ペットで犬を飼っていると、普段は可愛いけれど時として困った行動をしてしまうことがありますよね。
なかでも「ゴミ箱をあさってしまう」行動は飼い主を困らせるだけでなく、アレルギーや誤飲など犬自身にとっても非常に危険なことです。
そんな「ゴミ箱あさり」をやめさせるにはどうしたらいいのでしょうか。
なぜ犬はゴミ箱をあさるのか
飼い犬といっても野性の本能は残っており、動くものを追いかけたり穴を掘って獲物を探す「狩猟本能」が備わっています。
そうした本能を持った犬からすると、穴の中に何かがあると思わせるゴミ箱は非常に魅力的で興味を惹く存在です。
まず、大好きな飼い主や家の人の物が入っています。
匂いのするものも沢山あります。
生ごみ、お菓子のパッケージ、そして自分の匂いがたっぷりついたオシッコシートなどもありますね。
中でも食べ物の匂いは格別です。
犬にしてみれば、そんな魅力がいっぱい詰まった箱に対して、今すぐにでも顔を突っ込んで中にある「何か」を引っ張り出したい。
という狩猟本能をかきたてられてもおかしくありませんね。
このように、ただ単に興味があって本能的に行動しているパターンが多いのではないでしょうか。
しかし中には退屈だったり構って欲しくてわざとゴミ箱をあさる犬もいます。
ゴミ箱をあさった時に正しく叱れず、犬にきちんと伝わっていなかったら「ゴミ箱をあさると飼い主がリアクションしてくれる」「構ってもらえた」と思って同じことを繰り返します。
犬にゴミ箱をあさられない工夫をする
今使っているゴミ箱がフタの無いタイプだったら、それをフタ付きのタイプに変えます。
犬が自分で開けたり出来ないような、フタに爪が付いているものが良いですが、無ければ普通のフタ付きのゴミ箱でかまいません。
心配な場合、少々使い勝手が変わりますがフタの開く側を壁側に向けて設置すると、犬がフタを開けられなくなります。
肝心なことですが、フタが閉まらなくなるまでゴミをためるのはいけません。
面倒かもしれませんが、こまめにまとめておく習慣を身に付けましょう。
小さいゴミ箱は犬から届かない所に置き場所を変えて、顔や足を入れたりゴミ箱を倒したりできないようにしましょう。
また、ゴミ箱の中にも一工夫しておきます。
犬の嫌いな匂いをつけておくと、ゴミ箱に近寄って行きません。
ペットグッズのお店で犬の嫌いな匂いのスプレーを販売していますし、自宅にあるものでカンタンに作ることも出来ます。
お料理に使う「お酢」を水で10倍に薄めてスプレー容器に入れ、ゴミ箱の中に1~2プッシュします。
犬の鼻はお酢のツンとした匂いをキャッチするので、ゴミ箱に近寄りません。
ゴミ箱を荒らす犬にきちんと叱って理解させる
ゴミ箱あさりでも、叱り方は基本的な場合と同じです。
現行犯で、その場でビシッと叱ります。
また、ゴミ箱に興味を持って周りをうろうろしたりゴミ箱の匂いをクンクン嗅いでいるときにも叱っておきます。
犬がビックリするくらいの大きい音を立てて、「ゴミ箱に近づくと怖い音がする」と思わせるのも効果的です。
困ってしまうのが、お留守番中に退屈してゴミ箱をあさってしまう場合です。
帰宅してから叱っても意味が無く、こちらもビックリしてしまってつい「うわ~」「キャーッ」と声を上げて、犬に「飼い主も楽しいんだ」と勘違いされてしまうと、また繰り返しになります。
お留守番自体は少しずつ慣れていくしかありませんが、この場合は「ひたすら無視する」ようにします。
犬は無視して、黙ってゴミを片付け、ゴミ箱の場所を変えましょう。
「飼い主は楽しくないんだな」「構ってもらえなかった」となれば、犬もゴミ箱で気を引くことはしなくなります。
犬と十分なコミュニケーションをとる
構って欲しくてゴミ箱あさりをしてしまう犬の場合、普段から十分なコミュニケーションをとるように心がけましょう。
そのなかで犬に対して「自分が飼い主で、立場が上なのだ」と態度で示し、決してナアナアにならないことが大切です。
ゴミ箱あさりに対しては毅然とした態度をとる必要があります。
ただ、食事はもちろん散歩や遊び、グルーミング、基本のコマンドなど、普段の生活においてコミュニケーションがとれていれば、構ってほしさにゴミ箱を荒らすようなことはしなくなります。
意外に思うかもしれませんが、お留守番をさせるときは何気ない感じでスッと出かけるほうが良いです。
いかにもお出かけしますという感じで「行ってくるね」「イイコにしててね」など、声をかけてしまいがちですが、犬はかえって寂しく感じてしまうのでゴミ箱あさりのきっかけを作ってしまいます。
ここはグッとこらえて、自然に家を出ましょう。
ゴミ箱を荒らす犬への対処方法を知ろう
ゴミ箱をあさる行為は悪気があってしていることではなく、本能的に興味を持ってしてしまうことです。
犬がゴミ箱をあさらないように工夫したり、ダメなことであると正しく教える必要があります。
また、構ってほしくてやっている可能性がある場合、十分なコミュニケーションをとって、ゴミ箱をあさらなくても「楽しい」と感じられるようにしましょう。
そうすれば、飼い主も犬もお互い安全に気持ちよく暮らしていくことができます。