世界には珍しい犬や、普段聞たことのないような名前の犬がたくさんいます。
珍しい理由はそれぞれで違ったりしますが、一般に知られていなくても素晴らしい犬がいるのも事実です。
今回は、一度では覚えられそうにない名前ですが、コイケルホンディエという犬について紹介します。
コイケルホンディエとは?
コイケルホンディエとは、オランダが原産の小型犬〜中型犬です。
この聞きなれない名前は、オランダ語の名前だということと、オランダ以外では非常に珍しい犬ということも関係しています。
日本では毎年100頭ほどの登録がありますが、まだまだ飼育数は少ない犬の一つです。
世界的に見ても、原産国以外ではかなり珍しい犬でもあります。
本国であるオランダでは、古くからカモやアヒル猟のパートナーとして働いてきました。
アメリカに渡り、そこで飼われる犬も多かったのですが、2つの世界大戦により一時期は絶滅寸前にまで数が減ってしまいました。
その後、愛好家たちの努力によって数が増やされて、犬種として公認されるまでに至っています。
それでも、まだまだ個体数は少なく、現在でも希少種と言われています。
コイケルホンディエの体の特徴
体高は約40cmくらいで、側面から見るとシルエットはスクエア型に近い体型をしています。
バランスの取れた骨格でとても活発に動くので、スポーツも得意な犬です。
被毛は白をベースに、赤っぽい茶色の模様が入っており、とても快活な印象を受けます。
コイケルホンディエの特徴は、耳や首元、足、尻尾などの随所に見られる豊かな飾り毛にあります。
少しウェーブのかかった毛はツヤがあり、動いたり風になびく飾り毛がとても美しく見えます。
耳の先端の一部には黒味がかった毛が伸び、「イヤリング」と呼ばれアクセントとなっています。
顔つきはレトリーバーのような、愛嬌と精悍さのある表情をしています。
コイケルホンディエの性格を知ると、その目には思慮深さが見え隠れしているように感じられます。
コイケルホンディエの名前の由来と歴史
さて、コイケルホンディエという聞きなれない名前ですが、この名前にはしっかりと意味があります。
ホンディエ=hondjeというのはオランダ語で犬のことを指します。
英語で犬の意味を持つ「hound」と綴りが似ていることから、なんとなく想像できるでしょう。
コーイケルの部分は「kooiker」と書き、「おとり漁師」という意味があるそうです。
これは、コイケルホンディエの猟の役割から取られています。
コイケルホンディエのカモ猟は、直接カモを捕まえるのではなく、その飾り毛の豊富な尻尾を使ってカモの興味を引きます。
網を張ったポイントまでカモを誘導して、猟師が網を引きカモを捕まえるという猟をしていました。
そのため、このような呼ばれ方をするようになったのです。
コイケルホンディエは家庭犬として理想的な性格
コイケルホンディエは珍しい犬ではありますが、ペットとしては理想的な性格の持ち主です。
陽気で気立てが良く、飼い主や家族に対してはとてもよく懐きます。
また猟のパートナーであったことから忠実な性格で頭も良く、しつけの覚えも早いと言われています。
無駄吠えも少なく、体のサイズも小さすぎないので、良い遊び相手になってくれるでしょう。
少し警戒心が強い犬もいますが、環境への適用能力は高いので心配は要りません。
来客などの知らない人やドッグランなどで初めて出会う犬にも、最初は少し距離を取ろうとします。
しかし、生来のフレンドリーな性格で、慣れればしっかりと打ち解けるができるでしょう。
もともと猟犬ではありますが、家庭犬としてはとてもバランスが取れていると言えます。
コイケルホンディエの寿命と病気に関して
コイケルホンディエの平均的な寿命は12〜14年ぐらいが一般的です。
コイケルホンディエだけに限ったことではありませんが、寿命とは別に注意したいことがあります。
一度個体数が減ってしまった純血種というのは、遺伝的な疾患が多かったりする傾向にあります。
これは血統の維持のために同じ純血種を交配させますが、数が減るとどうしても近親間での交配が必要になるケースがあります。
コイケルホンディエには、先に説明したように戦争によって絶滅寸前まで数が減ってしまったという悲しい過去があります。
そのため遺伝的な疾患がほとんどないわけではありませんので、注意が必要です。
遺伝的な疾患には、様々なものが考えられます。
現在でも個体数が少ないため、特定の疾患を挙げることが難しいという状況でもあります。
ですので、飼育中の体調の変化や異変にはくれぐれも気を付けるようにしましょう。
値段と入手方法は?
コイケルホンディエはペットショップに並ぶことはほとんどないため、ブリーダーから入手するのが基本になります。
日本国内ではまだまだ数の少ない犬種ですが、国内にもコイケルホンディエを専門としているブリーダーは存在します。
うまくタイミングが合えば、子犬を手に入れることもできるでしょう。
ただし、先に述べたように近親間での交配による病気の心配があります。
ブリーダーから入手する場合には、しっかりとコンタクトが取れて、信頼できる方を選ぶようにしましょう。
値段は20〜30万円くらいが一般的な相場と言えます。
海外のブリーダーから輸入することも可能ですが、輸入には様々な手続きで費用がかさみます。
輸入する場合には、50万円くらいはするものだと思っていた方が良いでしょう。
コイケルホンディエの特徴を知ろう
名前を聞いただけでは想像できませんが、珍しい犬の中にもこんなに素晴らしい犬が隠れています。
最近の日本での登録件数を見ると、飼いやすい犬ということもあり、これからもっと浸透していくのかもしれません。
とても活発で容姿も優れていることから、知名度が上がれば爆発的に人気が高まりそうな犬種です。
個体数が増えれば、遺伝的な疾患なども減るので、より安定した犬が手に入りやすくなります。
こうした知られていない良い犬の素晴らしさが広まるというのは、犬好きにとってとても嬉しいものであります。