犬は人間と違って話すことが出来ません。
その為犬は様々な方法で人間とコミュニケーションを取ろうとします。
そのひとつが「吠える」と言う行為です。
犬が吠えるのは極々自然な事で、私たち人間がお喋りをするのとあまり変わらない行為です。
しかし余りにも鳴き声が煩いとやはり大変ですし、ご近所さんにも迷惑が掛かってしまいます。
愛犬が何故吠えるのか、どうすれば吠えなくなるのか、吠える犬の原因としつけ方をご紹介します。
欲求を訴えている
犬が吠える原因として一番多いと言われているのが「欲求を訴える」為にです。
犬は人の言葉を話せませんので、吠える事で意思表示をしようとします。
例えばお腹がすいた、遊んでほしい、散歩に行きたい等、何かを求めている時に吠える事で飼い主さんの気を引こうとしていると言われています。
愛犬が何かを望んでいるならば、叶えてあげたいのが飼い主心です。
愛犬が何を望んでいるのかをよく考えてあげましょう。
しかし反面、あまりにも言う事ばかりを聞いてしまうと吠える行為がどんどんエスカレートしていきますので注意が必要です。
この様な場合の吠える行為を一般には「無駄吠え」と言います。
犬は学習能力が高い動物です。
吠える度に言う事を聞いていたら「吠えれば我が儘を聞いてもらえる」と学習してしまい、我慢が出来ない我が儘犬になってしまいます。
こういった無駄吠えを無くすには「無視をする」事が一番です。
無視をする事で「吠えても言う事は聞いてくれない」と言う事を犬に学習させるのです。
恐怖や怯え
犬は恐怖を感じた時や怯えた時にも吠える事が有ります。
これは吠える事で恐怖の原因を追い払おうとしている為と言われます。
こう言った場合は単純に、その恐怖の原因を取り除いてあげれば吠えなくなります。
しかし、臆病な犬の場合はそうも言っていられません。
もしも恐怖の原因がお客さんだった場合、まさか「犬が怖がるから帰ってくれ」とは言えませんので、何とか慣れてもらうしかありません。
こういった場合は、条件付けをして犬の怯えを取り除くのが効果的です。
例えば飼い主さんが、恐怖の原因(この場合はお客さん)と仲良く接してみる等して恐怖心を和らげてあげます。
犬の恐怖心が和らぎ、吠えなくなったら、それを褒めてあげましょう。
犬が吠える時は何もしない、吠えなくなったら褒める、を繰り返し行う事で、「大人しくしていると褒めてくれる」と条件付けて学習させます。
最終的には「お客さんの前で良い子でいられたら褒める」と言うところまで条件付けが出来れば、人前に出しても怖がらない立派な犬になります。
不安やストレス
不安やストレスを感じた時にも、犬は吠えます。
例を挙げるなら、独り暮らしの為日中は家に誰もいない、大型犬なのに十分な量の散歩をしていない等からくるストレスです。
犬は種類によって性格や飼育方法に違いが有ります。
例えばゴールデンレトリバーは人懐こくて孤独が嫌い、シベリアンハスキーは運動量が多く十分な散歩が必要、等です。
飼っている犬の種類にあった飼い方をしていなかったり、遊ぶ時間が少なかったりすると、犬はストレスを感じて吠える様になります。
こういった場合はもし叱ってしまうと余計に犬にストレスを与えてしまうので、優しくストレスの原因を取り除いてあげる様にします。
犬の性格や特徴、生態をしっかり把握していれば、こういった事態にも対処出来るでしょう。
コミュニケーションとしての吠える
特に問題が無いにも拘らず、犬が突然吠えだす事ってありませんか。
例えばご近所で犬を飼っている方がいる場合、その犬が吠えていると釣られて愛犬も吠えてしまう事が有ります。
上で述べた様に、犬にとって吠えると言う行為はごく一般的な行為です。
その為他の犬が吠えていると、釣られて吠える事や、その犬と意思融通をする為に吠える事があるのです。
これは多数飼いの際にも起こる現象です。
こういった場合は少し面倒ですが、一番最初に吠え出した「原因の犬」を見つけ出す必要が有ります。
この原因の犬を吠えない様にしつけしておけば、他の犬も釣られて吠える事も無くなるでしょう。
縄張りを荒らされた場合
犬は自分の縄張りや自分の物を勝手に使われた時にも吠えます。
犬は縄張り意識が強く、余所者が自分のテリトリーに侵入しただけでも激しく怒る事が有ります。
こういった場合、犬は激しく吠えて、歯を剥き出しにする等して怒りを露わにするので、他の吠える場合との区別は付き易いです。
この手の吠える行為を止めさせるのは少々難しいですが、犬が住んでいる環境を変化させることや、マーキングをさせない等の対処をして縄張り意識を軽減させていく方法が有ります。
しかし縄張り意識による吠えは激しい攻撃性を伴うことが多い為、酷い時は専門家の方に相談する事をオススメします。
吠える犬を適切にしつけよう
無駄吠えに関わらず、犬をしつけける時に重要なのは「問題行動の原因」を取り除くことと「その犬の生態にあったしつけ」をする事です。
やはり、犬にとって吠えると言う行為はごく一般的なものです。
その行為を人間の都合で止めさせることになるので、犬に負担が掛からない様にしつけをしていく事が大切です。