一雌多雄制で家庭を作り、3~10頭ほどの群れを作って暮らします。

中には、40頭以上の家族が集まって大きな群れを作る場合もあります。

メスは妊娠してから4~5か月で出産し、一度に1~3頭の子供を産みます。

タマリンの仲間は双子を産むことが多いとされています。

子育ては家族内で広く協力して行い、父親だけでなく一緒に暮らす他のオスや若い個体も赤ちゃんの世話をします。

子供は生まれて2か月で大人と同じエサを食べ始め、二年ほどで大人になります。

アカテタマリンの寿命は、野生のもので約10年です。

飼育されている個体は平均15年くらい生きます。

中には18~20年生きたものもいます。

値段・入手方法

小型の猿の中ではアカテタマリンは珍しい種類で、大型のペットショップや専門店などで購入できますが、数が少ないです。

国内で繁殖もされているため、ブリーダーや里親募集で手に入る場合もあります。

ネット通販やオークションでも販売されていますが、写真だけでは個体の状態を確認するのが難しいため、自分で様子を見に行ける条件があるものを選ぶと良いです。

また、乗り物などの長期移動はアカテタマリンにとって大きなストレスや負担になるため、できるだけ家から近い場所での購入が望ましいです。

値段は一匹40万~60万円程度で販売されています。

オスメスがペアで売られている場合もあります。

アカテタマリンの特徴を知ろう

アカテタマリンは人懐っこく大人しい猿ですが、ストレスを溜めやすく、ちょっとした環境の変化で体調を崩したり、弱ってしまうことがあります。

猿の生活ペースに合わせて、ゆっくりと接することが大切です。

思いやりを持って飼育することで、アカテタマリンは飼い主の良いパートナーになってくれます。