ドッグフードをトレイに入れてあげると、まるで丸呑みするかのような勢いで食べ始めますよね。

愛犬がとてもおいしそうに、元気よく食事をしてくれる姿は、見ていてもすがすがしいものです。

しかし、ときどき食べ物への執着からか、食事中に近づくと怒ったりする犬がいたりします。

今回は、そんなときにどう対処するべきなのかということを、具体的にご紹介します。

1.なぜ犬は食事中に近づくと怒るのか

さて、まず対処方法について考える前に、なぜ食事中に近づくと怒るのでしょうか。

考えられる要因としては、大きく分けると2つの理由が存在します。

一つはエサに喜びすぎて興奮しているか、もしくはエサを取られるかも知れないと警戒しているかいずれかでしょう。

犬にとって、ご飯やお散歩はこの上なくうれしいものだというのは察しがつくと思います。

ですので、ついついテンションがあがってしまい、吠えたり走り回ったりすることがあります。

この場合は、吠えつつもエサを食べていたり、食べることに集中している様子があります。

しかし、もう一方のエサを取られると思っている場合には、少し注意が必要になります。

迂闊に犬に触ったり、エサを取り上げたりすると、本気で抵抗してきたり、噛み付かれてしまうこともあります。

この状態のときには、ただ吠えたりするだけでなく、唸ったり威嚇するようなポーズを取ることが多いです。

2.ご飯に近づくと怒ることを改善するにはトレーニングが必要

犬はもともと野生で狩りをして生活してきた動物です。

そのため、次の食事にいつありつくことができるかわからないような、不安定な生活をしてきていました。

せっかくのエサを奪われまいと警戒したり、固執する気持ちというのは当然ということができます。

しかし、食事中に近づくと警戒するという行動は、なるべく直してあげたほうがいい癖でもあります。

奪うようなつもりはなくても、予期せぬケガや突発的な犬の攻撃行動に繋がることがあります。

また、犬も食事中にずっとストレスを感じることになり、精神的なダメージも考えなければなりません。

トレーニングの基本的なスタンスは、「横取りしないよ」ということを教えてあげることにあります。

人間はエサをくれる人であることや、人が近づくとよいことがあるということを覚えてもらいます。

そのためには、少しずつ段階を踏んでトレーニングをしていく必要があります。

3.手でエサを与える

まず、犬に慣れてもらうための第一歩として、エサを手から与えるようにしてみましょう。

普段トレイに入れたドッグフードを食べさせる前に、少量を手から与えるようにします。

慣れてきたら、トレイを持った状態でドッグフードを食べさせてみるようにしましょう。

この段階で意識することは、犬に人からエサがもらえるということを覚えてもらえるようにすることです。

普段、同じようにおやつをあげたりすることはあると思います。

それと同じような感覚で行えばOKですが、くれぐれも噛み付かれないように消えつけましょう。

また、食事をしているときに、そばで観察してあげるというのも大切です。

人が近くにいる状態に慣れてもらったり、横にいても横取りをしないんだよということを覚えてもらいます。

よく様子を観察して、こちらを気にしていたり、体をこわばらせている状態なら、あまり撫でたり触れたりしないようにしましょう。

4.おかわりを入れてみる

人が近くにいても、犬が穏やかな状態でエサを食べられるようになったら、次のステップへ進みます。

今後は、一度の食事を2回に分けて与えるようにしてみましょう。

トレイが空になったら一度下げて、おかわりを入れて目の前に戻すようにします。

人がエサをくれるという風に認識できていない犬は、エサを入れるトレイに強い執着を見せるでしょう。

下げようとするとすごい剣幕で怒ったり、吠えたりすることがあります。

そのため、ここでは「お皿を下げる」=「エサを準備してくれる」と思ってもらう目的があります。

最初のうちは、トレイを下げようとすると露骨に嫌がるようなことがあります。

だんだんと慣れてくると、自分からエサのトレイを持ってきたりする犬もいたりします。

人がエサを奪うのではないとわかれば、それほど警戒したり威嚇するようなこともなくなるでしょう。

5.途中でおやつを入れてあげる

それでも、なかなか食事中に人への警戒心の解けない犬もいたりします。

そうした犬には、「食事中に人が近づいてくるといいことがある」と思わせるようにしていきます。

これには、しつけのトレーニング同様に、おやつをうまく使ってあげるとよいでしょう。

まずは、食事中に静かに近づいて、おやつをエサに混ぜるようにして与えてみます。

最初のうちは、直接トレイに入れなくてもよいでしょう。

近くにおやつを置くようなかたちでもいいので、人間とおやつを関連付けるように意識させます。

そのうち慣れてくると、人がくると「おやつをくれるかも」と思うようになり警戒心も薄らいできます。

それほど吠えたり、威嚇したりしなくなれば、直接手でおやつをあげてみてもよいでしょう。

すでに大人になっている犬の場合には、こうした刷り込みが必要になる場合があります。

ご飯中に人が近づくと起こる犬への対処法を知ろう

犬がエサを取られまいと必死になって警戒するのは、本能的な行動とも言えるでしょう。

しかし、人間といっしょに生活していく中では、そのまま放置するのはあまりよいこととは言えません。

ですので、少しずつ、人間がエサを取るような相手ではないことを、犬に覚えてもらうようにしましょう。

また、すでにしっかりと成長した犬の場合には、とても神経質になっていることもあるので、無理をすることのないように気を付けましょう。