愛くるしい見た目と独特の仕草でペットとしての人気も高まっているチンチラ。
しかし、チンチラについて詳しく知っている方は多くないのではないでしょうか。
今回はチンチラを飼育する上でのポイントをご紹介します。
室温を20度程度に保つ
室温を20度付近に保つようにしましょう。
チンチラの体は高い保温性を持った毛で覆われていて寒さに強いのですが、体温の調節が苦手なことも相まって暑さにはとても弱いです。
チンチラにとっての適温は15度から22度くらいです。
エアコンでの室温調整が必須といえます。
風通しがよく直射日光の当たらない場所にケージを置くのも良いでしょう。
暑さに比べて寒さに関しては、よほど室温が低くならない限り神経質になる必要はありません。
ただし冬の夜中などで室温が極端に下がることがある場合はエアコン、パネルヒーターなどで暖めてあげましょう。
チンチラは湿度の高い環境も苦手なので、エアコンや除湿機を用いて部屋の湿度を30%から40%程度に保ちましょう。
干し草を主食として与える
アルファルファという、豆科の植物を干した草を餌として与えるとよいでしょう。
アルファルファは高繊維質でありながらチンチラが必要とする栄養素を十分に含んでいるので、干し草の中でも特にオススメします。
チモシーを与えるのが良いときがあります。
チモシーはアルファルファと比べると栄養価では劣りますが、繊維質が高くお腹に優しいので、チンチラが下痢をしてしまったときの食事に適しています。
干し草、特にチモシーだけでは栄養が不足することがあるのでペレットも食べさせましょう。
チンチラ専用のペレットが入手できるのが理想ですが、そうでない場合は他の小動物用のペレットで代用は可能です。
その場合は脂肪の多い製品は避ける必要があります。
チンチラの体は脂肪の分解が苦手なので、肥満の原因になり、危険です。
ケージには遊び道具も忘れずに
チンチラは非常に高い跳躍力を持ち、活発に動き回るので、ある程度の高さと広さをもったケージを用意してあげましょう。
自由に動き回れる環境は、チンチラのストレス軽減や運動不足の解消に役立ちます。
ケージ選びを飼い主側の視点で考えると、キャスターのついたケージは移動させやすく、引き出しつきのものは掃除がしやすいという利点があります。
ケージの底にはトレーなどの一枚板を置いて、床材となる牧草かチップ材を敷きます。
ケージの中には巣箱やエサ入れだけではなく回し車、トンネルといった遊び用具も入れてあげましょう。
可能であればケージの高い位置に棚もつけてあげると、チンチラが棚に上る姿などを楽しむことができます。
砂浴びも大事
チンチラを健康に保つために、少なくとも砂浴びを毎日5分から10分させるのが理想です。
毎日というのが難しいなら、最低でも週に一回はさせてあげましょう。
特別なことをしなくても、砂が入った容器にチンチラを入れてあげれば体を砂にこすり付ける姿が見られるはずです。
砂浴びに必要なものは専用の砂と容器です。
容器はチンチラと砂が入れる程度の大きさがあれば特に意識しなくてもいいのですが、蓋がついているものなら砂が飛び散るのを防げるので掃除が楽です。
砂浴びに使う砂はチンチラサンドやチンチラダストという名称で専用のものが販売されているので、それを使いましょう。
病気の予防について
チンチラは適切な環境と食事を与えれば病気にかかることはあまりありません。
しかし、日ごろから病気の予防に努めることがチンチラと長く付き合うためには必要です。
チンチラの身の回りを清潔に保つように心がけましょう。
特にエサ、飲み水、ケージの敷材は毎日取り替えるようにします。
砂浴び場はトイレとして使われるといけないので、砂浴びの時だけ設置するという手段があります。
また、チンチラは夜行性で昼間は寝ていることが多いので、できれば昼間はそっとしておいてあげましょう。
水分の多い野草や生野菜は下痢の原因になるのであげないようにしましょう。
スナックなど塩分や糖分の多いものは厳禁です。
歯の伸びすぎにも注意が必要です。
干し草だけではなく、かじり木やかじり石を用意してかじらせましょう。
その他のチンチラを飼う際の注意点
チンチラをケージの外で遊ばせるときは危険になりそうなものをできるだけ除去しておきましょう。
チンチラは好奇心旺盛で何でもかじります。
特に電気コードをかじられると、事故につながる可能性があり大変危険です。
万が一病院に連れて行くことがあれば、運搬方法にも気をつけなければいけません。
キャリーケースの中は温度が高くなりやすいので、氷を入れるなどの対策が必要になるでしょう。
また、キャリーケースから出すときなどには逃げられないように注意してください。
彼らは非常にすばしっこいので捕まえるのが大変です。
チンチラを上手に飼育しよう
チンチラは病気には強いのに日本の気候ではエアコンが必須であったり、食事についても注意するべき点が多いなど意外と飼育が難しい生き物と言えます。
それでも正しい知識を持って適切な方法で飼ってあげれば、平均寿命は10年から15年、長い子で20年生きられるのでたくさんの思い出を作ってくれることでしょう。