引っ越しのような大きな環境の変化は、ペットにとって大問題です。
ストレスから体調を崩してしまう事もあります。
引っ越しをした時の犬猫のケア方法を実践して、ペットが少しでも早く新しい環境に適応できるように配慮しましょう。
においのついたおもちゃを持っていく
お気に入りの毛布やクッションは、引っ越しの移動中や新居に持っていくとペットにとって頼りになる安心剤になります。
移動時のケージの中や引っ越し後にペットが過ごす部屋には、出来るだけお気に入りのおもちゃや毛布で満たしてあげましょう。
ペットが子供の頃から使っている物だと、随分と汚くなっていて新居には持っていきたくないと思う飼い主もいるかもしれません。
折角新居へ引っ越すのだから、ペット用品もピカピカの物を使わせてあげたいというのが飼い主の親心ですが、ペットにとっては自分のにおいの付いたおもちゃや毛布は、知らない土地での不安な気持ちを和らげてくれる心の拠り所になります。
新居に慣れるまで最低でも1ヶ月は、今までの物を使わせてあげて下さい。
出来れば、引っ越しの数週間前からしっかりとにおいが付くようにおもちゃや毛布を洗わずに取っておきましょう。
家具の配置を旧居と同じにする
引っ越し作業が済んだら、ペットのために先に一部屋だけ片付けて、元の家と同じ環境をつくってあげましょう。
飼い主が一番長く過ごす部屋を元の家と同じレイアウトにしてあげると環境の変化が少なくなり、ペットの不安を減らす事が出来ます。
ペットの過ごす部屋には、以前から使っていたトイレやケージなども配置します。
とりあえずしばらくはその部屋だけで過ごさせるようにして、慣れてきたら徐々に他の部屋を案内してあげましょう。
ペットのための部屋は、興奮して脱走してしまわないように出来るだけ窓の開閉の少ない部屋にします。
環境に慣れていないペットは、自分の元の家に帰ろうとしてそのまま迷子になってしまう事も多く、脱走には特に注意が必要です。
同じ理由から、外で飼っていた犬や出入り自由にしていた猫も引っ越し後しばらくは室内に入れておいた方が良いでしょう。
外飼いの猫の場合は特に、引っ越しは他の猫の縄張りに侵入する事になり、迷子になりやすい環境になっています。
野良猫とのトラブルを避けるためにも、引っ越しを期にそのまま室内飼いに移行する事も考えてみてください。
生活パターンを変えない
引っ越し後は新しい生活で飼い主も落ち着かない日々が続いてしまいます。
ペットは飼い主のそわそわした気持ちを敏感に感じ取り、不安を覚えてしまいます。
飼い主の落ち着いている姿を魅せてあげる事が、環境に適応させる一番の近道です。
引っ越し後は手続きや荷解き作業と何かと忙しく、いつも通りの生活を送るまでには時間がかかってしまいます。
引っ越ししてすぐは、パターンを変えずに生活するのは難しい事ですが、せめてエサの時間や散歩の時間は変えないようにしてあげましょう。
また、落ち着かない日々を送る飼い主にとっても、エサの時間や散歩の時間を作る事は、生活を整えたり気持ちを整えたりする良い気分転換になります。
出来るだけ一緒に過ごす
ペットにとって一番に安心できる場所は大好きな飼い主のいる場所です。
引っ越し後は出来るだけペットの傍にいて安心させてあげましょう。
飼い主がいつでも見える場所にいるだけで、ペットのストレス量はずっと少なくなります。
飼い主がどんなに旧居と同じような環境を整えても、環境音は変える事はできません。
電車や他の隣人のペットの鳴き声など、聞き慣れない環境音が多い引っ越し先なら、それらが怖い物ではないとペットに教えてあげる必要があります。
ペットが慣れない音を聞いて恐がったりビックリしてしまったら、落ち着いた声で「これは○○の音だから大丈夫だよ」と話しかけてあげて下さい。
何か慣れない事に驚いても飼い主がリラックスしている状態を見れば、ペットも安心できます。
猫にはマタタビを与える
環境の変化に敏感でストレスが溜まってしまった猫には、マタタビを与えるのも効果的です。
個体差はありますが、マタタビには猫をリラックスさせたりストレスを軽減させたりする効果があります。
引っ越しで恐がりになったり気が立っていたりすると感じたら、市販されている粉状のマタタビをおもちゃなどに少量ふりかけ与えてみてください。
マタタビは猫によって効果の度合いが違います。
あまり効きにくい猫もいますが、与えすぎると興奮してしまい、逆効果になる事もあります。
マタタビは、少量を短時間だけ与えるようにしてください。
マタタビに反応しない猫でも、キャットニップや他のマタタビ科の植物には反応する事もあります。
自分の猫にあったマタタビ効果のある物を探してみてください。
引っ越し前にもしもの時の用意を
ペットが新しい環境に慣れるまでには、およそ1~3ヶ月ほどかかると言われています。
どんなに対策をとっていても、環境の変化に敏感なペットはストレスで体調を壊してしまうかもしれません。
すぐに対応できるよう、引っ越す前に最寄りの動物病院がどこにあるのか、あらかじめ調べておきましょう。