ラムズホーンは、インドヒラマキガイの別名で、淡水で容易に飼育できる小型の巻き貝です。

有肺類といってカタツムリと同じ仲間に属します。

愛らしい姿と良くコケを食べる性質で古くから親しまれています。

ラムズホーンのアルビノ種を元に改良されたのがレッドラムズホーンです。

価格・入手方法

1匹100円~200円相当で、数匹や十匹などでまとめて売られていることが多いです。

また、水草などを購入した場合に稚貝や卵塊が付いていることもあります。

レッドラムズホーンの寿命は約1~2年です。

飼育・えさ

15~30℃ほどの淡水で飼育でき、水質は弱酸性~弱アルカリまで大丈夫です。

大半の淡水熱帯魚、あるいは室温飼育でのメダカ・金魚水槽、室内ビオトープにも対応します。

魚や水草を既に飼育・育成している場合、特にラムズホーン用に飼育装置を工夫する必要はありません。

強いていうとヒーターで熱傷を負う事故が起きうるのでヒーターカバーを用意します。

水槽内に魚や水草があるなら、レッドラムズホーン向けのえさは必要がありません。

魚が食べ残したえさやフン、老廃物などで十分に生きていきます。

レッドラムズホーンのみ飼育の場合では熱帯魚や金魚などの乾燥飼料を与えます。

えさに困れば彼らは水草も食べられますが、優先的に食べていくことはないので水草水槽にも向きます。

繁殖

何もしなくても繁殖が起き、殖えていくことも多いのがレッドラムズホーンです。

自然環境下でも繁殖力の強いことで知られます。

雌雄同体で、受精卵がある場合一匹の入手でも殖えていくことがあります。

水のPHが高い(弱アルカリ性に傾いている)と、よく繁殖する傾向となります。

貝類はミネラルを求めるので硬水(一般にアルカリ性である)でよりよく生育し繁殖もしやすくなります。

PH7以上では特によく繁殖します。

6.5以下など酸性よりではさほど殖えません。

ともすると手におえないほど殖えてしまい、スネール(飼いたくないのに殖えてしまう貝類)等と同じ扱いになってしまう状況も。

このため、飼いたくない時は水草購入時などに稚貝・卵塊の付着がないかチェックします。

レッドラムズホーンのみで飼育・繁殖するときは、まずはサンゴ砂などを使って水のPHを上げて(アルカリ寄りとして)繁殖させます。

その後十分なだけ殖えたら、換水頻度を抑えて弱酸性の水にする、等で繁殖を調整できます。

稚貝は特別なケア無しで成長します。

親に食べられて殖えない等の心配もありません。

外来種ですが国内の自然環境下でも増えやすく、低温でも耐えられるので放流などは決してしてはいけません。

特徴・性質

レッドラムズホーンはおとなしく、魚やエビに害を与えることはありません。

魚の死骸などを食べることはあります。

その他水槽で飼われる生物一般にも基本的に無害です。

コケを食べる生物は何種かいますが、本種では場所をそれほど問わずコケを食べ、また茶色のコケを好みます。

レッドラムズホーンを食べる魚

アノマロクロミス・トーマシーというシクリッドや、フグ類(特にアベニー・パフィーなど)は貝を好みます。

殻サイズが口に入らなくても攻撃して食べます。

これらとの混泳は不可です。

また、グーラミィ各種、チェリー・バルブ、バジス・バジス、クラウンローチなどもレッドラムズホーン(特に稚貝)を食べることがあります。

この他でも、ラムズホーン(2cmほどまで成長)が口に入る魚では、特に好むのでなくても食べてしまうことがあります。

大型で、ガラスや岩をよくつつく魚も同様です。

全体としては、レッドラムズホーンを食べる魚・攻撃する魚は非常に少ないです。

殖え過ぎに注意

ラムズホーンの仲間は繁殖が容易ですが、逆に殖えすぎて困ってしまうことが有ります。

手で間引きするか、ラムズホーンを食べる魚で処置するなどします。

ガラス面などにつくゼリー状の卵塊はコケなどに使うスクレイパーで取ることもできます。

流木を入れるとか、水換え頻度の変更などでPHを下げていけば殖え過ぎを防げます。

ただし魚やエビの好みもあるので注意します。

殖えすぎると人によって美観を損なうと感じられる他、排泄量も増し、水槽バランスが崩れてしまいます。

殖えてえさ不足となれば水草も食べられてしまいます。

コケ取り用に飼いはじめた貝が、結果的には水質悪化を招きコケを殖やしてしまうことにも…。

魚を使う間引き法では、その魚自体が他個体に害をおよぼさないか考えます(トーマシィは攻撃性があり、フグ類も他魚のヒレをかじるなどがある)。

またPHでの繁殖抑制では「6.0」を切り酸性になると適応水質幅の広い魚でも生きていかれないことが多いです。

取り除いたレッドラムズホーンは飼えないなら捨てなくてはならず、放流はNGです。

また、屋外に水槽や鉢、ビオトープなどを設置しているときは、雨などで本種が流出しないかに気を配ります。

流れ着いた先の川で繁殖といったことも考えられます。

他のコケ取り生物とも比較して飼育開始する

レッドラムズホーンの美しさもふまえて本種を飼育したい人も多いことでしょう。

一方でコケ取り能力メインで考えるなら、他の貝やエビ、魚などとも比較して、入れるべきかを考えます。

例えばイシマキガイでは一般に水槽内での繁殖は起きません(まれに産卵しても実際には殖えない)。

コケも様々の種類があるため複数のコケ取り屋を入れておくのは良いのですが、ラムズホーンが殖え過ぎないか・殖えたらどうするか考えておきます。

卵胎生メダカメインの飼育などで水槽をアルカリ寄りにしている人は特に注意です。

レッドラムズホーンの特徴を知ろう

非常に簡単に飼育できてコケとり能力も高い貝です。

他魚やエビに害を与えることもなく、美しさも見どころ。

これといって彼ら用にえさも要りませんし、水質や水温にも神経質でありません。

レッドラムズホーンでは「殖えすぎる場合があること」と、「外来種だが、強いので日本の自然環境下でも殖えてしまうこと」を考慮して飼育するのが大事です。