犬を家族に迎え、ワクチンなどを終えてお外に出られるようになったら、まず楽しみなのがお散歩です。
犬にはもともとの性格がもちろんありますが、それに加えて生後半年から一年の間に社会性・従順さなど多くの大切な性格が形成されるので、この時期のお散歩はとてもとても大事です。
楽しく安全にお散歩をする上で一番大切なことは「リーダーウォーク」。
「リーダーウォーク」とは、犬が飼い主の左側にぴったりついた状態で行う散歩の方法です。
これが身に付いていないと、人間を引っ張ってしまい、ケガをさせてしまうことがあります。
また急なハプニングが起こった時に犬を制御できなくなってしまいます。
今回は愛犬にリーダーウォークを身につけさせる方法をご紹介します。
犬に飼い主の目を見させる
おやつをあげるとき、犬はどこを見ているでしょうか。
「おすわり」「待て」ができていても、犬の目はおやつを見ていませんか? 犬が飼い主の目を見ていないのなら、それはコミュニケーションができていないということです。
まず、犬におやつを見せたまま、犬の名前を呼んでください。
最初は目を見てこないかもしれませんが、何度も続けていると不思議そうに見つめてきます。
目がばっちりあったら徹底的に誉めておやつをあげてください。
そうしていると、犬はいつも飼い主の顔を見るくせがつきます。
飼い主の目を見るようになったら、犬が「飼い主とコミュニケーションをとらなくては」と意識できたということです。
横につかせる
おやつを手に持ち、犬を呼んでください。
そしておやつを自分の左手に持ち、右手で犬の首輪を持って自分の右→後ろを通って、左側に来るようにします。
左側に来たらすわらせて名前を呼んでください。そして、目を見たら誉めておやつをあげてください。
犬が慣れてきたら、首輪を持たなくてもできるようになります。
そのレベルまで来たら、「ついて」というかけ声をしてあげてください。
飼い主の左側に座って目を見つめてきたら「ついて」の完成です。
前に進む
次に、「ついて」の状態で首輪を持って、前に進みます。
3歩くらい歩いたら止まりましょう。
そのときに「ついて」と声をかけます。
何歩か歩いて「ついて」、また何歩か歩いて「ついて」を繰り返します。
ここまで来ると、犬は歩きながら飼い主の顔を見ることが多くなります。
飼い主の顔を見ているということは、飼い主より先を歩くことはなくなります。
ここでも目があったらしっかり誉めてあげましょう。
外に出る
犬のリードは伸びるタイプではなく、1メートルくらいのものが理想的です。
首輪は、できればハーフチョーク(首輪の前部分だけチェーンになっているもの)が望ましいです。
外に出ても、1~3の手順を守ってください。
犬が引っ張った時にはすかさず「ついて」と声をかけます。
また、外では他の犬に出会って興奮したり、なにか怖い音が聞こえて走り出すことがあります。
その時には、名前を呼んで「ついて」をさせ、飼い主さんの目を見させてください。
目を見たらおやつをあげた方がよいので、散歩の時はポケットに少しおやつをいれておくと良いでしょう。
犬にとって、大切なのは「何が悪くて何が正しいのか」の両方をはっきり理解していることです。
例えば、何か嫌な音が聞こえて逃げ出したとき、「こら、引っ張ったらだめ」と言ったらどうでしょうか。
犬は叱られたことは分かりますが、どうしたらいいのかは分かりません。
だから、次に怖い目にあった時も同じように走ってしまいます。
でも、「ついて」が正しいと知っているならば、叱られたときに「そうか、ついてなきゃいけないんだ」と思い出して正しい行動に出ることができます。
リードを変える
外でも常に「ついて」ができるようになったら、伸びるタイプのリードを用意しましょう。
本来リーダーウォークができなくてはならないのは、「どんな状況でも、飼い主が命令すれば左側に戻ってくる」という犬に育てるためです。
これさえできれば、安心して家族のみんなが散歩に行けますし、人混みにも行けます。
ただし、忘れてはいけないのは散歩は犬にとってとても貴重な時間だということ。
もしお家の近くに公園やあぜみちなど、人が少ない場所があるならば、そこでは長いリードにかえて、犬にたくさん匂いをかがせてあげてください。
そうすることで、犬にとってのお散歩が「訓練だけの時間」になることを避けられます。
もちろん、この時も時々は名前を呼んで目を合わせてくださいね。
リーダーウォークをマスターしよう
犬とのお散歩はとても楽しいものですが、最初にリーダーウォークをマスターしておかないと、飼い主もしくは自分の犬、他の人や犬がいつか辛い目にあうかもしれません。
ですから、自由にさせてあげたい、自分は引っ張られても大丈夫、と思う飼い主さんも、絶対にリーダーウォークをきちんとするべきです。
飼い主の目を見ることを覚えた犬は、本当に嬉しそうな顔で散歩中飼い主を見ます。
犬にとって「つける」場所があることは幸せなんです。このことを忘れないで、素敵な散歩を楽しんでくださいね。