ペットとして飼育されている動物には犬や猫の他に、カブトムシやクワガタムシ、爬虫類など様々な動物が挙がっています。
しかし、動物であれば何でもペットとして飼育できるのかといえば、それは間違いです。
一部では飼育が原則として禁止されている動物もいます。
そこで今回はペットとして飼うことが法律上禁止されている動物についてご紹介します。
ブラックバス
ブラックバスはよく外来種の魚として知られていますが、実を言えば飼育が禁止されている種類でもあります。
その理由は特定外来生物に指定されており、飼うには環境省へ申請をし認可を受ける必要があるからです。
ブラックバスは肉食魚であり、湖などに棲息している生物は言うまでもなく、他の小さな動物も食べる場合があります。
またブラックバスを食べる生物が少ないので、数が減少しにくい状態となっています。
以前からこの種類が増えないように様々な手段が取られていますが、効果が発揮されていないというのが実情です。
ブラックバスに似た種類であるコクチバスもブラックバスと同じ扱いを受けていて、原則飼育は禁じられています。
どうしても飼育したいという場合は事前に行政からの許可をもらう必要があります。
専用の用紙に必要な項目を記入するなどのプロセスを経て、証明書をもらって初めて飼育することができるようになります。
アライグマ
周知されている哺乳類の一つにアライグマがいますが、この動物も特定外来生物に指定されており基本的に飼育してはならないとされています。
アライグマは植物だけではなく他の動物も食べるために生態系への悪影響が心配されています。
事実、本来棲息している動物を捕まえて食べるというケースが発生したことがあり、食べられた動物には絶滅危惧種の動物も含まれています。
ペットとして飼ったものの、飼育できなくなって捨てたことが原因となっています。
動物園で飼育されていることがあるので可愛いというイメージが強いですが、在来種や農作物に被害を与えている動物でもあります。
また病気になっているものも存在すると言われています。
オオサンショウウオ
保護の対象になっている動物も飼育の制限の対象になっていて、オオサンショウウオがその動物の例として挙がっています。
オオサンショウウオは特別天然記念物に指定されています。
このオオサンショウウオは大型の個体であれば1メートルを超えることがある両生類であり、寿命が長く10年は余裕で生きるとも言われています。
この両生類は生きた化石と呼ばれる動物でもあり、人間が存在する前から生き続けています。
しかし、年月の経過とともに開発が進みオオサンショウウオの棲む場所が減るようになっていきました。
またこの両生類と酷似した種類のサンショウウオもいて、その種類との交配種が多くなっていることから、純血のオオサンショウウオが少なくなるという懸念もあるとされています。
なお、国によってオオサンショウウオが棲息している場所として定められている地域があります。
ツバメ
野鳥は特定の場合を除き飼育することは法律で禁止されていて、ツバメもその鳥類に含まれています。
国内には鳥獣の保護に関係する法律があり、保護のみならず動物の狩りに関しても記載されています。
法律に違反した場合のペナルティもあるので、安易に飼育しようと考えるのは禁物です。
保護の目的であっても、あらかじめ役所に連絡して然るべき措置を講じておく必要があります。
弱っている雛を見かけるケースが存在しますが、保護の仕方もツバメの状況によって異なる場合があるので、状況に合った方法で保護することが重要です。
テナガコガネ
飼育が禁じられている対象は昆虫にも及んでいて、テナガコガネもその昆虫に含まれています。
テナガコガネは外国産のコガネムシであり、外に逃がすと生態系に影響を与えるというのは言うまでもないことです。
国内には元々棲息しているテナガコガネの仲間が存在していて、その昆虫と交配することを防ぐために飼育禁止の対象になったとされています。
ちなみに、その昆虫は国によって保護される動物の対象になっています。
実際に飼育して逮捕されたケースもあるので、国の許可をもらわずに飼育することがないように注意することが大切です。
マムシ
原則飼育が禁止されているのは、指定された外来種や国による保護の対象になっている種類だけでありません。
毒を持っている動物など他人に害を与える可能性がある動物も法律により飼育の制限がされています。
マムシもその動物であり、行政からの許可がない限り無断で飼育することができません。
また、許可を得た場合でも管理が不適切であると取り消されることがありますし、違反したときは罰金などが科されます。
行政からの許可を取って飼育できるようになったとしても咬まれるリスクがあるので、咬まれないように気をつけることが重要です。
飼うことが法律で禁止されている動物たちを知ろう
以上に列挙した動物以外にも基本的に飼育が禁止されている動物はいます。
ただ、外来種においてはその動物が悪いのではなく野外へ逃がした人間に責任があります。
個人的な理由で逃がすことは在来種だけではなくルールを守って飼育している人にも迷惑をかけます。
ペットを飼育する場合は、逃がさないできちんと世話をすることが大事です。