最近は犬や猫だけでなく爬虫類に昆虫と、珍しいペットを飼うのが好まれるようになりました。
それに伴ってペットの王道とも言える犬にも、所謂「レア」と言われる犬種が出回るようになってきました。
そのうちの一つに「マスティフ」がいます。
聞き覚えのない方もいるかもしれませんが、実はこの「マスティフ」、富裕層を中心に人気を集めている犬種です。
今回はその中でも人気が高く飼いやすい「スパニッシュマスティフ」についてご紹介します。
スパニッシュマスティフはどんな犬?
「スパニッシュマスティフ」はその名の通り、スペイン原産の家畜護衛犬としても用いられる犬種で、最も体が大きい犬としても知られます。
スパニッシュマスティフはスペインの国犬にも指定されるほどに人気の高い犬種で、スペイン国内でも飼育数の少ない非常に希少な犬種として大事に扱われています。
スパニッシュマスティフの歴史は古く、紀元前2,000年頃まで遡ることができます。
元々はインドかシチリアから渡ってきた犬が原種とも言われ、その体の大きさと力の強さから牧羊犬ではなく、家畜を狼などから守る護衛犬として扱われてきました。
第二次世界大戦時には絶滅寸前にまで数を減らしましたが、戦後に愛好家たちの手によって保護されたことによって絶滅を免れたと言います。
スパニッシュマスティフは世界でも知名度が高い反面、非常に数が少なく、かなりの「レア犬種」として扱われています。
日本国内でも飼育されてはいますが、国内でスパニッシュマスティフを入手するのはかなり難しいようです。
スパニッシュマスティフの性格
スパニッシュマスティフは「超大型犬」の名に反して、非常に温厚で優しい性格の個体が多いようです。
とても穏やかで「おっとり」していると言う表現が良く似合う、飼い主に甘えるのが大好きな可愛らしい犬です。
またとても賢い犬で、自分の体の大きさを理解して、子供などにも優しく接することができます。
忠誠心も高いのでしつけもしやすく、子犬の頃からしっかりとしつければとてもフレンドリーな性格にもなります。
しかし一方では、家畜の護衛犬に使われていただけのことはあり、他者に対しての警戒心が強く、オオカミなどの獣にも物おじしない勇敢さを兼ね備えています。
飼い主や家族を守りたいと言う意識が強く、それ故に敵と認識したものには容赦なく立ち向かう獰猛さもあります。
飼育に当たっては正しいしつけが必須になります。
スパニッシュマスティフの外見
スパニッシュマスティフは「超大型犬」という名に相応しく、雄の体重は90~100㎏を超え、雌でも60~80㎏程になります。
どっしりとした筋肉質で骨太な身体つきと、「デューラップ」と呼ばれる喉の下のたるみや皮膚のたるみが大きく、耳や尻尾は垂れ型で、毛並みはショートコートですが、尻尾はふさふさとしています。
全体的に愛嬌ある容姿をしていて、顔立ちは温厚で素朴で、その性格を表しているかのように優しげです。
毛色は薄茶色やクリーム色が多いですが、稀に白も存在します。
スパニッシュマスティフを飼育するに当たって
スパニッシュマスティフを飼育する点で最も重要なことは「力の強い人が中心となって飼育する」ことです。
スパニッシュマスティフは温厚で優しい性格で、運動量も超大型犬の割には少なめなので、飼育難易度そのものは割と低めです。
しかし上記したように非常に力が強いため、散歩のときなどは全くコントロールができずに引きずり回されてしまうことがあります。
そのため、腕力に自信のない方の飼育はオススメできません。
またスパニッシュマスティフは鳴き声が非常に大きく太く、獰猛です。
集合住宅などでの飼育も不向きです。
十分な運動ができる体力と、いざとなったときは止められる腕力、そして幼犬の頃からきちんとしたしつけができる知識が、飼育に当たっては必要となってくるでしょう。
またスパニッシュマスティフも大型犬の例に漏れず、股関節形成不全などの関節症のリスクが高いです。
できれば、大型犬の飼育経験があることが望ましいです。
スパニッシュマスティフの寿命と病気
スパニッシュマスティフの寿命は平均して10年前後言われています。
元々大型犬は小型犬に比べると寿命が短い傾向にあります。
中には長生きする個体もいて、15年程度生きた例もあるそうですが、大体10年を目安に考えるようにすれば大丈夫でしょう。
スパニッシュマスティフは股関節の形成不全や心臓の疾患などの、大型犬が掛かり易い病気に気を付ける必要があります。
成長期の無理な運動や、肥満などによる急激な体重増加は足腰や心臓に大きな負担をかけます。
またマフティフ系の犬種は原産地が乾燥した気候が多いせいか、日本では熱中症になるリスクが高いです。
熱中症対策にも気を付けるようにしましょう。
スパニッシュマスティフの特徴を知ろう
スパニッシュマスティフはスペインの国犬にも指定されるほどメジャーな犬種であるにも関わらず、飼育数が少ないのが現状です。
国内でも飼育しているブリーダーはいますが、基本的には海外からの輸入が主です。
価格もそれに従ってかなり高額になりますので、もしスパニッシュマスティフが入手できたら、大切に飼育してあげて下さい。