人間と同様に、犬にとっても食事は楽しみな時間のひとつです。
人間と一緒に生活をしていると、犬は決まった食事の時間を覚えるものです。
犬は賢く、人間の生活パターンをよく覚え、それに合わせて自分に関係のあること(食事や散歩)がいつ行われるかを把握しています。
そのためご飯の時間になると吠えるというケースがあります。
では、どのようにして吠えるのを止めさせれば良いのでしょうか。
ご飯は人間が食べてからあげる
その前に大切なのは食事の順番です。
犬と一緒に暮らすと犬は家族の一員になり、その中で自分の順位を決めます。
群れで行動していたときの本能にもなり、主従関係は大切なもの。
それは様々な行動に見られるようになります。
2人以上で暮らしている場合、人間の中で誰が一番偉い主人なのかを決め、次に偉い人は誰か、と決めていきます。
例えばソファがあるとします。
もし二番手の人間が自分より下だと思えば、一番偉い人の隣の場所を自分が陣取ります。
犬と一緒に暮らすとき、やはり家族の人間すべてを上に見てもらわなければいけません。
それがしつけのポイントとなります。
食事の時間はまずは人間が先、そして終わったら自分の番だということを、飼い始めた時から教えてあげます。
先に犬にエサをあげてから人間が食事をしていて、それから順番を変えてしつけをしようと思うと、犬は人間の食事中に自分のエサを要求して訴えるでしょう。
そして吠えて訴える犬もいるでしょう。
これはルールを途中で変えた人間側にも責任があります。
それなので、食事の順番は飼い主たちが先だと順番を決め、待たせるルールを守りましょう。
待てなくて吠えるときのしつけ方
飼い主との食事の順番を理解していても、待てずに吠える犬もいます。
それは、吠えればもらえると思っているからです。
これは、遊んでほしい、散歩に連れて行ってほしいと同じ、欲求の無駄吠えです。
全ての無駄吠えのしつけに共通しますが、吠えて要求している時は徹底的に無視をしましょう。
振り向いて様子をうかがってもいけません。
人間の食事中であれば、何食わぬ顔をして食事を続けましょう。
初めのうちはうるさくて近所迷惑にならないか心配になりますが、そこで根負けしてはいけません。
一度根負けして犬の要求に応えてしまえば、吠えることによって飼い主が要求を呑んでくれると思ってしまいます。
下手をすれば、犬との上下関係が逆転しかねません。
そうなってしまうと、その後のしつけは、食事に関してだけでなく全てにおいて思うようにいかず、あなたを悩ませることになるでしょう。
可愛い愛犬の要求に応えてあげたいのが人情ですが、ここはぐっと我慢です。
人間との根気比べで犬が負ければ、後は大丈夫です。
犬は吠えることによって自分の要求が通らないことを理解し、無駄に吠えることを止めます。
吠えなくなったら、もちろんエサをあげてください。
そして、犬の目を見て思いっきり褒めてあげましょう。
それも目も見てしっかり褒めることです。
食事の場合は、食事そのものでもご褒美になりますし、その他の場合では好きなおやつを使ってあげるだけでも、ただただ撫でてスキンシップをとってあげるだけでも構いません。
食事の時間が遅いときのしつけ方
平日は早い時間に食事をあげているけれども、週末はゆっくりと起きるので朝食の時間が遅くなることがあります。
太陽が昇り、明るくなってきている、そしてお腹も空いてきたのに、今日はいつもの時間に食事が始まらない。
そこで吠えて訴え始めたとしましょう。
ルールを作って生活をしている上で、イレギュラーな食事の時間を我慢してもらうのは矛盾にもなりますが、ここもしつけで乗り切らなければいけません。
例えば散歩に毎日連れて行っていると、散歩に行かない日があると犬は散歩を要求します。
これは当然のことです。
当たり前でやっていたことが起こらないと、どうしてと思うでしょう。
これでは雨の日、雪の日、飼い主が大変になります。
毎日の習慣を当たり前と思わせないためにも、良い意味で不規則さも取り入れましょう。
散歩は犬のためではなく、ご主人様の出かけるところについていけると思ってもらうくらいが良いです。
食事の話に戻すと、同じように食事の時間が遅くなるときがあっても、待てる犬でなければいけません。
食事を抜きにされるわけではない、忘れられているわけではない、と安心してもらうのも、やはり日々の我慢とご褒美でのしつけが大切です。
吠えるのを止めたらとにかく褒めてあげよう
食事の時間に吠えてしまう犬には、まず食事の順番を理解させ、待つことの大切さを教えましょう。
一番いけないのは飼い主が根負けして要求に応え、知らない間に犬を甘やかしてしまうことです。
しつけが上手くいかないうちは人間にとっても辛い時期になりますが、何年も一緒に暮らす家族である犬とストレスの無い生活を送るためにも、ぜひ要求吠えをさせないしつけを頑張ってください。
そして、成長し老犬になっても、正しいことができたら、いつでも思いっきり褒めてあげてください。
犬は褒められることが大好きです。
それが飼い主と犬との絆と信頼にもなっていきます。