自然に生きているカメとは違い、室内飼いのカメは爪が伸びやすく、
それゆえに怪我や事故につながりやすくなります。
ですがいざ爪を切ろうと思っても、何の知識もないと不安ですよね。
カメの爪を安全に切るために、心得ておくべきことを見ていきましょう。
爪を切るために使う道具
カメの爪を切るためには、ペットショップなどに売っている小動物用の爪切りを購入するか、
家庭にある人間用の爪切りでも代用することができます。
ペンチやハサミなどで切ることも可能ですが、爪を割ってしまったり、いびつな形に切れてしまう恐れがあるので、
安全のためにもちゃんとした爪切りを使うようにしましょう。
カメの爪は小さく、人間用の爪切りではサイズが合わないことも考えられます。
実際に色々な爪切りを見て確認し、カメにちょうどピッタリのものを選ぶようにしてください。
爪切りとして使用したものは、きちんと消毒をして、人間が使うものと分けるようにしましょう。
カメの爪切りは頻度が少なく、消毒せずにそのまま使用してしまいがちですが、
衛生面から考えて避けた方が無難です。
カメに怪我をさせないように
カメの爪には血管が通っていて、あまり深く切りすぎると出血する可能性があります。
出血した部分から細菌が入り、化膿したり皮膚炎を起こしたりするといけないので、
爪切りは慎重に行うようにしてください。
安全に爪を切るためには、まずカメの爪をよく観察します。
光に当ててみると、黒く色のついた血管らしきものがわかると思います。
確認できたら爪切りを使い、あまり血管に近づきすぎない位置を切ります。
血管ぎりぎりまで切ってしまいたい気持ちはわかりますが、
ある程度余裕のある場所で止めておけば、出血の危険は下がります。
爪を切ったらヤスリなどを使い、爪の形がいびつなままにならないようにしましょう。
多頭飼いをしている場合、その爪で別のカメを傷つけてしまうことも考えられます。
切って終わりではなく、その後のケアもしっかりと行うようにしましょう。
二人以上で協力する
カメにとって爪を切られることは決して気持ちのいいことではなく、
暴れたり、激しい抵抗を見せる場合があります。
そういったとき、無理やり切ろうとすれば怪我をする危険があり、カメとの信頼関係にもひびが入ってしまいます。
一人で爪を切ることが困難なら、協力者を探して二人以上で行うようにしましょう。
家族や友人など、信用のおける人に助けをお願いしてみてください。
その際、協力者がカメに慣れていたり、カメに対する知識を持っているといいですね。
爪を切るためにはカメの動きを抑え、手や足を固定する必要があります。
爪を切ることに集中するあまり、カメに強い負担がかからないように注意しましょう。
一人が優しくカメを支え、一人が素早く爪を切るように役割分担すれば、
カメへのダメージが少なくて済みます。
普段から爪が伸びないように工夫する
野生で生きているカメは、硬い石や地面を歩き回ることで、自然と爪を削って伸びすぎることを防いでいます。
室内飼いのカメはそういった硬さを持つものと触れあわず、
運動量も少ないので、どうしても爪が伸びがちになってしまいます。
爪を切る技術も大事ですが、爪を伸ばさないように予防できればそれにこしたことはないでしょう。
カメを庭や公園に散歩に連れていったり、硬めの床材を敷いて運動場を作ってみたりすれば、
爪の長さを一定に保つことができます。
水槽内で飼っているなら、陸場に爪とぎ用にレンガなどを置いたり、
水場に砂利を敷いて泳ぎながら自然と爪が削れるように工夫してみるのもいいですね。
そういったものを設置した場合、普段から細かく汚れや傷みを確認し、環境管理を怠らないようにしてください。
無理をせず病院を頼る
カメに限らず、ペットの爪を切るというのは大変困難な作業です。
無理をして怪我をさせたり、嫌われたりするのは誰だって嫌ですよね。
どうしても切るのが難しいなら、信頼できる動物病院で獣医に切ってもらうことをオススメします。
プロにまかせれば伸びすぎた爪をきちんと処理もしてくれますし、カメの健康状態も詳しく教えてもらえるでしょう。
定期的に診てもらえる病院を一つ見つけておくことで、不慮の事態にもすぐ対応できるので安心です。
ですがいずれは、飼い主自信の手で爪を切れるようになることが望ましいです。
獣医の手つきを観察し、アドバイスをもらって少しずつ慣れていくようにしたいですね。
カメも普段から一緒にいる飼い主に切ってもらえた方が、ストレスもなく安心できることは間違いないでしょう。
怪我をする前にカメの爪をしっかりと処理してあげよう
カメのために水温管理や掃除をしていると、つい爪の伸び具合を忘れてしまいがちになります。
爪ばかりに神経質になり、何度も爪を切る必要はありませんが、ときどきは意識して確認してあげるようにしましょう。
カメが普段どんな風に爪を使い、泳いだり食事をしたりしているのか、意外と見落としがちではないでしょうか。
たまには爪を観察するのも楽しいですよ。