ペットとして犬を家庭に迎え入れる手段は多岐に渡ります。
近年注目されている飼い犬の入手手段は、保護された犬の譲渡です。
動物愛護の意識が高まっている中、譲渡団体からどのように譲り受けるべきか、いくつかの注意点を踏まえて可愛い家族を迎え入れましょう。
1.まずは譲渡会を探してみる
最近では、ほぼ毎週末のように全国各地で譲渡会が開催されています。
譲渡会を主催している団体の多くは、犬の保護団体です。
地域の動物愛護センターや個人でボランティアとして犬の保護をしている人たちが行うこともあります。
犬、譲渡会、地域などでネットで検索してみると、意外と身近なところで行なっていたりするので一度調べてみましょう。
また、実際に犬を手離す元親と、里親募集サイトなどから直接連絡を取ることもあります。
できれば保護団体を仲介するほうがトラブルが少なくオススメです。
2.譲渡団体を見に行く
ネットで近くの動物保護団体を検索すると、譲渡可能な犬の写真などの情報を得ることができますが、これを全て信用することはあまりオススメできません。
ネットに掲載している写真は最新のものかどうか判断ができませんし、施設での様子や性格は自宅に迎え入れた後に変わることもあります。
可能であれば実際に施設に問い合わせをしてみて見学の意向を伝えてみましょう。
といっても、個人で犬の保護をしている方だとなかなか見学が難しいこともありますので、保護主とのやりとりの中で判断しましょう。
最近の保護団体では、保護犬カフェといって気軽に会いに行けるところもあるので嬉しいですね。
3.犬がどのような経緯で保護されたのかを知る
保護されている犬にはどのような来歴があるのか、わかる範囲ででも聞いておいたほうが良いでしょう。
ひどい虐待を受けて心に傷を負った犬と、家の都合で手離されたペットショップ出身の犬では、適切な育て方が変わってきます。
また、野良犬だった子は感染症にかかっていることもあるので、経済的な負担などもしっかりと予想したうえで検討していきましょう。
4.具体的な犬の健康チェック
実際に犬と対面したときに、ある程度保護主から健康状態の説明があります。
しかし、あなたの目でも簡単にチェックをしてみましょう。
素人目で犬の健康状態を判断することは難しいことではありますが、わかりやすいチェックポイントをご紹介します。
耳の中は汚れていないか犬が複数頭いる施設では、耳に寄生をするダニが蔓延しやすい傾向にあります。
特に垂れ耳の犬は耳の中まではよく見えないため、必ず耳をめくって、耳の中に黒い耳垢が溜まっていないか見てみましょう。
場合によっては、ダニの駆虫が必要です。
・咳や鼻水が出ていないか鼻の呼吸音を聞いてみて、ズズ、と鳴っていることはありませんか?鼻水が出ているとこのような音がします。
子犬にとても多いのですが、ケンネルコフという人間でいう風邪の状態にあると、咳や鼻水といった症状が出ます。
ケンネルコフ自体は適切に治療薬を与えることで一週間程度で治ることがほとんどです。
ただ、もし施設の犬の多くに症状が出ている場合は、施設内で蔓延している可能性があります。
お尻が便で汚れていないか肛門付近が便で汚れている場合、その子はお腹の調子が悪いのかもしれません。
下痢の症状は、軽度であれば食事の調整で治ることもありますが、重度の場合は寄生虫を持っていることがあります。
スタッフに最近のトイレの状態や体調をよく聞いて、可能であれば検便をお願いしましょう。
5.その保護主は正しい知識を持って動物を保護しているかを確認
多くの保護施設では、保護した犬に適切な施しをしてから新しい飼い主を探します。
例えば、近年ではペットショップの犬や猫のほとんどにも導入されているマイクロチップの装填です。
マイクロチップを埋め込む、と聞くとかわいそうなイメージがある人もいるかもしれませんが、これはペットの住民票のようなものです。
マイクロチップがあれば、万が一災害に遭い、ペットと離れ離れになってしまっても、保護されたところで飼い主の情報が判明してきちんと戻ってくることができます。
自分の名前や住所を話せないペット達が、万が一のときに情報を示すことのできる必要不可欠なものです。
他にも、各種ワクチン接種や、市町村への飼い犬登録といった手続きをきちんと行なっているかどうかよく聞いてみましょう。
また、ペットの健康保険を勧められることがあるかもしれませんが、こちらも犬のためには加入しておいたほうが賢明です。
6.譲渡費用、審査について確認
先ほどのマイクロチップの装填やワクチン接種といったものは当然のことながら有料です。
そのため、譲渡、といっても完全に無料で犬を迎え入れることができることはほとんどなく、これまでにかかった諸費を請求されます。
この費用がいくらになるのか、きちんと説明を受けておきましょう。
また、譲渡を受ける側は、きちんと犬を終生飼育していくことができるか審査を受けることがあります。
中には、犬を迎え入れた後に、定期的に保護主に犬の状態を報告しなければいけないというルールを設けている場合もあります。
譲り受けた後に何をしなければいけないのか、注意事項をよく聞いておきましょう。
また今後のトラブルを避けるためにも、費用や譲渡後の契約について覚書を取り交わしておくと安心です。
犬を譲り受ける前に
犬のことをたくさん質問することももちろん重要なのですが、里親希望者が自分のことを話すことも意外と重要です。
犬の飼育経験や、家庭の環境など、些細なこともスタッフに相談してみてください。
人と犬がマッチングしなければ、いくら可愛い犬がいたとしても貰い受けるべきではないのです。
ここでこの子とのご縁があって良かったと思える一生の出会いとなるよう、しっかりと準備を整えておきましょうね。